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✅ 第12話のあらすじが看護師目線でわかる
✅ りんが英語の勉強を始めた場面を、新人看護師の学習支援につなげて考えられる
✅ 直美が鹿鳴館へ向かう行動を、自己決定・リスク・アドボカシーの視点で読み解ける
✅ シマケンの関わりから「できない人を責めない支援」を学べる
✅ 患者さんや新人が一歩踏み出すとき、看護師がどう支えるかがわかる
こんにちは、現役ナースのしーちゃんです。
ベテラン看護師歴20年、クリティカルケア認定看護師として働いています。
みらいちゃんです!看護師1年目で、朝ドラ「風、薫る」を見ながら、しーちゃんに毎回いろいろ聞いています。
今回は、朝ドラ「風、薫る」第12話を、看護師目線でたっぷり解説します。

しーちゃん、第12話はりんちゃんも直美ちゃんも、それぞれ新しい場所へ踏み出していましたね。りんちゃんは英語の勉強を始めるし、直美ちゃんはドレスを着て鹿鳴館へ向かうし、見ていてドキドキしました。

そうだね。第12話は、2人の挑戦の形がはっきり分かれる回だったと思う。りんちゃんは「できなかったことを学び直す挑戦」、直美ちゃんは「自分の力で機会をつかみに行く挑戦」。看護師目線で見ると、患者さんや新人看護師が次の一歩を踏み出すとき、周囲がどう支えるかを考えさせられる回だったよ。
第12話は、派手な医療場面が出てくる回ではありません。
でも、看護師にとって大切なテーマがたくさんあります。
できなかった経験を、どう次の学びにつなげるか。
助けられたあと、自己効力感をどう回復するか。
新しい場所へ挑戦するとき、どんなリスクがあるか。
強みを持つ人が、その強みをどう社会の中で使っていくか。
誰かを支えるとき、ただ守るだけでなく、本人が歩き出せるようにするにはどうしたらよいか。
これらはすべて、看護の現場にも通じます。
患者さんの退院支援。
新人看護師の教育。
家族支援。
社会資源につなげる支援。
病気や困難のあとに、自分の生活を取り戻していく支援。
第12話は、「一歩踏み出す人を、どう支えるか」を考える回でした。
- 第12話のあらすじ
- ナース目線ポイント①:できなかった経験を“学び”に変える
- ナース目線ポイント②:自己効力感を回復する支援
- ナース目線ポイント③:シマケンの関わりは“通訳”以上の支援
- ナース目線ポイント④:直美の鹿鳴館行きは“自分の強みを使う”行動
- ナース目線ポイント⑤:自己決定とリスクはセットで考える
- ナース目線ポイント⑥:ドレスは“装い”であり“社会へのアクセス手段”
- ナース目線ポイント⑦:学ぶ人には“安全に失敗できる場所”が必要
- ナース目線ポイント⑧:りんと直美は違う形で“自立”へ向かっている
- ナース目線ポイント⑨:直美の行動力から考えるアドボカシー
- ナース目線ポイント⑩:2人の挑戦は“チーム支援”で続いていく
- 新人看護師が臨床で使える観察ポイント
- 先輩・医師・MSWへの報告例
- よくある質問
- まとめ:第12話は“挑戦を支える看護”を考える回
- 🛒 しーちゃんのおすすめ情報
第12話のあらすじ
第12話では、前回シマケンこと島田健次郎に外国人客の対応を助けてもらったりんが、自分も少しでも瑞穂屋の役に立ちたいと英語の勉強を始めます。
りんは、瑞穂屋で働き始めたばかりです。
新しい場所。
新しい仕事。
知らない品物。
外国人客。
聞き慣れない言葉。
そこに突然向き合うことになり、前回はうまく対応できませんでした。
でも第12話のりんは、そこで終わりません。
「できなかった」ことを、自分の学びに変えようとします。

