今日も患者さんへの看護ケア、お仕事お疲れ様です
あなたの働きはきっと誰かの助けになっています
無駄なことなんて何一つない
深呼吸をして、前を向いて今日もゆっくり歩いていきましょう!
こんにちは!
今回は経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)です!
なんとなく毎日測っている測定値、ここで知識を深掘りしましょう〜
医師の指示に従うべきですが、私は94%まではOKで、93%以下は下がってるのかなぁと思うようにしています(病態にもよりますので一概には言えませんが・・)
呼吸の観察の順番としては最後になります!


え〜、なんで最後になるの?毎日測ってて、よく先輩や先生にきかれる値だから最優先の値だと思ってたんだけど

そうだよね。確かに呼吸を評価する上で、すごく重要な値だよ。でも情報量が少ないんだ。酸素化の評価にはすっごく重要だけど、換気の評価にはあまり役立たないんだ。これについても説明していくね!
呼吸の観察は「換気」と「酸素化」で考える!
少し難しいかも知れませんが、読み流す程度でもいいので
呼吸を2つに分けたうちの1つ「換気」
換気=空気を肺に入れる作業全般 と考えます
これを観察として看護師が見る手段は、これまでにシリーズでやってきた
- 呼吸数と呼吸パターン
- 努力呼吸
- 胸郭拡張
- 異常な肺音と気道音
になります
経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は酸素化
酸素化のイメージは空気と共に入ってきた酸素を血中に入れること、さらに踏み込むと血液の中の酸素を組織に届けることが含まれます
今回は、
経皮的:皮膚の上から
動脈血:動脈の血液で
酸素飽和度:酸素とヘモグロビンがくっついている割合を 測定するよ〜って感じです
SpO2は、酸素とヘモグロビンがくっついてる割合を測定しているにすぎないから、
空気を肺に取り組むなどの換気のことを直接反映してません
そうは言っても、換気がダメになったら結局は酸素化ができないから、SpO2が下がります
SpO2は最後に下がる
SpO2値を見る上で一番怖いことは、呼吸状態が悪くなった時、値が悪化することが一番最後だということ(呼吸の評価の中で)です
臨床にいるとよく下がっている人がいると思うけど、ある程度理由が同定できているから許容しています
ショックの時などにSpO2が下がっている時は、発見が遅れていて危ない状況になっているはずだです
SpO2が下がる前にショックを見抜くためには、換気の観察(特に呼吸回数)が大切と言われています
是非、再学習してみてください
SpO2測定時の注意事項
2つお伝えします
⚫️手が冷たい時は測定値が正しく出ない
→手を温めるか、足か耳たぶがいいと思います
⚫️マニュキュアをつけている場合、正しい値が出ない
→命に関わることなので、除光液でマニュキュアを落としましょう。ただ、最近はジェルネイルが多いので落とせないことがあります。マニュキュアのついてない部位で測定しましょう
治療にも直結する値なので、正しく測ることを意識しましょう
- SpO2の正常値・基準値を詳しく理解しよう
- SpO2が低下する原因〜病態を理解して観察に活かそう〜
- SpO2測定の精度を高めよう〜正しく測れているか確認する方法〜
- 酸素療法の基礎知識〜看護師が知っておくべきこと〜
- 換気と酸素化をもっと深く理解しよう〜酸素解離曲線とは〜
- SBARを使ったSpO2低下時の報告例
- よくある疑問 Q&A
- 新人看護師がよくやるSpO2にまつわる失敗例と対策
- SpO2測定 観察チェックリスト〜毎回使えるポケットリスト〜
- 疾患別SpO2管理のポイント〜担当患者さんに応じた観察を〜
- SpO2の学習をさらに深めよう〜おすすめ勉強法〜
- SpO2急変対応フロー〜いざというときに動けるようになろう〜
- SpO2と呼吸評価 総まとめ〜このシリーズで学んだことを整理しよう〜
- SpO2に関連するアラーム対応〜モニター管理のポイント〜
- 🛒 しーちゃんのおすすめ情報
SpO2の正常値・基準値を詳しく理解しよう
SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)は毎日測定しているにも関わらず、「何%が正常なのか」「何%になったら報告すべきか」が曖昧なまま働いている新人看護師が多いです。ここでしっかり整理しましょう。
SpO2の正常値
健康な成人のSpO2は96〜99%が正常範囲です。一般的に95%以上で正常とされています。95%未満は低酸素血症を疑い、注意が必要です。
| SpO2の値 | 評価 | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 96〜99% | 正常範囲 | 通常の観察継続 |
