報告の返事は「ありがとう」が望ましい!
こんにちは!
今回の話は、血圧が低いことを報告できた話です
こんなことありました
夕方から夜勤が始まって2時間ほど、新人看護師さんが何かを言いたそうな顔をしてナースステーションをうろうろしていました
何か探しているのかなと思いましたが、これは何か困っているんじゃないかなと思いました
何か困っていることあるかと尋ねると
「患者さんの血圧が何度測っても60台なんです。。」とのこと
この時先輩の私として正しい返答は「ありがとう」から始める会話です
「ありがとう、一緒に確認しに行こうか」と共感を示してベッドサイドに向かいました
ベッドサイドでのやりとり
血圧を測ると確かに収縮期血圧が「60」と表示されます
片方の腕だけが低くなっていると大動脈解離などの疾患が考えられますが、左右差はなし
ここでは省きますが血圧以外のショック症状が出ていないか確認するために、気道・呼吸・循環・意識・全身状態と見ていきます
呼吸数上昇なく、呼吸に障害はなさそう、手足は暖かく、毛細血管充満時間はやや延長、輸液の量は心不全の既往を考えてやや少なくなっている・・
ふむふむ
多分脱水だ
意識状態も良かったので、急がず新人看護師さんへ「ありがとう、よく報告したね」と返して主治医に電話
医師とも脱水だろうという見解で一致、輸液を追加でオーダーとなり心不全があるから6時間かけて点滴
それでも血圧が上がらなかったのでさらに6時間分を追加
12時間かけて血圧は元の80台に戻りした
相手の立場で考えるってやっぱり大事
新人看護師さんからよく報告ができたねと伝えると
「何度測っても血圧が低くて、どうしたらいいか迷ったんですけど、言う勇気がすぐわかなかったけど報告ができて良かったです」と
先輩看護師の感覚で言えば、血圧低下している状況は急を要することが多いので、即報告ですが、後輩にとっては血圧が低いことを報告すると私(新人新人看護師)さん自体が責められるんじゃないか
など、辛い思いをする可能性があるなど、報告のハードルがあることを改めて感じました
信じると伸びる
よく、新人看護師さんからの報告が遅いとか、なんで言って来ないんだとか先輩看護師の話を聞くことがあります
その要因は先輩自身だと(私も例外ではないと思います)思っています
お互いがお互いのことを理解しようと思うことが大切だと思います
患者さんのために一生懸命看護をしていることを信じる
相手を信じると自信につながり、成長(伸びる)ことにつながると私は思っています
忙しい毎日ですが、こういった考え方が広がっていけばいいなと日々思っています
最後まで読んでいただいてありがとうございます!
この記事が、あなたにとって少しでも役に立てていたら嬉しいです!
血圧が低いとき、何を確認すればいい?基礎知識をおさらいしよう

この体験談から、血圧低下のアセスメントについてもう少し深掘りして解説するね!
血圧の正常値は収縮期血圧90〜130mmHg程度とされていますが、患者さんによって普段の血圧は異なります。大切なのは「その患者さんの普段の血圧と比較して低いかどうか」です。今回のケースのように収縮期血圧60台という値は、多くの成人においてショックを疑うレベルです。
ショックとは?
ショックとは全身の組織・臓器への酸素供給が需要を満たせなくなった状態のことです。血圧の低下はショックの重要なサインですが、ショックの初期段階では血圧が保たれていることもあります(代償性ショック)。血圧だけでなく、全身の状態を組み合わせて評価することが重要です。
【ショックの主な5種類】
① 循環血液量減少性ショック:出血・脱水(今回のケースはこれ!)
② 心原性ショック:心筋梗塞・重症心不全
③ 血液分布異常性ショック:敗血症性・アナフィラキシー・神経原性
④ 閉塞性ショック:緊張性気胸・肺塞栓症・心タンポナーデ
⑤ 解離性ショック:重症貧血・一酸化炭素中毒(稀)

ショックにこんなに種類があるんですね!血圧が低いイコールショックとも限らないんですか?