りんちゃん、落ち込んで終わりじゃなくて、英語を勉強しようとしていましたね。私だったら、恥ずかしくてしばらく引きずりそうです。

引きずるのも自然だよ。でも、りんちゃんは助けられた経験を「自分はだめだ」で止めずに、「次は役に立ちたい」に変えようとしていた。ここは新人看護師さんにもすごく重なると思う。
一方、直美は吉江から、りんの暮らしが落ち着いたことを聞きます。
りんと環がひとまず瑞穂屋で生活できていると知った直美は、ある作戦を思い立ちます。
直美はメアリーからドレスを借り、鹿鳴館へ向かいます。
鹿鳴館は、当時の明治日本の中でも特別な場所です。
西洋文化、身分、社交、外交、華やかさ。
そうしたものが集まる空間です。
直美にとって鹿鳴館は、簡単に入れる場所ではありません。
それでも直美は、そこへ向かいます。
自分の英語力、行動力、度胸を使って、新しい機会をつかもうとします。

直美ちゃん、すごいですよね。怖くないのかなと思いました。でも、身分を偽って入り込むのは危なさもありますよね。

そうだね。直美ちゃんの行動力は魅力だけど、看護師目線ではリスクも見たいところ。本人の自己決定を尊重することと、安全を考えることは、いつもセットで考える必要があるよ。
第12話は、りんと直美が別々の場所で、それぞれ自分の未来を切り開こうとする回です。
りんは、瑞穂屋で学び始めます。
直美は、鹿鳴館へ踏み出します。
2人とも、誰かに決められた道ではなく、自分の意思で次の一歩を選ぼうとしています。
ここに、看護師が大切にしたい「自立支援」のヒントがあります。
ナース目線ポイント①:できなかった経験を“学び”に変える
第12話でまず注目したいのは、りんが英語の勉強を始めることです。
りんは、前回の外国人客対応で困ってしまいました。
知らない言葉。
知らない本。
知らない接客。
誰に聞けばよいのかわからない状況。
その中で固まってしまうのは、無理もありません。
でも、りんはそこで終わらず、「少しでも瑞穂屋の役に立ちたい」と考えます。
これは、失敗を学びに変える力です。

新人看護師も、できなかったことがあると落ち込みます。でも、そこから勉強できると少し前に進めますよね。

そう。大切なのは「失敗した自分はだめ」ではなく、「次に備えるには何が必要か」と考えること。看護師の成長は、完璧にできた経験より、できなかった経験をどう振り返るかで大きく変わるよ。
新人看護師さんは、できなかった経験をたくさんします。
採血がうまくいかない。
報告がまとまらない。
患者さんの質問に答えられない。
急変時に動けない。
家族対応で言葉が出ない。
優先順位がわからなくなる。
そのたびに落ち込むかもしれません。
でも、落ち込むこと自体が悪いわけではありません。
大切なのは、そのあとです。
何がわからなかったのか。
どこで手が止まったのか。
次は誰に相談すればよいのか。
どんな知識を準備すればよいのか。
どの場面を先輩と一緒に練習すればよいのか。
この振り返りが、学びになります。
りんの英語学習は、まさにこのプロセスです。
できなかったから終わりではなく、できるようになりたいと思う。
そこに、成長の芽があります。
ナース目線ポイント②:自己効力感を回復する支援
りんが英語を学び始めた背景には、「自分も役に立ちたい」という思いがあります。
これは、自己効力感と関係します。
自己効力感とは、「自分にもできるかもしれない」と感じる力のことです。
人は、自分には何もできないと思うと、挑戦する気力を失います。
逆に、小さくても「できた」という経験があると、次の一歩を踏み出しやすくなります。

