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✅ 朝ドラ「風、薫る」第24話の流れがわかる
✅ 捨松の言う「人を看る」の意味を看護師目線で考えられる
✅ シマケンがりんに教えた「観察」の言葉が看護にどうつながるかがわかる
✅ 直美の「看護婦に向いていないかも」という不安を新人看護師の悩みとして整理できる
✅ チーム看護における“good partner”の大切さが学べる

しーちゃん、第24話は“observe”の答えが少し見えてきた感じがしました。直美さんは捨松さんに相談して、りんはシマケンさんに聞いて、それぞれ別の場所で同じ言葉に向き合っていましたね。

うん。第24話は、看護師目線ではとても大事な回だったよ。“observe”をどう訳すかという話から、「看護師は何を見る仕事なのか」「人を看るってどういうことなのか」まで広がっていた。新人看護師さんにも、指導する先輩にも刺さる内容だと思う。
- 朝ドラ「風、薫る」第24話のあらすじ
- ナース目線ポイント①:捨松の「人を看る」は看護の原点
- ナース目線ポイント②:“observe”は包み込むように見続けること
- ナース目線ポイント③:「看る」は手と目を使う仕事
- ナース目線ポイント④:直美の「向いていないかも」は新人看護師の不安そのもの
- ナース目線ポイント⑤:りんが学んだ「観察」は、自分の心を見ることでもある
- ナース目線ポイント⑥:シマケンの“言葉の支援”は多職種連携にも似ている
- ナース目線ポイント⑦:捨松の“good partner”はチーム看護の核心
- ナース目線ポイント⑧:門限に遅れる展開から見る“ルールと学び”のバランス
- ナース目線ポイント⑨:「人間が好きでないとできない」は本当か
- ナース目線ポイント⑩:りんと直美はもう互いを観察し始めている
- 新人看護師さんが明日から使える「人を看る」観察ポイント
- 先輩看護師・指導者に伝えたいこと
- 第24話を看護師目線で読み解くと
- よくある質問
- まとめ:第24話は“看る目”が育ち始める回
- 🛒 しーちゃんのおすすめ情報
朝ドラ「風、薫る」第24話のあらすじ
第24話では、看護婦養成所に入ったりんや直美たちが、それぞれの日曜日を過ごします。
前回から続く課題は、ナイチンゲールの著書『Notes on Nursing』の翻訳です。生徒たちは英語の本を読み、意味を理解しようと奮闘しています。その中で、直美や多江たちが特に悩んでいるのが“observe”という単語です。
直美はこの言葉の訳について相談するため、大山捨松のいる大山家を訪れます。捨松は英語に通じ、異文化の中で学んできた人物です。直美にとって、ただの語学相談ではなく、看護婦としての迷いを抱えて訪ねる相手でもありました。
一方、りんも環と訪れた瑞穂屋で、偶然シマケンに再会します。りんもまた“observe”の意味に悩み、シマケンに相談します。シマケンは言葉に詳しい人物らしく、「観察」という日本語の意味をりんに伝えます。あるがままを見て、物事を見極める。その言葉が、りんの中にある迷いをほどいていきます。
直美は捨松から、看護の「看」は手と目で看ること、人間を看る仕事であることを聞きます。そして、自分は人間があまり好きではなく、看護婦に向いていないのではないかと不安を口にします。捨松は、りんも直美を傷つけたことを悩んでいたと伝え、看護は一人ではできない仕事であり、よきパートナーがいることは恵まれていると背中を押します。
やがて寮の門限が近づき、りんと直美はそれぞれ帰路を急ぎます。別々の場所で同じ言葉を考えていた二人は、少しずつ互いを“observe”し始めているように見えます。