| 95% | 正常下限・要注意 | 経過観察、他の呼吸観察項目と合わせて評価 |
| 90〜94% | 軽度〜中等度の低酸素血症 | 医師への報告・酸素投与の検討 |
| 85〜89% | 中等度〜重度の低酸素血症 | 早急な医師への報告・緊急対応 |
| 85%未満 | 重度の低酸素血症 | 緊急対応・蘇生準備 |
ただしこれはあくまで目安です。患者さんの普段のベースライン値(日常的なSpO2値)も重要です。普段から92%台の患者さんが94%になっても問題ない場合もあれば、普段98%の患者さんが94%に下がったときは大きな変化として捉える必要があります。
COPDの患者さんは目標値が異なる
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の患者さんは、SpO2の目標値が88〜92%と通常より低めに設定されます。これはCO₂ナルコーシスを防ぐためです。
CO₂ナルコーシスとは:COPDでは慢性的に二酸化炭素(CO₂)が高い状態が続くため、「CO₂が高い=呼吸しろ」という信号に身体が慣れてしまい、代わりに「酸素が低い=呼吸しろ」という信号で呼吸を維持しています。この状態で過剰に酸素を投与すると「酸素が足りている=呼吸しなくていい」と身体が誤解して呼吸が抑制され、CO₂がさらに上昇して意識障害に至ることがあります。これがCO₂ナルコーシスです。
COPDの患者さんへの酸素投与は必ず医師の指示に従い、SpO2が92〜93%になったらすぐに報告することが大切です。「もっと上げた方がいい」と勝手に酸素流量を増やすことは非常に危険です。
COPDの患者さんのSpO2って低くていいの?それ知らなかった…!勝手に酸素増やしてたかも!
それは危ない!COPDの患者さんは低めのSpO2が目標なんだよ。必ず医師の指示を確認して、疑問があれば先輩に相談してね。「SpO2が低いからといって酸素を増やす」が当たり前じゃない場合があることをしっかり覚えておいて!
SpO2が低下する原因〜病態を理解して観察に活かそう〜
「SpO2が下がっている」と気づいたとき、その原因がわかると報告や初期対応がスムーズになります。SpO2が低下するメカニズムは大きく4つに分けられます。
①換気血流比不均等(V/Qミスマッチ)
肺の中で「空気の流れ(換気:V)」と「血液の流れ(血流:Q)」のバランスが崩れている状態です。SpO2低下の原因として最も多いパターンです。
- 肺炎:炎症部位で換気は低下しているが血流は続く→酸素化されない血液が混入
- 肺塞栓症(肺血栓塞栓症):血栓が肺動脈を閉塞し血流が途絶→換気はあるが酸素化できない
- 無気肺:虚脱した肺に血流だけがある→シャントに近い状態
V/Qミスマッチは酸素投与によりある程度改善することが多いのが特徴です。
②シャント
肺胞を経由せずに右心から左心へ血液が流れ込む状態です。肺胞性シャントとも言います。完全にシャントになっている肺では、高濃度酸素を投与してもSpO2が改善しにくいのが特徴です。
- 重症肺炎・急性呼吸窮迫症候群(ARDS):肺胞が液体で満たされ換気できない
- 無気肺(完全虚脱):肺胞が完全につぶれた状態
③拡散障害
肺胞と毛細血管の間のガス交換(拡散)が障害されている状態です。肺の壁(間質)が厚くなることで酸素が通りにくくなります。
- 間質性肺炎:肺の線維化により間質が肥厚→酸素の拡散が障害
- 肺水腫:肺胞内に液体が貯留→酸素の拡散が妨げられる
④低換気
肺胞への空気の出入り(換気)が全体的に減少することで、血中の酸素が低下します。
- COPD増悪:気道閉塞が強まり換気量が低下
- 意識障害・鎮静:呼吸ドライブ(呼吸の勢い)が低下
- 神経筋疾患(ALS・ギラン・バレーなど):呼吸筋の筋力低下
⑤貧血とSpO2の関係〜SpO2が正常でも危険なことがある〜
ここは非常に重要なポイントです。SpO2は「ヘモグロビンのうち何%が酸素と結合しているか」を測定しているだけで、ヘモグロビン自体の量は反映しません。
例えば重篤な貧血(Hb 5g/dL)の患者さんでも、残っているヘモグロビンがすべて酸素と結合していればSpO2は98%を示します。しかし実際には体に届く酸素の量(酸素運搬量)は正常の約半分以下です。このためSpO2が正常でも貧血が重篤な場合は「酸素不足」になる可能性があります。
同様に、一酸化炭素中毒(CO中毒)でもSpO2は正常値を示すことがあります。COはヘモグロビンと酸素より強く結合するため、SpO2のセンサーは「ヘモグロビンが結合している」と誤認します。CO中毒が疑われる場合はSpO2を信用せず、医師に報告してください。
SpO2が正常でも危ない場合があるって知らなかった!貧血の患者さんとかCO中毒のときは気をつけないといけないんだね。