そう!血圧低下=ショック確定ではないし、血圧が正常でもショック状態になっていることもある。だから「血圧の数値+全身状態の観察」をセットで評価することが大事なんだよ。
血圧低下時に確認するABCDEアセスメント
今回の体験談の中でも「気道・呼吸・循環・意識・全身状態を見ていきます」とありましたが、これはABCDEアプローチに基づいた系統的な観察です。
A(Airway)気道:開通しているか?声が出るか?
B(Breathing)呼吸:呼吸数・SpO₂・努力呼吸はないか?
C(Circulation)循環:血圧・脈拍・皮膚色・毛細血管再充満時間(CRT)
D(Disability)意識:GCS・JCS・瞳孔
E(Exposure/Environment)全身:体温・皮膚の状態・出血・皮疹など
このA→Eの順番で素早く確認することで、緊急度の高い問題から優先的に対処できます。新人のうちは全部一人でやろうとせず、「何かおかしい」と感じたら先輩を呼んで一緒に確認することが最善の行動です。

ABCDEって呼吸のBと循環のCって前の記事でも出てきましたよね!つながっているんですね。

そう!フィジカルアセスメントのABCDEは全身管理の基本の型だよ。一つひとつを単独で見るのではなく、つなげて考えることで患者さんの全体像が見えてくるんだよ。
脱水による血圧低下を見抜くための観察ポイント
今回のケースは脱水による循環血液量減少性ショックでした。脱水は高齢者に特に多く、「気づいたときには重症化している」ことが少なくありません。日頃から以下の観察ポイントを意識することが大切です。
💧 口腔粘膜の乾燥:唇や口の中が乾いていないか
💧 皮膚ツルゴール低下:前腕の皮膚をつまんで離したとき、戻りが遅い
💧 尿量の減少:時間尿0.5mL/kg/hr未満は要注意
💧 尿の濃縮:尿の色が濃い茶色になっている
💧 頻脈:脱水では代償性に心拍数が増加する
💧 起立性低血圧:座位→立位で血圧が20mmHg以上低下
今回のベッドサイドでの観察では「手足が温かく、呼吸に問題なく、毛細血管充満時間がやや延長」とありましたが、これはまだ末梢循環が保たれつつも、わずかに低下が始まっている状態を示しています。このような微妙なサインを見逃さないことが看護師の力の見せどころです。

毛細血管充満時間(CRT)ってどうやって確認するんですか?

爪先を5秒間白くなるまで押して離したとき、2秒以内にピンク色に戻れば正常。2秒を超えるようなら末梢循環が悪くなっているサインだよ。簡単にできるから毎回確認する習慣をつけてね!
血圧低下を発見したときの報告の仕方
今回の体験談では新人看護師さんが「2時間うろうろしてから報告」という状況でしたが、血圧60台という値は本来即時報告が必要なレベルです。報告の仕方を知っておくことで、次に同じ場面に遭遇したときに素早く行動できます。
【SBAR報告の例】
S(状況):「○○号室の○○さんですが、血圧が60台と低下しています」
B(背景):「心不全の既往があり、夕方から輸液量を絞っていました。尿量も少なめです」
A(評価):「脱水による血圧低下の可能性があると思います。手足は温かく、意識は清明です」
R(依頼):「輸液の増量などについて指示をいただけますか?」
SBARを使って報告することで、受け手に状況・緊急度・必要な対応が明確に伝わります。最初から完璧にできなくてよいので、「数値と患者さんの状態をセットで報告する」ことだけ意識しましょう。

「血圧が低いです」だけでなく、背景と評価も一緒に伝えるんですね。確かにそっちの方が先輩も動きやすいですよね。

そう!「数値だけ報告」から「状況+評価+依頼」に変えるだけで、報告の質が劇的に上がるよ。最初は難しくても、SBARの枠組みを頭に置いておくだけで変わってくるからね。
なぜ新人看護師は報告をためらってしまうのか

「なんで早く言わないの」って思うかもしれないけど、新人の立場から見るとそれは当然のことなんだよ。少し深掘りしてみるね。
今回の新人看護師さんは「報告すると自分が責められるんじゃないか」という不安を抱えながら2時間悩んでいました。これは決して特別なことではなく、多くの新人看護師が感じる「報告の壁」です。
新人が報告をためらう主な心理的要因
① 「こんなことで呼んでいいのか」という遠慮
② 「自分の判断が間違っていたら怒られる」という恐れ
③ 「先輩が忙しそうで声をかけにくい」という気遣い
④ 過去に報告して怒られた・冷たくされた経験
⑤ 「もう少し様子を見ればよくなるかも」という先延ばし
これらの要因は、新人看護師自身の問題ではなく、チームや職場文化が生み出している問題でもあります。報告しやすい環境をつくることは、先輩・管理者・チーム全体の責任です。