第24話は、派手な事件よりも、言葉がじわじわ効いてくる回でしたね。「看る」って、こんなに深いんだって思いました。

そうだね。看護師は毎日「観察」「看る」「ケアする」という言葉を使うけれど、慣れるほど意味を立ち止まって考えなくなることもある。第24話は、その言葉をもう一度見直す回だったと思う。
ナース目線ポイント①:捨松の「人を看る」は看護の原点
第24話で特に印象的なのは、捨松が直美に語る「人を看る」という考え方です。
看護師は病気だけを見る仕事ではありません。検査値だけ、疾患名だけ、処置だけ、薬だけを見るのではなく、その病気を抱えている“人”を見る仕事です。
たとえば同じ肺炎でも、患者さんによって看護は変わります。独居で退院後の生活が不安な人、認知症があり症状をうまく訴えられない人、仕事復帰を焦っている人、家族に心配をかけたくなくてつらさを隠す人。医学的な診断名は同じでも、その人の背景、感情、生活、価値観が違えば、必要な看護も違います。
捨松の言葉は、看護が「病を見る」のではなく「人を看る」仕事であることを直美に伝えていました。
この考え方は、現代の看護にもそのままつながります。疾患理解はもちろん重要です。薬の作用、副作用、検査値、治療方針、合併症のリスクを知らなければ安全な看護はできません。でも、それだけでは患者さんの生活を支える看護には届きません。
患者さんは、疾患名としてベッドにいるのではありません。生活してきた歴史があり、大切にしているものがあり、不安や痛みや希望を抱えています。そこに目を向けることが「人を看る」ことです。

新人のころは、疾患や検査値を追うだけで精いっぱいでした。「人を見る」って大事だとわかっていても、余裕がなくて。

最初はそれで自然だよ。疾患や検査値を学ぶことは土台。でも、そこに「この人は何に困っているのかな」「退院後どう暮らすのかな」「何を大切にしているのかな」と少しずつ視点を足していくと、看護が立体的になるんだよ。
ナース目線ポイント②:“observe”は包み込むように見続けること
第24話で捨松は、直美に“observe”の感覚を説明します。
“observe”は、ただ見ることではありません。さっと目に入れるだけでもありません。患者さんの状態を注意深く見て、小さな変化に気づき、その意味を考え続けることです。
看護師の観察には、時間の流れがあります。
朝の表情はどうだったか。
昼には呼吸がどう変わったか。
食事の前後で疲労感はどうか。
痛み止めの後、動作は楽になったか。
昨日と比べて会話量はどうか。
入院前の生活から考えて、今の困りごとは何か。
こうした変化を、点ではなく線で見る。それが“見続ける”ということです。
患者さんの一瞬だけを切り取ると、見落としてしまうことがあります。バイタルサインが一度だけ正常でも、数時間の推移を見ると悪化の兆候があるかもしれません。患者さんが一度「大丈夫」と言っても、何度か関わる中で本当の不安が出てくることもあります。
捨松の言葉を現代の看護に引き寄せるなら、“observe”とは、患者さんを評価対象として冷たく見ることではなく、その人の変化を受け止めながら見守り続けることです。

“見続ける”って、なんだか看護師の勤務のつながりにも似ていますね。日勤だけ、夜勤だけではなくて、みんなで患者さんの変化を見ていく感じ。

その通り。看護師一人の目では限界があるから、記録、申し送り、カンファレンスで“見続ける目”をチームに広げるの。observeは個人の技術であり、チームの仕組みでもあるんだよ。
ナース目線ポイント③:「看る」は手と目を使う仕事
捨松が触れた「看る」という言葉は、看護師にとってとても象徴的です。
看護の「看」は、目で見るだけではなく、手を使ってかかわる意味を含んでいるように感じられます。患者さんの顔色を見る。呼吸の様子を見る。皮膚に触れて熱感を確かめる。手を添えて体位変換をする。清拭をしながら皮膚状態を見る。点滴の刺入部を確認する。手を握った時の力や冷たさから、状態や不安を感じ取る。
看護師は、目だけでなく手でも観察します。
清拭は身体をきれいにするだけの行為ではありません。皮膚の乾燥、発赤、浮腫、疼痛、拘縮、筋力低下、羞恥心、疲労感など、多くの情報を得る機会です。食事介助も、食べる量だけでなく、嚥下、姿勢、疲れやすさ、食欲、表情、義歯の状態、むせの有無を見る時間です。
つまり看護技術は、観察の場でもあります。
第24話の「看る」という言葉は、看護師が患者さんに近づく意味を教えてくれます。距離を置いて眺めるだけでは見えないことがある。手を使って関わるからこそ、患者さんの身体や気持ちの変化に気づけることがあります。