そうなんだよ。SpO2は万能じゃない。「SpO2が正常だから大丈夫」って思い込みは危険。患者さんの顔色や意識レベル、訴えなど他の観察と合わせて評価することがすごく大切だよ。
SpO2測定の精度を高めよう〜正しく測れているか確認する方法〜
SpO2は毎日測定するからこそ、「正確に測れているか」を意識することが大切です。誤った値を元に判断することは、誤った医療につながる可能性があります。
測定精度に影響する要因
| 要因 | 影響 | 対策 |
|---|---|---|
| 末梢循環不全(冷感・ショック) | 血流が少なく正確に測れない | 足や耳たぶで測定。温める。 |
| 爪のマニュキュア・ジェルネイル | 光の透過を妨げる | ネイルのない指や足で測定 |
| 体動・振動 | 波形が乱れ値が不安定になる | 患者さんに安静をお願いし安定した時の値を記録 |
| 強い外光(蛍光灯・太陽光) | センサーが誤認することがある | プローブを遮光シートや布で覆う |
| 一酸化炭素中毒 | COをO₂と誤認し高い値が出る | CO中毒疑いの場合はSpO2を信用しない |
| 重度の貧血 | 値は正常でも酸素運搬量が低下 | Hb値・顔色・倦怠感を合わせて評価 |
| 浮腫(むくみ) | プローブ接触が不安定になる | 別の部位を選ぶ、または耳たぶ用プローブを使用 |
プローブ(センサー)の装着部位の選び方
基本は指先(第二指〜第五指)です。ただし以下の場合は別の部位を選びましょう。
- 手が冷たい・末梢が悪いとき:足の指・耳たぶへ変更
- ネイルがある・外れない爪がある:ネイルのない別の指・足の指・耳たぶへ変更
- 点滴・シャントが入っている側の手:反対側の手か別部位を選ぶ
- 乳がん術後・リンパ節廓清後:術側の腕は避ける(浮腫のリスク)
波形(プレチスモグラム)の確認
SpO2モニターには、値の数値だけでなく「波形(プレチスモグラム:Pleth波形)」が表示されることがあります。この波形を確認する習慣をつけると、測定値の信頼性を評価できます。
- 正常な波形:規則的で滑らかな山型の波形。この波形が出ていればSpO2の値は信頼できます。
- 乱れた波形:ギザギザ・不規則・平坦。体動や循環不全のサインで、値が信頼できない可能性があります。
- 波形の振れが小さい:末梢の循環が悪く血流が少ないサイン。値が低く出ている可能性があります。
「SpO2が92%!」と慌てる前に、波形を見て「正確に測れているか」を確認する習慣をつけましょう。
連続モニタリングと間欠測定の違い
SpO2の測定には「連続モニタリング(常時装着)」と「間欠測定(バイタル測定時のみ)」があります。
- 連続モニタリング:ICU・HCU・術後急性期など。リアルタイムで変化を把握できる。アラームへの対応が重要。
- 間欠測定:一般病棟など。測定した時点の値しかわからない。定期的な観察が重要。
間欠測定の場合、「今この瞬間のSpO2」しかわかりません。だからこそ、測定時に「呼吸数・呼吸パターン・胸郭拡張・患者さんの訴え」も同時に観察することが大切です。
プレチスモグラムってよく画面に出てるのに意識したことなかった!波形を見ると値の信頼性がわかるんだね。
そう!数値だけ見てパッと記録するんじゃなくて、波形も一緒に確認してみて。特に「値が低い」と思ったとき、波形が乱れていれば「測定誤差かも?」と冷静に考えられるようになるよ。
酸素療法の基礎知識〜看護師が知っておくべきこと〜
SpO2が低下したとき、「酸素投与」が治療の中心になります。看護師として酸素療法の基本を知っておくと、医師への報告や患者観察の質が上がります。
酸素投与デバイスと吸入酸素濃度の目安
| デバイス | 流量(L/分) | 吸入酸素濃度(FiO2)目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 鼻カニューラ | 1〜6L/分 | 24〜44% | 最も一般的。会話・食事しながら使用可能。6L超は粘膜乾燥リスク |
| 簡易酸素マスク | 5〜8L/分 | 40〜60% | 鼻カニューラより高濃度投与可能。5L未満はCO₂再吸入のリスク |
| リザーバー付きマスク(リザーバーマスク) | 6〜15L/分 | 60〜90%以上 | 高濃度酸素が必要な場合。SpO2が急激に低下したときの緊急対応 |
| ベンチュリーマスク | 4〜12L/分 | 24〜50%(設定次第) | 一定濃度の酸素投与が可能。COPDなど精密な酸素管理が必要な患者に使用 |
| NPPV(非侵襲的陽圧換気) | 設定による | 設定による | 換気補助も同時に可能。マスクを顔に密着させて使用。呼吸仕事量を軽減 |
酸素投与の開始・変更は必ず医師の指示のもとで