たしかに、先輩に「ここはできていたよ」と言われると、少し頑張れます。

そうだよね。人は、できなかった部分だけ指摘され続けると萎縮する。でも、できたことを確認しながら次の課題を示されると、学びやすくなるの。
看護師が患者さんや新人さんを支えるとき、自己効力感はとても大切です。
たとえば、退院後の生活指導でも、
「毎日歩いてください」
「食事制限を守ってください」
「薬を忘れず飲んでください」
と一方的に言うだけでは、患者さんは続けにくいことがあります。
それよりも、
「まず朝の薬だけは忘れずに飲めていますね」
「昨日より少し長く歩けましたね」
「食事の記録をつけられたことが大事です」
「全部完璧でなくて大丈夫です。続けやすい方法を一緒に考えましょう」
と、できたことを確認しながら支援するほうが、継続につながります。
りんも、いきなり流暢に英語を話せる必要はありません。
まず挨拶を覚える。
店で使う言葉を覚える。
わからないときに助けを呼ぶ。
商品名を確認する。
少しずつできることを増やす。
これでよいのです。
看護も同じです。
患者さんも、新人看護師も、段階的に成長します。
支援する側は、その段階を一緒に見つける役割を持っています。
ナース目線ポイント③:シマケンの関わりは“通訳”以上の支援
第12話では、前回から続くシマケンの存在も大きなポイントです。
シマケンは、外国人客の対応で困っていたりんを助けます。
ただ言葉を訳しただけではありません。
りんが一人で抱えていた困りごとを、横からほどく存在になりました。

シマケンさん、ちょっと変わっているけど、りんちゃんにとっては助けになりましたよね。

そうだね。支援者って、必ずしも“優しく包み込む人”だけではないの。少し癖があっても、その場の困りごとを解決する力を持っている人が、すごく大きな支えになることがあるよ。
看護現場でも、通訳のような役割はたくさんあります。
医師の説明を患者さんにわかりやすく言い換える。
患者さんの不安を医師に伝える。
家族の思いをチームに共有する。
専門用語を日常の言葉に置き換える。
制度の説明を、患者さんが使える情報に変える。
多職種の間をつなぐ。
看護師は、医療の中の通訳者でもあります。
患者さんは、医学用語や制度の言葉をそのまま理解できるとは限りません。
説明を聞いて「はい」と言っていても、本当はよくわかっていないことがあります。
りんが外国語の前で固まったように、患者さんも医療の言葉の前で固まることがあります。
そのとき看護師は、
「今の説明でわかりにくかったところはありますか」
「一緒に整理しましょう」
「ご家族には、どのように説明すると伝わりやすいですか」
「この薬は、朝食後に1回飲む薬です」
「次に困ったら、ここへ連絡してください」
と、相手が使える言葉へ橋渡しします。
シマケンの助けは、りんが学び始めるきっかけにもなりました。
支援とは、ただその場を助けるだけではありません。
相手が次に自分で動けるようになるきっかけを作ることでもあります。
ナース目線ポイント④:直美の鹿鳴館行きは“自分の強みを使う”行動
第12話のもう一つの大きな軸は、直美が鹿鳴館へ向かうことです。
直美は、りんの暮らしが少し落ち着いたことを知ります。
そして、自分自身の次の道を考え始めます。
メアリーからドレスを借り、鹿鳴館へ向かう直美。
その行動には、英語力、度胸、観察力、演技力、そして「このままでは終わらない」という強い意志が見えます。