清拭や食事介助って、業務が忙しいと“早く終わらせること”に意識が向いてしまうことがあります。

忙しい現場ではそうなりやすいよね。でも、ケアの時間こそ大切な観察の時間でもあるの。全部を完璧に見ようとしなくても、「今日は皮膚を見る」「今日は食べ方を見る」と目的を持つだけで、ケアの質が変わるよ。
ナース目線ポイント④:直美の「向いていないかも」は新人看護師の不安そのもの
第24話で直美は、自分は看護婦に向いていないのではないかと不安を口にします。
この場面は、新人看護師さんにとってとても身近ではないでしょうか。
患者さんに優しくできなかった。
忙しさで言い方がきつくなった。
同期の方が向いているように見える。
自分は人と関わる仕事に向いていないのではないか。
先輩のように気づけない。
患者さんの気持ちをうまく受け止められない。
看護師になったばかりの頃、多くの人が一度は「自分は向いていないのでは」と考えます。
でも、向いていないかもしれないと悩むことは、必ずしも悪いことではありません。むしろ、自分の関わりを振り返れる人だからこそ悩みます。患者さんの反応を気にするからこそ、自分の言葉を振り返ります。チームの中での自分の未熟さを感じるからこそ、苦しくなります。
もちろん、悩みすぎて自分を責め続ける必要はありません。看護師は完璧な人間である必要はないからです。
大切なのは、「私は向いていない」で思考を止めるのではなく、「どの場面でつらかったのか」「何ができなかったと感じたのか」「次は誰に相談できるのか」と分解することです。
直美が捨松に相談したことは、とても大切です。自分一人で抱え込まず、言葉にして相談する。看護師としての成長は、そこから始まります。

「向いていない」って思うと、全部がダメに見えてしまいます。でも、場面ごとに分けて考えれば、次にできることが見つかるかもしれません。

そうだよ。「看護師に向いているかどうか」は一言で決められない。苦手な場面、伸ばしたい技術、支えてもらう必要があるところを見つけることが大切。悩む力は、成長する力にもなるよ。
ナース目線ポイント⑤:りんが学んだ「観察」は、自分の心を見ることでもある
りんはシマケンから「観察」という言葉を受け取ります。
ここで大切なのは、りんが患者さんを見る言葉としてだけでなく、自分の心を見つめる言葉として受け取っていることです。
看護師は患者さんを観察します。でも同時に、自分自身の反応も観察する必要があります。
なぜこの患者さんに苦手意識があるのか。
なぜこの場面で焦ったのか。
なぜ先輩の言葉に強く傷ついたのか。
なぜ同じミスを繰り返しそうになるのか。
なぜ患者さんの不安を受け止めきれなかったのか。
自分を責めるためではありません。自分の反応を知ることで、より安全に、より丁寧に患者さんと関わるためです。
看護の仕事は感情労働でもあります。患者さんの苦しさ、不安、怒り、悲しみ、家族の葛藤、チームの緊張。そうしたものに毎日触れる中で、自分の心が揺れるのは自然です。
だからこそ、自分の心を観察する力が必要です。
りんが「自分の心を観察する」という方向に向かうのは、看護師として大きな一歩です。患者さんを見ようとする前に、自分の見方の癖や迷いに気づく。これは、現代でいうリフレクションにも近い考え方です。