酸素投与量の変更は必ず医師の指示に従って行います。「SpO2が低いからもっと酸素を増やそう」と勝手に判断することは、特にCOPDの患者さんでは非常に危険です。
一方で、SpO2が急激に低下して患者さんの状態が悪化しているときは、医師への連絡をしながら看護師の判断で酸素投与を開始することが許容される場合もあります。施設のプロトコル・指示に従いつつ、緊急時の判断力も身に付けましょう。
酸素投与中の看護観察ポイント
- SpO2の変化:投与開始後・流量変更後に改善しているか。目標値に達しているか。
- 呼吸数・呼吸パターン:酸素投与で楽になっているか。逆に呼吸数が減りすぎていないか(低換気のサイン)。
- 意識レベル:CO₂ナルコーシスが進むと眠気・意識障害が出現する。
- マスク・カニューラの位置と密着:ずれていると効果的に酸素が投与されない。
- 粘膜の乾燥:長時間の酸素投与では口腔・鼻腔が乾燥しやすい。加湿の確認。
- 酸素ボンベの残量(移動時):外出・検査時は必ず残量を確認してから出発する。
酸素投与中に気をつける落とし穴
- 酸素が流れていない:流量計のフロートが確認できているか。ボンベの元栓が開いているか。
- カニューラが外れている・ずれている:特に就寝中に外れることがある。
- 酸素チューブが折れている・踏んでいる:チューブの経路を確認する。
- 「酸素を外している」患者さん:苦しさ・煩わしさから外してしまうことがある。理由を聞いて対応する。
酸素投与ってデバイスがいろいろあるんだね。私リザーバーマスクと普通のマスクの違いをちゃんとわかってなかったかも。
リザーバーマスクは緊急時に高濃度の酸素を届けられる大事なデバイスだよ。使い方を今のうちにしっかり覚えておくといいよ。どれも外れやすかったり位置がずれやすかったりするから、ケアのたびに確認する習慣をつけてね!
換気と酸素化をもっと深く理解しよう〜酸素解離曲線とは〜
SpO2と血中酸素の関係を理解するうえで「酸素解離曲線(酸素ヘモグロビン解離曲線)」を知っておくと、臨床の理解が大きく深まります。難しそうですが、ポイントだけ押さえれば大丈夫です。
PaO2とSpO2の関係
PaO2(動脈血酸素分圧)は、血液中に溶けている酸素の量を表します。採血で測定でき、正常値は80〜100mmHgです。
SpO2は「ヘモグロビンのうち何%が酸素と結合しているか」を示します。PaO2が高ければSpO2も高くなりますが、その関係は直線ではなくS字カーブ(シグモイドカーブ)を描きます。これが酸素解離曲線です。
| PaO2(mmHg) | SpO2の目安 | 臨床的な意味 |
|---|---|---|
| 100 | 97〜98% | 正常 |
| 80 | 95% | 正常下限 |
| 60 | 90% | 低酸素血症の境界線(SpO2が90%=ここが重要!) |
| 40 | 75% | 重篤な低酸素血症 |
| 27 | 50% | 致命的な低酸素血症 |
特に重要なのが「PaO2 60mmHg=SpO2 90%」という対応関係です。SpO2が90%を切ると、わずかな低下で急激にPaO2が落ちる(曲線の急峻な部分に入る)ため、状態が急変する可能性があります。このためSpO290%未満は緊急性が高いと覚えておきましょう。
酸素解離曲線が右方移動・左方移動するとき
酸素解離曲線は体の状態によって右や左にシフトします。これを覚えておくと病態理解に役立ちます。
- 右方移動(酸素を組織に離しやすくなる):体温上昇・アシドーシス(pH低下)・CO₂増加。組織での酸素利用が高まるときに起こる(運動時・感染症など)。
- 左方移動(酸素を組織に離しにくくなる):体温低下・アルカローシス(pH上昇)・CO₂低下。低体温や過換気のときに起こる。酸素を組織に届けにくい状態。
臨床的には「発熱の患者さんはSpO2が同じ値でも組織への酸素供給は比較的保たれる」「低体温の患者さんはSpO2が正常でも組織が酸欠になりやすい」といった理解に使えます。
SpO2だけでは換気は評価できない
ここで改めて強調したいのが「SpO2は換気(呼吸で空気を肺に入れること)を直接は評価できない」という点です。
例えば、高濃度酸素を投与されている患者さんが換気不全(CO₂が溜まっている状態)に陥っていても、SpO2は正常値を示すことがあります。CO₂が溜まってくる(高CO₂血症)と意識障害・頭痛・発汗などの症状が出てきます。これらの症状がある患者さんでは、SpO2だけを見ていては気づくのが遅れる場合があります。
換気の評価には、呼吸数・胸郭拡張・患者さんの訴え・意識レベルの観察が重要です。SpO2はあくまで酸素化の評価ツールとして使い、他の観察と組み合わせることが大切です。
PaO2 60でSpO2 90って対応してるんだね。90%を切ったら急変リスクが上がるって意識しておくようにする!