直美ちゃんは、自分の得意なことを使って道を開こうとしているんですね。

そうだね。看護師目線では、ここは「本人の強みを活かす支援」にもつながるよ。人を支えるとき、できないことだけを見るのではなく、その人が持っている力を見ることが大切なの。
患者さんや家族を支援するとき、つい問題点に目が向きます。
病気がある。
お金がない。
家族が少ない。
知識が足りない。
服薬が続かない。
生活が不安定。
もちろん問題を把握することは大切です。
でも、それだけではその人の全体像は見えません。
その人には、必ず何かの力があります。
話す力。
人に頼る力。
子どもを大切に思う力。
仕事を続けてきた力。
家計をやりくりしてきた力。
近所とのつながり。
学ぶ意欲。
誰かを守りたい気持ち。
直美の場合、英語力と行動力が強みです。
それを使って鹿鳴館へ向かいます。
看護師も、患者さんの「できないこと」だけでなく「使える力」を一緒に探すことが大切です。
ナース目線ポイント⑤:自己決定とリスクはセットで考える
直美の行動は、とても力強いものです。
一方で、リスクもあります。
鹿鳴館は、誰でも自由に入れる場所ではありません。
直美はドレスを借り、ある作戦を胸にそこへ向かいます。
身分を偽るような行動には、見つかったときの危険、信用を失うリスク、利用されるリスクがあります。
看護師目線では、ここを丁寧に考えたいです。
本人の意思を尊重すること。
でも、安全を見落とさないこと。
この両方が必要です。

患者さんでも、「どうしても家に帰りたい」と言う人がいますよね。でも安全面が心配なこともあります。

そう。本人の希望を尊重することは大切。でも、転倒リスク、服薬管理、家族の介護力、食事、急変時の対応を無視して「本人が希望しているから」で終わらせるのは危ない。自己決定を支えるには、リスクを一緒に見える形にすることが必要だよ。
たとえば、退院支援ではこんな場面があります。
本人は自宅へ帰りたい。
でも一人暮らしで転倒リスクが高い。
家族は介護に不安がある。
訪問サービスを入れることに抵抗がある。
薬の管理が難しい。
食事が不安定。
このとき看護師は、「帰るのは無理です」と一方的に止めるだけではなく、どうすれば希望に近づけるかを考えます。
手すりをつける。
訪問看護を入れる。
薬を一包化する。
配食サービスを使う。
緊急連絡先を確認する。
家族と役割分担する。
一時的に施設やリハビリを挟む。
本人の希望と安全の折り合いを探すのです。
直美の鹿鳴館行きも、自己決定としては尊重したい。
でも、危険があることも見ておきたい。
看護師は、本人の挑戦を止める人ではありません。
挑戦を少しでも安全にするために、一緒に考える人です。
ナース目線ポイント⑥:ドレスは“装い”であり“社会へのアクセス手段”
直美はメアリーからドレスを借ります。
ドレスは、ただの衣装ではありません。
鹿鳴館という場に入るための装いです。
その場所で「受け入れられる見た目」を整えるための手段でもあります。
ここには、現代看護にもつながる視点があります。
人は、見た目や持ち物、言葉づかい、身分、学歴、職業、性別、年齢によって、社会へのアクセスを制限されることがあります。

服装ひとつで、入れる場所や扱われ方が変わることってありますよね。

あるよね。医療の場でも、患者さんの服装や話し方だけで判断してはいけない。生活背景が見た目に出ることはあるけれど、それを偏見につなげてはいけないの。
直美のドレスは、鹿鳴館に入るためのパスポートのようなものです。
現代でいうと、必要な書類、保険証、紹介状、スマートフォン、交通手段、言語、付き添いなども、社会資源にアクセスするための道具になります。
たとえば、
保険証がないために受診をためらう。
スマートフォンがなく、オンライン予約ができない。
日本語が読めず、制度の案内が理解できない。
交通費がなく、通院できない。
身元保証人がいないため、入所先が決まりにくい。
住所が不安定で、書類が届かない。
こうしたことは、本人の努力不足ではありません。
社会への入口に段差がある状態です。
看護師は、その段差に気づく必要があります。
「この人はなぜ支援につながれないのか」
「何が入口をふさいでいるのか」
「どんな道具や人があれば、アクセスできるのか」
直美のドレスは、そんなことを考えさせてくれる象徴でもあります。
ナース目線ポイント⑦:学ぶ人には“安全に失敗できる場所”が必要
りんが英語を学び始めるとき、必要なのは教材だけではありません。
安全に練習できる場所です。
間違えても笑われない。
わからないと言える。
もう一度教えてもらえる。
少しずつ使える場面がある。
それが学びを支えます。