患者さんを見ることばかり考えていましたけど、自分の心も観察するんですね。

うん。自分の感情に気づけないと、無意識に患者さんとの距離を取りすぎたり、逆に抱え込みすぎたりすることがあるの。自分を観察することは、患者さんを守ることにもつながるんだよ。
ナース目線ポイント⑥:シマケンの“言葉の支援”は多職種連携にも似ている
第24話で、りんはシマケンに“observe”について相談します。
シマケンは看護の専門家ではありません。でも、言葉に詳しい人として、りんに「観察」という視点を渡します。この場面は、看護師が多職種から学ぶ姿にも重なります。
看護師は、医師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、医療ソーシャルワーカー、介護職など、さまざまな専門職と関わります。それぞれが違う専門性を持ち、患者さんを見る角度も違います。
看護師だけでは気づけないことがあります。
薬剤師の視点から副作用の可能性に気づく。
リハビリ職の視点から動作能力の変化に気づく。
栄養士の視点から食事内容や栄養状態の課題に気づく。
ソーシャルワーカーの視点から退院後の生活課題に気づく。
介護職の視点から日常生活の細かな変化に気づく。
りんがシマケンから言葉のヒントを得たように、看護師も他者の専門性から患者さんの見え方を広げることができます。
大切なのは、「看護のことは看護師だけで考える」と閉じないことです。患者さんの生活は、看護だけで支えられるものではありません。多職種の視点を借りることで、観察はより豊かになります。

自分の専門外の人に聞くのって、少し遠慮してしまうことがあります。

でも、違う専門性の人ほど違う見方を持っているよ。看護師が「この患者さんをどう見ればいいかな」と迷った時、多職種の言葉がヒントになることは本当に多いの。
ナース目線ポイント⑦:捨松の“good partner”はチーム看護の核心
捨松は直美に、看護は一人ではできない仕事であり、よきパートナーがいることは恵まれているという趣旨の言葉をかけます。
これはチーム看護の核心です。
看護師は一人で患者さんを守るわけではありません。患者さんの24時間を支えるには、勤務者同士の連携が必要です。自分が気づいた変化を次の勤務者につなぐ。自分が迷った判断を相談する。自分では見えなかった視点をチームから受け取る。
よきパートナーとは、いつも仲良しでいる相手という意味ではありません。
必要なことを言い合える相手。
患者さんのために意見を出し合える相手。
自分の弱さや迷いを隠さず相談できる相手。
相手の強みを認められる相手。
衝突しても、目的を患者さんに戻せる相手。
直美とりんは、まだ完全なバディではありません。むしろ衝突し、傷つけ合い、誤解もあります。それでも、互いを気にしている。相手の言葉が心に残っている。別々の場所で同じ“observe”に向き合っている。
この不器用な始まりが、よきパートナーへの第一歩なのだと思います。

よきパートナーって、相性がいい人だけを言うのかと思っていました。でも、違うタイプだからこそ見えることもありますね。

そう。看護チームでは、自分と同じタイプばかりが集まるより、違う視点を持つ人がいる方が患者さんを多面的に見られる。大事なのは、違いを攻撃ではなく情報として扱えることだね。
ナース目線ポイント⑧:門限に遅れる展開から見る“ルールと学び”のバランス
第24話では、りんと直美がそれぞれの場所で翻訳の相談をするうちに、寮の門限が迫っていきます。
看護師目線で見ると、ここには「ルール」と「学び」のバランスも感じます。
寮の門限は、集団生活の安全と秩序のために必要なルールです。看護の現場にもルールがあります。勤務時間、報告基準、手順、感染対策、薬剤管理、確認行動。これらは面倒な決まりではなく、患者さんとスタッフを守るための仕組みです。
一方で、りんと直美が門限ぎりぎりまで外にいた理由は、遊びたいからだけではありません。二人とも、看護の課題に向き合うために相談していました。つまり、ルールを守ることと、学びたい気持ちが衝突する場面でもあります。
現代の看護教育でも似たことがあります。
もっと患者さんの話を聞きたい。でも記録時間が迫っている。
もっと調べたい。でも次のケアに行かなければならない。
もっと指導を受けたい。でも病棟全体が忙しい。
看護師は、やりたいことと守るべきルール、患者さんへの思いと時間管理の間で揺れます。
大切なのは、ルールを軽く見ることではありません。ルールの意味を理解し、その中でどう学びを深めるかを考えることです。門限に遅れること自体は問題になるかもしれません。でも、その背景にある学びへの必死さもまた、見落としたくない部分です。