完璧!その理解があれば「SpO2 90%!」ってなったとき、単なる数値じゃなくて「今患者さんが危ない状態に入っている」って体で感じられるようになるよ。緊急対応のスピードが全然変わってくるから、ぜひ覚えておいて。
SBARを使ったSpO2低下時の報告例
SpO2が低下したときに、どう報告するかを事前に練習しておくと緊急時に慌てません。SBARを使った報告例を3パターン紹介します。
【例①】術後患者のSpO2低下
S(状況):〇〇病室の△△さん(術後2日目)のSpO2が88%に低下しています。普段は97〜98%の方です。
B(背景):腹部手術後2日目です。呼吸数は28回/分と増加しており、「息が苦しい」との訴えがあります。胸郭拡張は右側がやや少ない印象です。体温は38.5℃あります。現在酸素投与はしていません。
A(評価):術後無気肺または肺炎の可能性が疑われます。
R(提案):診察をお願いできますでしょうか。酸素投与の指示と胸部X線の指示をいただけますか。
【例②】COPDの患者さんのSpO2低下
S(状況):〇〇病室の△△さん(COPD患者)のSpO2が85%に低下しています。目標値は88〜92%の方です。
B(背景):COPD(GOLD分類III期)の既往があります。現在鼻カニューラ2L/分で酸素投与中です。呼吸数は30回/分、口すぼめ呼吸をしており「いつもより苦しい」とおっしゃっています。昨日から痰の量が増えています。
A(評価):COPD増悪の可能性が疑われます。
R(提案):診察をお願いできますでしょうか。吸入気管支拡張薬と酸素流量変更の指示をいただけますか。なお酸素は現行の2Lから変更する場合、指示をいただいてから変更します。
【例③】急激なSpO2低下(緊急性が高い)
S(状況):〇〇病室の△△さんのSpO2が急激に低下し、現在80%です。チアノーゼも出現しています。
B(背景):深部静脈血栓症のリスクがある術後患者さんです。突然「胸が痛い、息ができない」と訴え、SpO2が急低下しました。血圧は90/60mmHg、脈拍は120回/分と頻脈です。
A(評価):肺血栓塞栓症が強く疑われます。
R(提案):今すぐ来てください。リザーバーマスクで酸素投与を開始し、ルートを確保します。救急カートの準備をします。
【例③】のような緊急性が高い場合は「今すぐ来てください」とはっきり伝えることが大切です。遠慮して「お時間があれば…」と言ってしまうと対応が遅れます。患者さんの命に関わる状況ではためらわずに伝えましょう。
例③のSBARかっこいい!でも緊急のときって焦って何も言えなくなりそう。
緊急のとき「今すぐ来てください」ってはっきり言うのは、看護師の責任でもあるんだよ。普段からシミュレーションしておくとパニックにならなくて済む。このSBARを紙に書いて覚えておくのもいいよ。スムーズな報告が患者さんを救うんだ。
よくある疑問 Q&A
Q1. SpO2が正常なのに患者さんが「息が苦しい」と言っています。どうすればいいですか?
SpO2が正常でも息苦しさを訴えることはよくあります。これを「呼吸困難感(dyspnea)」と言い、主観的な症状です。SpO2と呼吸困難感は必ずしも一致しません。
SpO2が正常でも苦しいと感じる主な原因:
- 不安・パニック発作(過換気症候群)
- 心不全による肺うっ血(換気はできているが息苦しい)
- 貧血(酸素運搬量は低下しているがSpO2は正常)
- 疼痛・発熱(呼吸需要が増加している)
- 気道分泌物による苦しさ
対応として、まず患者さんの訴えをしっかり聞き、呼吸数・呼吸パターン・顔色を観察します。「SpO2が正常だから大丈夫」と判断せず、先輩・医師に相談しましょう。
Q2. 指にネイルがあって測れません。足で測っていいですか?
はい、足の親指・人差し指など、ネイルのない部位での測定は可能です。ただし足は末梢循環が悪い場合(浮腫・末梢動脈疾患など)は値が低く出ることがあるため、波形を確認しながら測定してください。
また耳たぶ用のプローブがある場合は耳たぶでの測定も正確です。ジェルネイルや厚いネイルは除光液で落とせないことがありますが、「側面から測る」「別の指を使う」などの工夫もできます。ネイルについては入院時に患者さんへ事前に説明するのが理想です。
Q3. SpO2のアラームが鳴りっぱなしで、毎回行くと測定誤差でした。どうしたらいいですか?