新人看護師も、いきなり一人で任されると怖いです。練習して、先輩に見てもらって、少しずつできるようになりたいです。

その通り。教育では、本人の努力だけでなく、練習できる環境が大切。失敗しても患者さんの安全が守られるように、先輩が近くで支える仕組みが必要だよ。
新人看護師が成長するには、段階が必要です。
見学する。
一緒にやる。
見守りでやる。
一人でやる。
振り返る。
次の課題を決める。
この流れがあると、安心して成長できます。
逆に、いきなり一人にされ、失敗したら強く責められる環境では、人は萎縮します。
わからないことを隠すようになります。
助けを求められなくなります。
それは、患者安全にも影響します。
りんも同じです。
瑞穂屋で働き続けるには、英語だけでなく、商品、接客、店のルール、人間関係を学ぶ必要があります。
一度の失敗で切り捨てるのではなく、学べる環境があるかどうかが大切です。
看護師が新人を育てるときも、患者さんを支えるときも、「安全に失敗できる場所」を作る視点を持ちたいです。
ナース目線ポイント⑧:りんと直美は違う形で“自立”へ向かっている
第12話のりんと直美は、まったく違う動きをしています。
りんは、瑞穂屋で地道に英語を学び始めます。
直美は、鹿鳴館へ大胆に向かいます。
一見、直美のほうが積極的で、りんはゆっくりに見えるかもしれません。
でも、どちらも自立へ向かう大切な一歩です。
自立とは、何でも一人でできることではありません。
自分に必要な支援を受けながら、自分の人生を選んでいくことです。

自立って、一人で頑張ることだと思っていました。

そう思いやすいよね。でも看護で考える自立は、孤立とは違うよ。必要な支援を使えること、助けを求められること、自分で選べることも自立の一部だよ。
りんは、卯三郎や瑞穂屋の支援を受けながら学び始めます。
直美は、メアリーからドレスを借り、自分の力で鹿鳴館へ向かいます。
どちらも、誰かの支えを受けています。
でも、その支えの上で自分の足を動かしています。
看護師が目指す自立支援も、これに近いです。
患者さんを一人にすることではありません。
患者さんが自分で選べるように、情報と環境を整えることです。
できることを取り戻せるように支えることです。
必要なときに助けを求められるようにすることです。
第12話は、2人の違う自立の形を見せてくれる回でした。
ナース目線ポイント⑨:直美の行動力から考えるアドボカシー
直美は、誰かに用意された道を待つだけではありません。
自分で動き、機会をつかみに行きます。
この行動力は、看護師のアドボカシーにも通じます。
アドボカシーとは、患者さんや弱い立場にある人の権利や利益を守るために代弁し、必要な行動を起こすことです。
直美はまだ看護師ではありません。
でも、これまで環の空腹を見逃さず、りんに怒り、そして自分の未来のために鹿鳴館へ向かいます。
そこには、黙って従うだけではない力があります。

看護師も、患者さんのために声を上げる場面がありますよね。

あるよ。痛みを我慢している患者さんのことを医師に伝える。退院に不安がある家族の声をチームに共有する。生活困窮が治療に影響しそうならMSWにつなぐ。看護師は、気づいたことを行動に変える仕事でもあるよ。
ただし、アドボカシーには慎重さも必要です。
自分の正義感だけで突っ走ると、本人の意思を置き去りにすることがあります。
だから看護師は、次のことを確認します。
本人は何を望んでいるのか。
何を不安に思っているのか。
どんなリスクがあるのか。
誰に相談すべきか。
どのタイミングで動くべきか。
本人の尊厳を守れているか。
直美の行動力は魅力です。
同時に、その行動力が安全につながるよう、周囲の支えも必要です。
看護師は、行動する力と立ち止まって考える力の両方を持ちたいです。
ナース目線ポイント⑩:2人の挑戦は“チーム支援”で続いていく
第12話のりんと直美は、それぞれ別の場所にいます。
でも、2人の挑戦は一人だけで成り立っているわけではありません。
りんには、卯三郎、瑞穂屋の人たち、シマケン、環がいます。
直美には、吉江、メアリー、そしてこれまでの経験があります。
人は一人で挑戦しているように見えても、実際にはいろいろな人や環境に支えられています。