先輩の反応が怖くて言い出せないこと、正直あります…。

その気持ち、すごく大切にしてほしい。報告をためらわせる環境は患者さんの安全を脅かすことにもつながるからね。「報告してくれてありがとう」の一言が、どれだけ大きな意味を持つか、先輩になったときに忘れないでほしいな。
報告しやすい環境をつくるための「心理的安全性」
心理的安全性とは、「何を言っても責められない・罰せられない」という職場の安心感のことです。Googleの研究によっても、心理的安全性が高いチームほどパフォーマンスが高いことが示されています。医療の現場でも例外ではありません。
【先輩・リーダーが意識したい関わり方】
✅ 報告を受けたら「ありがとう」を最初に言う(今回のしーちゃんの実践)
✅ 内容の良し悪しより「報告してくれた行動」を認める
✅ 忙しくても報告を受ける時間を短くとも確保する
✅ 指導が必要なときも責める言葉でなく「一緒に確認しよう」のスタンスで
✅ 新人の「変だと思った感覚」を尊重する

今回のしーちゃんの「ありがとう、一緒に確認しに行こうか」という返答は、まさにこの心理的安全性を大切にした関わり方だよ。このひと言が次の報告のしやすさを育てているんだよ。

先輩の返し方ひとつで、次に報告しようと思えるかどうかが変わるんですね。

そう!「あの先輩に言えば大丈夫」という信頼感が積み重なることで、新人は安心して報告できるようになる。それが患者さんの安全にも直結するんだよ。
新人看護師へのメッセージ
もしあなたが今「これを報告してもいいのかな」と迷っているなら、迷った時点で報告のサインです。「なんかおかしい」「いつもと違う」という感覚は、経験からくる直感よりも鋭いことがあります。その感覚を大切に、まず先輩に声をかけてみましょう。
報告が早ければ早いほど、患者さんを守れる可能性が上がります。たとえ「取り越し苦労」だったとしても、それは決して悪いことではありません。「報告して何もなかった」は、「何かを見つけた」と同じくらい大事な行動なのです。
よくある質問Q&A
Q:血圧が低くても「もともとこの患者さんは低い」と言われたとき、どうすればいい?

「この人は元々血圧が低いから」と先輩に言われたとき、それ以上確認しなくていいですか?

「元々低い患者さんでも、いつもより更に低いなら報告が必要」という視点が大事。例えば元々80台の人が60台になっていたら変化があるということ。ベースラインを把握した上で「いつもと比べてどうか」を確認しよう!
Q:自分の判断が間違っていて怒られるのが怖いです

報告して「それくらい大丈夫」って言われたら恥ずかしくて…

「取り越し苦労」は絶対に恥ずかしくないよ!報告して何もなかったとしても、それは「異常なし」という確認ができたということ。むしろ報告しないで何かあった方がずっと大変なことになる。迷ったら報告、これが鉄則だよ!
Q:先輩が怖くて声をかけられません

怖そうな先輩のとき、どうしたら声がかけられますか…?

「患者さんのための報告」という意識を前面に出すといいよ。「○○さんの血圧のことで確認していただけますか」と患者さんを主語にして話しかけると、緊張が少し和らぐよ。また「リーダー看護師」に報告するのも一つの方法!
血圧低下発見から報告までのチェックリスト
☑ 血圧を再測定する(片腕だけでなく両腕で確認できるとベスト)
☑ 患者さんに声をかけて意識状態を確認する
☑ SpO₂・呼吸状態を確認する
☑ 脈拍を触知してリズムと速さを確認する
☑ 手足の温かさ・皮膚色・CRT(毛細血管充満時間)を確認する
☑ 尿量・尿の色を確認する
☑ 「なんかおかしい」と感じたら即先輩に報告する
☑ SBARを意識して状況・背景・評価・依頼を伝える
この記事のまとめ
✅ 血圧60台は多くの場合「即報告レベル」。2時間悩まず早めに動こう ✅ 血圧低下はABCDEアプローチで全身状態を系統的に確認 ✅ 脱水サイン(口腔乾燥・CRT延長・尿量減少・頻脈)を見逃さない ✅ 報告は「ありがとう」で受け取ることが心理的安全性をつくる ✅ 新人の「なんかおかしい」感覚は非常に重要なサイン ✅ 迷ったら報告!取り越し苦労は恥ずかしくない

「ありがとう」から始める報告の受け方、自分が先輩になったときに絶対実践します!