体動・末梢循環不全・外光などによる測定誤差でアラームが鳴ることは臨床でよくあります。まず確認すること:
- プローブが正しく装着されているか(ずれていないか)
- 波形が規則的か(乱れていれば誤差の可能性)
- 測定部位の血流は問題ないか(冷感・チアノーゼがないか)
- 患者さんの実際の状態(顔色・呼吸・意識)は問題ないか
患者さんの状態が問題なければ、プローブの位置を直し、再測定で正常値が出れば誤差と判断できます。それでも繰り返す場合は、プローブ交換・測定部位変更・連続モニタリングの必要性について先輩・医師に相談しましょう。また「アラームが多すぎてどれが本物かわからない」という状況は危険なので、アラーム設定値の見直しも相談してみましょう。
Q4. SpO2が低下したとき、まず最初にすることは何ですか?
慌てず落ち着いて、以下の順番で対応しましょう。
- 患者さんのそばに行き状態を確認する:意識はあるか、呼吸しているか、話せるか
- 測定値の信頼性を確認:プローブのずれ・波形の乱れがないか
- 酸素投与の確認:酸素を投与中の場合、正しく投与されているか(チューブ折れ・外れ・ボンベ残量)
- 体位の調整:可能なら座位・半座位にして換気を助ける
- 先輩へ報告・応援要請:一人で抱え込まず、すぐに先輩を呼ぶ
- 医師へSBARで報告:状態・背景・評価・提案をまとめて報告
- 医師の指示に従い対応:酸素投与・採血・X線など
新人のうちは「まず先輩を呼ぶ」だけでも十分です。ひとりで解決しようとしないことが最大の安全策です。
Q5. SpO2が低下した患者さんを起こしていいですか?(睡眠中の場合)
SpO2が有意に低下している(目標値を大きく下回っている、急激に低下している)場合は、睡眠中でも起こして確認する必要があります。特に:
- 睡眠中の無呼吸(睡眠時無呼吸症候群・薬剤による呼吸抑制)
- 鎮静剤・オピオイド使用後の呼吸抑制
- 術後の帰室直後
これらは「寝ている間に呼吸が悪くなる」リスクが高い状況です。迷ったら先輩に相談してください。「眠っているから大丈夫だろう」という思い込みは禁物です。
Q4の対応手順、すごくわかりやすい!「まず先輩を呼ぶ」が一番なんだね。それだけ覚えても十分って言ってくれて少し安心した。
そう。新人に全部やってもらわなくていいんだよ。でも「気づいて・呼ぶ」この2ステップが命を救う。異変を見逃さずすぐ動く習慣が一番大切だよ!
新人看護師がよくやるSpO2にまつわる失敗例と対策
SpO2は毎日測定するからこそ、思わぬ落とし穴にはまることがあります。先輩看護師が経験した「あるある失敗」を知っておきましょう。
失敗①:SpO2だけ見て「大丈夫」と判断してしまった
SpO2が98%なのに患者さんが「息が苦しい」と訴えていた。でも「SpO2正常だから大丈夫」と思い込んで観察が不十分だった。後で呼吸数が38回/分になっていたことに気づいた…というケースです。
対策:SpO2は酸素化の評価のみ。呼吸数・呼吸パターン・患者さんの訴えを必ずセットで観察する。
失敗②:酸素の流量を勝手に変えてしまった
SpO2が低いからと、医師の指示なく酸素流量を増やした。COPDの患者さんだったため、CO₂ナルコーシスを起こした。
対策:酸素流量の変更は必ず医師の指示のもとで。迷ったらまず先輩に相談。
失敗③:アラームを止めることだけに集中してしまった
モニターのアラームが鳴ったとき、患者さんの状態を確認せずに「測定誤差だろう」とアラームだけ止めてしまった。実は本当にSpO2が低下していた。
対策:アラームが鳴ったら必ず患者さんのそばに行き、状態を確認する。測定誤差かどうかは患者さんを見てから判断する。
失敗④:ネイルのある指でそのまま測定してしまった
測定値が低く出ていたが、測定ミスだと気づかず記録してしまった。実はネイルが原因だった。
対策:入院時にネイルを確認し、測定前に必ず爪の状態を確認する習慣をつける。
失敗⑤:体が冷えている患者さんの指で測ったら低い値が出た
末梢が冷たい患者さんで指のSpO2が87%。慌てて報告したが、実は末梢循環不全による測定誤差だった。波形も乱れていた。
対策:末梢が冷たい場合は耳たぶや足で測定。波形で信頼性を確認してから報告する。
SpO2測定 観察チェックリスト〜毎回使えるポケットリスト〜
SpO2を測定するたびに、以下のチェックリストを意識してみてください。
【SpO2測定チェックリスト】
✅ 測定前
□ 爪(ネイル)の状態を確認した
□ 測定部位の循環(冷感・チアノーゼ)を確認した
□ プローブを正しい向きで装着した
□ 外光が当たっていないか確認した
✅ 測定中
□ 波形が規則的で安定しているか確認した
□ 値が安定するまで待った(ふらつく場合は誤差の可能性)
□ 患者さんに安静にしてもらっているか確認した
✅ 値の評価
□ 患者さんのベースライン値と比較した
□ 呼吸数・呼吸パターンを合わせて評価した
□ 患者さんの主訴(息苦しさ等)を確認した
□ 「SpO2だけで判断しない」ことを意識した
✅ 異常時
□ まず患者さんのそばに行き状態を確認した
□ 波形・プローブを確認し測定誤差かを判断した
□ 先輩に報告・相談した
□ SBARで医師に報告した
チェックリスト使いやすそう!印刷して使ってみる。失敗例もリアルで「自分もやりそう…」って思うのばかりだったよ。
失敗から学ぶのが一番の近道!こういう「あるある」を事前に知っていると、自分がその状況になったときに「あ、あのパターンかも」って冷静に対処できるようになるよ。毎日少しずつ経験を積んでいこう!