看護もチームですよね。一人で全部できる看護師はいないです。

本当にそう。患者さんを支えるのも、新人を育てるのも、チームでやること。看護師が一人で抱え込むと、支援は続かないよ。
現代の臨床でも、チーム支援が必要な場面はたくさんあります。
退院支援。
在宅療養。
母子支援。
虐待予防。
生活困窮。
精神的な不調。
認知症ケア。
終末期ケア。
新人教育。
どれも、一人の看護師だけでは完結しません。
医師、看護師、薬剤師、リハビリ職、管理栄養士、医療ソーシャルワーカー、保健師、訪問看護、介護職、行政、地域の支援者。
多くの人が関わります。
第12話の2人も、これからさまざまな人と関わりながら成長していきます。
看護師は、その人が一人で頑張りすぎないように、チームにつなぐ視点を持つことが大切です。
新人看護師が臨床で使える観察ポイント
第12話から、新人看護師さんが臨床で使えるポイントをまとめます。
1. “できなかったこと”を責めで終わらせていないか
新人さんや患者さんがうまくできなかったとき、責めるだけでは次につながりません。
何が難しかったのか。
どこで止まったのか。
次に必要な支援は何か。
この視点で振り返ります。
2. 小さな成功体験を作れているか
いきなり大きな目標を立てると、挫折しやすくなります。
まず一つ覚える。
一回できる。
一人で言える。
一つ相談できる。
小さな成功体験が、次の挑戦につながります。
3. 本人の強みを見つけているか
困りごとだけでなく、その人の力も見ます。
学ぶ意欲。
家族を思う気持ち。
仕事を続けてきた経験。
人に相談できる力。
生活を工夫する力。
支援は、その人の強みを土台にすると続きやすくなります。
4. 自己決定と安全を両方見ているか
本人の希望は大切です。
でも、安全確認も必要です。
退院先、服薬、食事、移動、家族支援、緊急時対応。
希望を否定するのではなく、希望に近づくための条件を一緒に整えます。
5. 支援を一人で抱え込んでいないか
困難な支援ほど、チームで共有します。
生活困窮、母子支援、精神的不調、虐待リスク、退院困難、新人教育。
一人で抱え込まず、早めに相談することが大切です。
先輩・医師・MSWへの報告例
新人看護師さん向けに、現場で使いやすい報告例をまとめます。
患者さんが指導内容を実践できなかったとき
「食事指導の内容を守れていないようですが、理解不足というより、買い物や調理の環境が難しい可能性があります。できなかった理由を確認し、実行しやすい方法を再検討したいです。」
新人が処置で固まったとき
「処置中に手が止まりましたが、手順そのものを忘れたというより、患者さんから質問されて焦ったようです。次回は想定質問を確認して、先輩が近くで見守る形にしたいです。」
退院希望は強いが安全面が心配なとき
「ご本人は自宅退院を強く希望しています。一方で転倒リスクと服薬管理に不安があります。希望を尊重しながら、訪問看護や福祉用具、家族支援を含めて安全に帰れる条件を整理したいです。」
本人の強みを支援に活かしたいとき
「ご本人は記録をつけることが得意で、毎日の体重測定も続けられそうです。心不全管理では、その強みを活かしてセルフモニタリングにつなげたいです。」
よくある質問
Q. 失敗した新人に、まず何と言えばいいですか?
まず患者さんの安全を確認します。
そのうえで、感情的に責めるのではなく、
「どこで困った?」
「何が不安だった?」
「次はどう準備しようか」
と一緒に振り返ると、学びにつながりやすくなります。
Q. 患者さんが新しいことに挑戦したいと言ったら、止めない方がいいですか?
希望は大切にします。
ただし、安全面の確認も必要です。
本人の意思を尊重しながら、リスクを一緒に整理し、必要な支援を整えることが大切です。
Q. 本人の強みが見つからないときはどうしたらいいですか?
小さなことから見ます。
家族を大切にしている。
約束の時間に来られる。
話を聞こうとしている。
薬の名前はわからなくても、飲む時間は覚えている。
困ったときに相談できる。
強みは、特別な才能だけではありません。
Q. 直美のように行動力が強い人には、どう関わればいいですか?
まず、その行動力を否定しないことが大切です。
そのうえで、リスクや準備を一緒に確認します。
「やめなさい」ではなく、「安全に進めるには何が必要か」を一緒に考える関わりが有効です。
まとめ:第12話は“挑戦を支える看護”を考える回
第12話では、りんと直美がそれぞれの場所で新しい挑戦を始めました。
りんは、外国人客の対応で助けられた経験をきっかけに、英語の勉強を始めます。
直美は、りんの暮らしが落ち着いたことを知り、メアリーからドレスを借りて鹿鳴館へ向かいます。
どちらも、ただ守られるだけの存在ではありません。
自分の力を使って、次の一歩を踏み出そうとしています。
✅ できなかった経験は、責めではなく学びに変えられる
✅ 自己効力感を支えるには、小さな成功体験が大切
✅ 看護師は医療の言葉を患者さんに届ける通訳者でもある
✅ 本人の強みを見ることで、支援は前向きになる
✅ 自己決定と安全確認はセットで考える
✅ 社会への入口には、見えにくい段差がある
✅ 学ぶ人には、安全に失敗できる場所が必要
✅ 挑戦は一人で抱えず、チームで支える