新人のころ、患者さんと話していたら時間が押して、記録も申し送りも遅れそうになったことがあります。気持ちだけでは回らないんですよね。

そうだね。看護は思いだけでも、効率だけでもうまくいかない。患者さんに向き合う時間と、チームで安全に働くための時間管理、その両方を学んでいく必要があるよ。
ナース目線ポイント⑨:「人間が好きでないとできない」は本当か
第24話では、「看護は人間を好きでないとできない仕事かもしれない」という趣旨の言葉が出てきます。
この言葉を聞いて、プレッシャーを感じる看護師さんもいるかもしれません。
人間が好きでなければ看護師に向いていないのか。
いつも人に優しくできない自分はダメなのか。
苦手な患者さんがいる自分は看護師失格なのか。
しーちゃん目線では、この言葉は「すべての人を感情的に好きにならなければならない」という意味ではないと考えます。
看護師も人間です。相性の合う患者さんもいれば、関わりに難しさを感じる患者さんもいます。怒りをぶつけられることもあります。理不尽に感じることもあります。すべてを笑顔で受け止め続けるのは、現実的ではありません。
でも、看護師に必要なのは、「この人の人生と苦しみに関心を向けようとする姿勢」です。
好き嫌いの感情を超えて、専門職として相手を理解しようとすること。
苦手だと感じた時、その感情に気づいて距離感を調整すること。
相手の言動だけでなく、その背景にある不安や痛みを考えること。
一人で抱えきれない時はチームに相談すること。
それが、看護における“人間への関心”だと思います。
直美が「人間があまり好きではない」と言えることは、むしろ誠実です。自分の中にある冷たさや距離感を見つめているからです。その自覚がある人は、相手を傷つけないための工夫も学べます。

看護師はいつも人が好きで、いつも優しい人じゃないといけないと思うと苦しいです。

看護師に必要なのは、完璧な優しさではなく、専門職として相手を見ようとする姿勢だよ。苦手な感情が出た時に、それを否定せず、どう安全な関わりに変えるかを考えられることが大切なの。
ナース目線ポイント⑩:りんと直美はもう互いを観察し始めている
第24話の面白さは、りんと直美が別々の場所で“observe”を考えながら、実は互いを見始めているところです。
直美は、りんのまっすぐさを見ています。自分にはないものとして、時にまぶしく、時に苛立たしく感じながらも、りんが人を放っておけない人であることを知っています。
りんもまた、直美を見ています。直美の言葉に傷つきながらも、直美が本気で学ぼうとしていること、簡単に弱さを見せないこと、どこか不器用な人であることに触れ始めています。
観察とは、相手の表面だけを見ることではありません。
きつい言葉の奥にある不安。
冷たい態度の奥にある傷つき。
強がりの奥にある自信のなさ。
優しさの奥にある迷い。
そうしたものに気づこうとすることです。
もちろん、相手のすべてを勝手に決めつけてはいけません。「きっとこうだ」と思い込むのは観察ではなく、解釈の押しつけになることもあります。だから観察には、確認する姿勢が必要です。
「私はこう感じたけれど、あなたはどう思っている?」
「さっきの言葉が気になったんだけど、何かあった?」
「私は傷ついた。でも、あなたの考えも聞きたい」
こうした対話があって、観察は関係性につながります。
りんと直美はまだ不器用です。でも、不器用なまま互いを見ることを始めています。ここからバディになっていく余白が、第24話にはありました。