疾患別SpO2管理のポイント〜担当患者さんに応じた観察を〜
SpO2の目標値や観察ポイントは疾患によって異なります。担当患者さんの疾患に合わせた知識を持っておくことで、より質の高い観察ができます。
| 疾患・状態 | SpO2目標値 | 注意点 | 看護のポイント |
|---|---|---|---|
| 健康な成人 | 96〜99% | 95%未満で要注意 | ベースライン値を把握 |
| COPD | 88〜92% | 酸素過多でCO₂ナルコーシスリスク | 目標値を必ず確認。酸素勝手に増やさない |
| 心不全 | 94〜99% | 肺うっ血でSpO2が低下 | 体重・浮腫・呼吸苦を合わせて評価 |
| 肺炎 | 94〜99%(重症は高め) | 治療効果の判定に使う | 解熱・炎症改善に伴いSpO2改善するか経過観察 |
| 術後急性期 | 95〜99% | 無気肺リスクが高い | 深呼吸促し・体位変換・SpO2の定期確認 |
| 敗血症・ショック | 94〜99% | 低灌流でSpO2低下。末梢循環不全で誤差も | 末梢循環評価も合わせて行う |
| 小児(乳幼児) | 97〜99% | 生理的に成人と異なる場合がある | 泣いているときは安静時に再測定 |
| 高齢者 | 95〜99% | 慢性疾患でベースラインが低い場合あり | 普段の値を入院時に確認しておく |
特に注意が必要な患者さん
①術後患者さん
術後の患者さんは無気肺・肺炎のリスクが高く、SpO2が低下しやすい状態です。麻酔の影響・疼痛による浅い呼吸・長時間の同一体位などが原因です。術後帰室直後から定期的なSpO2確認と、深呼吸・体位変換の声かけが重要です。また、オピオイド系鎮痛薬(モルヒネ・フェンタニル等)を使用している場合は呼吸抑制のリスクがあるため、呼吸数とSpO2を特に注意深く観察します。
②ICU・HCUから一般病棟に転棟した患者さん
集中治療から一般病棟に移ってきた患者さんは、モニタリングの頻度が下がります。状態が安定したから転棟したとはいえ、引き続き呼吸の観察は重要です。転棟時に「ICUでのベースラインSpO2値」「酸素投与の有無と流量」「呼吸の問題があったか」を申し送りでしっかり把握しましょう。
③終末期・緩和ケアの患者さん
終末期の患者さんにおけるSpO2管理は通常と異なります。延命目的ではなく、患者さんの苦痛緩和・QOL向上が目的です。SpO2が低くても酸素投与しないケースもあり、医師・患者さん・家族との話し合いのもとで方針が決まります。SpO2の数値よりも「患者さんが楽に過ごせているか」を重視した観察が求められます。
SpO2と他のバイタルサインとの統合評価
SpO2だけを単独で評価するのではなく、他のバイタルサインと組み合わせてアセスメントすることが大切です。
| SpO2の変化 | 組み合わせる所見 | 考えられる病態 |
|---|---|---|
| 低下 | 頻呼吸・呼吸困難・胸郭拡張減少 | 呼吸不全(換気・酸素化の両方の問題) |
| 低下 | 発熱・咳嗽・片側呼吸音減弱 | 肺炎・無気肺 |
| 急激な低下 | 胸痛・頻脈・血圧低下 | 肺塞栓症・気胸・心原性ショック |
| 低下 | 意識障害・傾眠・CO₂蓄積症状 | CO₂ナルコーシス・低換気 |
| 正常 | 呼吸困難感・頻呼吸・過換気 | 過換気症候群・不安・貧血 |
| 低下(値が安定しない) | 末梢冷感・波形乱れ | 測定誤差(末梢循環不全) |
疾患によってSpO2の目標が違うって改めてわかった。COPDは88〜92%でいいのを覚えておかなきゃ!