第12話は、りんちゃんも直美ちゃんもすごく違う挑戦をしていましたね。りんちゃんは勉強、直美ちゃんは鹿鳴館。どちらも看護につながるなんて、最初は思いませんでした。

看護は、人が次の一歩を踏み出す場面にたくさん関わる仕事だからね。患者さんが退院する。新人が初めて報告する。家族が介護を始める。生活に困っている人が支援を受ける。どれも挑戦だよ。その挑戦を、責めず、放り出さず、安全に支えるのが看護なんだと思う。
りんは、できなかった経験から学び始めました。
直美は、自分の強みを使って鹿鳴館へ向かいました。
2人の歩幅は違います。
でも、どちらも前に進んでいます。
看護師も、患者さんや新人の歩幅を見極めながら支えたいですね。
一歩が小さくてもいい。
立ち止まる日があってもいい。
助けを借りてもいい。
大切なのは、その人が自分の人生を少しずつ取り戻していくことです。
第12話は、しーちゃん的には「挑戦を支える看護」と「学び直す力」を考える、とても大切な回でした。
新人看護師さんも、できなかった経験を自分責めで終わらせず、次の学びに変えていきましょう。
そして、患者さんが新しい生活へ踏み出すときは、その一歩が安全で、その人らしいものになるように支えていきたいですね。
参考:
・シネマトゥデイ「朝ドラ『風、薫る』シマケン(佐野晶哉)に助けられたりん(見上愛)は…第12回あらすじ」
https://www.cinematoday.jp/news/N0154274
・Real Sound「『風、薫る』第12話、りん(見上愛)の近況を聞いた直美(上坂樹里)が鹿鳴館へ向かう」
https://realsound.jp/movie/2026/04/post-2364325.html
・Real Sound「『風、薫る』佐野晶哉の登場シーンが強烈 絶妙なバランスで放つ“シマケン”の存在感」
https://realsound.jp/movie/2026/04/post-2366370.html
・WEBザテレビジョン「見上愛“りん”は英語を学び始め、上坂樹里“直美”は身分を偽り鹿鳴館のメイドに…」
https://thetv.jp/news/detail/1340930/
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