相手を観察するって、決めつけることとは違うんですね。

そう。観察は“わかったつもり”になることじゃない。見て、考えて、必要なら確かめること。看護でも人間関係でも、そこがとても大切だよ。
新人看護師さんが明日から使える「人を看る」観察ポイント
第24話の学びを、明日からの臨床に落とし込むなら、まずは「疾患」と「その人」を両方見る練習をしてみましょう。
たとえば受け持ち患者さんについて、次のように考えます。
この人の疾患で、今日注意すべき変化は何か。
この人は何を不安に思っているか。
この人はどんな時に痛みやつらさを言いやすいか。
この人の“いつも”はどんな状態か。
退院後、生活で困りそうなことは何か。
この人が大切にしていることは何か。
この問いを持つだけで、観察は変わります。
新人看護師さんは、最初から深いアセスメントを完璧にする必要はありません。まずは患者さんの言葉と身体の反応をセットで見ることから始めるとよいです。
「大丈夫です」と言った時の表情。
「痛くない」と言った時の動き。
「眠れました」と言った時の日中の様子。
「食べられます」と言った時の実際の食事量。
言葉と実際の状態が合っているかを見る。これだけでも、患者さんの理解は深まります。
また、ケアの前後で変化を見ることも大切です。
体位変換の後、呼吸は楽になったか。
疼痛対応の後、表情や動きは変わったか。
清拭の後、疲労感は強くなっていないか。
声かけの後、不安は少し軽くなったか。
ケアをして終わりではなく、ケアの結果を見る。これも看護の観察です。

「人を看る」って大きな言葉だけど、実際には表情、動き、言葉、生活を少しずつ見ることなんですね。

そう。大きな看護観は、小さな観察の積み重ねでできていくよ。毎日のケアの中で「この人らしさ」に気づくことが、人を看る第一歩だね。
先輩看護師・指導者に伝えたいこと
第24話は、新人を支える先輩や指導者にとっても学びがあります。
直美は、自分の弱さや不安を捨松に打ち明けます。もしそこで「そんなことで悩むなんて甘い」と返されたら、直美はさらに閉じてしまったかもしれません。
でも捨松は、直美の問いを否定せず、言葉の意味を一緒に考え、看護の本質へつなげます。そして、りんという存在にも目を向けさせます。これは、指導者の関わりとしてとても大切です。
新人看護師さんが「向いていないかもしれない」と言った時、先輩はすぐに励ましたくなるかもしれません。
「大丈夫、大丈夫」
「みんな最初はそうだよ」
「そのうち慣れるよ」
もちろん、そうした言葉に救われることもあります。でも、時にはもう少し丁寧に聞くことが必要です。
「どの場面でそう感じた?」
「何が一番つらかった?」
「患者さんとの関わりで気になっていることはある?」
「次に同じ場面があったら、一緒にどうするか考えよう」
こうした問いは、新人さんの悩みを具体的な学びに変えます。
指導者の役割は、答えを押しつけることだけではありません。新人さんが自分の感じたことを言葉にし、看護の視点に結びつけられるように支えることです。
捨松のように、相手の悩みを看護の本質へつなげる関わりは、現代の教育にも必要だと感じます。

「向いていないかも」と言った時に、頭ごなしに否定されるより、何に悩んでいるか一緒に見てもらえると安心します。

そうだね。悩みを消すより、悩みをほどくことが大事な時がある。指導者は、新人さんの不安を“学びの入口”として扱えるといいね。
第24話を看護師目線で読み解くと
第24話は、“observe”という一語を通して、りんと直美が別々の場所で看護の本質に近づく回でした。
直美は捨松から、「人を看る」という看護の深さを聞きます。自分は人間が好きではない、看護婦に向いていないかもしれないと悩みながらも、その悩みを言葉にします。
りんはシマケンから「観察」という言葉を受け取り、自分の心を見つめ直します。看護婦になる迷いがほどけ、何を学ぼうとしているのかが少し見えてきます。
二人は違う場所にいました。
でも、同じ言葉に向き合っていました。
それぞれの相談相手から受け取ったものは違います。直美は「人を看る」という看護の重さを、りんは「観察する」という言葉の光を受け取ります。そして、その二つは同じ方向を向いています。
看護とは、人をよく見ること。
小さな変化に気づくこと。
相手の背景を想像すること。
自分の心も観察すること。
一人で抱えず、よきパートナーと学ぶこと。
第24話は、りんと直美がまだバディになる前の、でも確かにバディの芽が出始めた回でした。