その気持ちがとっても大事!新人のうちに感じた「報告しにくさ」を覚えていてくれれば、きっと素敵な先輩になれるよ。一緒に患者さんを守れる看護師を目指していこうね!
「なんかおかしい」を育てることが看護師の成長につながる
看護師の経験が浅いうちは、異常の根拠を言語化できなくても「なんかいつもと違う」「なんかおかしい感じがする」という直感が働くことがあります。この感覚は大変重要なサインで、経験豊富な先輩たちも大切にしている感覚です。
この感覚を「根拠がないから言わなくていいか」と抑え込まず、「何かおかしいと感じます」とそのまま先輩に伝えてみてください。その一言が患者さんの命を救うことがあります。そしてその経験を繰り返すことで、「なぜおかしいのか」を説明できる観察力と判断力が育っていきます。
報告→振り返り→学びのサイクルが力になる
今回の新人看護師さんは、血圧60台を発見し、悩みながらも報告し、先輩と一緒にアセスメントを経験しました。この一連の体験が「次に同じ場面に出会ったとき」の大きな力になります。
① 異常を発見する(観察力)
② 迷いながらも報告する(勇気・コミュニケーション)
③ 先輩と一緒にアセスメントする(思考力・学習)
④ 結果と経過を見届ける(判断の根拠を積み重ねる)
⑤ 次の場面で「あの時と似ている」と判断できるようになる(経験知)
このサイクルを一つひとつ積み重ねていくことが、臨床判断力のある看護師への道です。焦らず、でも着実に。今日の「できた!」が明日の自信になります。

今日のこの体験談、すごく心に刺さりました。私も迷ったらすぐ報告するようにします!

その気持ちがとっても大事!報告するたびに学びが増えて、気づけば「あの時報告してよかった」って思える経験が積み重なっていくよ。一緒に成長していこうね!
先輩・中堅看護師へ:報告しやすい職場をつくるために

ここからは少し視点を変えて、先輩・中堅ナース向けのメッセージだよ。
「なぜ報告が遅いんだ」と思う前に、「報告しにくい環境を自分たちが作っていないか」を振り返ることが大切です。今回のケースのように、新人看護師が2時間悩んでからやっと報告できたという状況は、職場の心理的安全性が十分でなかったことを示しているかもしれません。
【先輩・リーダーが日々できること】
① 報告を受けたら「ありがとう」から始める(否定や批判を最初に言わない)
② 「いつでも声かけて」という雰囲気を言葉と態度で示す
③ 新人が報告した後に「正解・不正解」でジャッジしない
④ 小さな「気になること」でも報告してきた行動を称える
⑤ 自分が困ったことも時々開示して「先輩も完璧じゃない」を見せる
心理的安全性は一朝一夕では育ちません。日々の小さな関わりの積み重ねが、報告しやすいチームをつくっていきます。「信じると伸びる」というしーちゃんの言葉の通り、新人を信頼する姿勢が組織全体の力になっていくのです。

先輩の立場からも、関わり方を意識することが大事なんですね。

そう。立場が変われば見え方も変わる。新人のときに感じた「報告しにくかった気持ち」を忘れないでいることが、将来素晴らしい先輩になるための財産になるよ!
血圧管理に関する基本知識:覚えておきたい数値
最後に、血圧に関連する基本的な数値の目安を整理しておきましょう。これを知っておくと、バイタル測定時に「要観察か即報告か」の判断がスムーズになります。
📊 正常血圧:収縮期血圧90〜130mmHg(施設・患者により基準は異なる)
📊 低血圧の目安:収縮期血圧90mmHg未満
📊 要注意ライン:収縮期血圧80mmHg未満(症状次第で即報告)
📊 ショック疑い:収縮期血圧60mmHg台(今回のケース)→即報告!
📊 ショックインデックス≧1(脈拍÷収縮期血圧):ショックを強く疑う
ただし、数値だけで判断するのではなく、患者さんのベースライン・症状・全身状態と合わせて判断することを忘れずに。
以上、しーちゃんでした!



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