第24話を見て、観察って患者さんだけじゃなく、自分や仲間にも向けるものなんだと思いました。

うん。看護師の目は、患者さんを見るためだけにあるんじゃない。自分の迷い、仲間の強み、チームの空気、患者さんの生活まで見る。第24話は、その“看る目”が育ち始める回だったね。
よくある質問
Q1. 「人を看る」とは、具体的に何を見ればいいですか?
疾患や症状に加えて、その人の生活、価値観、不安、家族関係、退院後の環境、言葉にしにくい困りごとを見ます。
最初から全部を見る必要はありません。まずは「この人は何に困っているのか」「この人のいつもと違うところは何か」「退院後に困りそうなことは何か」と問いを持つことから始めましょう。
Q2. 看護師なのに人と関わるのが苦手です。向いていないのでしょうか?
人と関わることが苦手でも、すぐに看護師に向いていないとは言えません。
大切なのは、苦手さを自覚し、安全な関わり方を学ぶことです。患者さんに感情的に近づきすぎる人もいれば、距離を取りすぎる人もいます。自分の傾向を知り、必要な時にチームへ相談できることが大切です。
Q3. 観察したことをどう記録すればいいですか?
「なんとなく」ではなく、具体的な事実にします。
たとえば「元気がない」だけでなく、「昨日より会話量が少ない」「朝食摂取量が10割から5割へ低下」「声かけへの反応に時間がかかる」など、他のスタッフが同じ状況をイメージできる言葉にしましょう。
Q4. よきパートナーとは、どんな存在ですか?
何でも同意してくれる人ではなく、患者さんのために違う視点を出してくれる人です。
意見が違っても、目的を患者さんに戻せる相手。迷った時に相談できる相手。自分では見えない変化に気づかせてくれる相手。そうした存在が、チーム看護を支えてくれます。
まとめ:第24話は“看る目”が育ち始める回
朝ドラ「風、薫る」第24話は、直美が捨松に、りんがシマケンに“observe”の意味を相談する回でした。
看護師目線で見ると、この回のテーマは「人を看る」ことです。
捨松は、看護師は病だけではなく人を看る仕事だと直美に伝えます。シマケンは、りんに「観察」という言葉を渡します。直美は自分の向き不向きに悩み、りんは自分の心を観察することで迷いをほどいていきます。
看護師の観察は、ただ見ることではありません。
患者さんの変化を見続けること。
手と目を使って関わること。
言葉と身体の反応をつなげること。
自分の心も見つめること。
仲間と視点を共有すること。
第24話は、りんと直美がそれぞれ別の場所で学びながら、少しずつ互いを見始める回でした。まだ不器用で、まだすれ違いもある。それでも、二人の間には“good partner”へ向かう小さな芽が見えます。

第24話を見ると、観察って技術でもあり、人との向き合い方でもあるんだと感じました。患者さんを看る前に、自分や仲間を見る目も育てたいです。

そうだね。看護の「看る」は、目だけじゃなく手も心も使う言葉。第24話は、その意味をりんと直美が別々の場所で受け取る、とても看護らしい回だったと思うよ。
参考:
シネマトゥデイ「朝ドラ『風、薫る』直美(上坂樹里)が捨松(多部未華子)に相談する 第24回あらすじ」
Real Sound「『風、薫る』“observe”が突きつける看護の本質 見上愛×上坂樹里が少しずつバディへ」
WEBザテレビジョン「見上愛“りん”&上坂樹里“直美”、衝突を乗り越え和解へ」
ORICON NEWS「『風、薫る』第24回 りんと環、瑞穂屋で偶然シマケンに会い…」
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