そこは本当に大事だよ。担当患者さんの疾患名と目標SpO2を入院時に確認しておく習慣をつけると、観察の精度がグッと上がる。一覧表をメモしてポケットに入れておくのもいい方法だよ!
SpO2の学習をさらに深めよう〜おすすめ勉強法〜
ここまでSpO2について幅広く学んできました。最後に、さらに理解を深めるための勉強法をご紹介します。
①担当患者さんのSpO2変化を毎回メモする
「今日の朝:SpO2 96%、体動後:92%、安静後:95%」というように、患者さんごとのSpO2の動きをメモする習慣をつけましょう。日々の記録を振り返ることで「この患者さんは動くと下がりやすい」「食後に下がることがある」などの傾向が見えてきます。これがアセスメント力の土台になります。
②「なぜ低下したのか」を常に考える
SpO2が低下したとき、単に先輩に報告するだけでなく「なぜ低下したのか」を自分なりに考えてみましょう。「肺炎があるからV/Qミスマッチかな」「術後だから無気肺かな」という思考の積み重ねが、臨床判断力を育てます。報告後に先輩や医師に「どんな原因が考えられますか?」と質問することも勉強になります。
③フィジカルアセスメントの参考書を一冊持つ
SpO2の背景にある呼吸生理を理解するには、フィジカルアセスメントの参考書が役立ちます。写真・イラスト入りで病態生理が説明されているものがおすすめです。通勤時間や休憩時間にちょっとずつ読むだけでも、臨床の理解が深まります。
④看護師の学習動画・勉強会を活用する
「SpO2 看護」「パルスオキシメーター 仕組み」などで検索すると、わかりやすい解説動画が見つかります。酸素解離曲線や換気血流比についてはイラスト・アニメーションで見ると理解が早いです。また院内の勉強会や急変対応シミュレーションに積極的に参加しましょう。
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SpO2急変対応フロー〜いざというときに動けるようになろう〜
SpO2が急低下したときの対応をフローチャート形式でまとめました。緊急時は頭が真っ白になりがちですが、この流れを頭に入れておくことで落ち着いて行動できます。
【SpO2急低下時の対応フロー】
STEP1:患者さんのそばに行く
→ 意識はあるか?呼吸はしているか?声がけに反応するか?
STEP2:測定の信頼性を確認する
→ プローブの位置は正しいか?波形は安定しているか?
STEP3:酸素投与の状況を確認
→ 投与中なら正しく流れているか・デバイスがずれていないか
STEP4:体位を整える
→ 可能なら座位・半座位にして換気を助ける
STEP5:先輩を呼ぶ・応援要請
→ 「〇〇さんのSpO2が○%に低下しています。一緒に確認してください」
STEP6:医師にSBARで報告
→ 状況・背景・評価・提案を簡潔に伝える
STEP7:指示に従い対応
→ 酸素投与・ルート確保・採血・X線など
このフローで一番大切なのは「まず患者さんのそばに行く」ことです。数値だけ見てナースステーションから判断するのではなく、必ず直接確認しに行きましょう。
急変時に覚えておきたいスコア:NEWS2(早期警戒スコア)
NEWS2(National Early Warning Score 2)は、バイタルサインから患者さんの重症度を評価する点数システムです。SpO2も重要な評価項目の一つです。
| 項目 | 点数のつき方 | |
|---|---|---|
| 呼吸数 | 12〜20回/分:0点、9〜11:1点、21〜24:2点、≦8 or ≧25:3点 | |
| SpO2(Scale1) | 96〜99:0点、94〜95:1点、92〜93:2点、≦91:3点 | |
| SpO2(COPD用Scale2) | 93〜95(酸素投与なし):0点、異なる方式あり | |
| 酸素投与 | なし:0点、あり:2点 | |
| 血圧 | 111〜219:0点、101〜110:1点、91〜100:2点、≦90 or ≧220:3点 | |
| 脈拍 | 51〜90:0点、41〜50 or 91〜110:1点、111〜130:2点、≦40 or ≧131:3点 | |
| 意識 | 清明:0点、新たな意識変容あり:3点 | |
| 体温 | 36.1〜38.0℃:0点、35.1〜36.0 or 38.1〜39.0:1点、≧39.1:2点、≦35.0:3点 |
合計スコアが5点以上または1項目で3点になると急速対応チームへの連絡が必要とされます(施設により異なります)。SpO2の低下が他のバイタル異常と重なると一気にスコアが上がることを意識しておきましょう。
急変を予防するためのアーリーウォーニング
急変の多くは「予兆」があります。SpO2は急変の最後に悪化する指標なので、それより前に変化する呼吸数・意識レベル・顔色・患者さんの訴えに敏感になることが大切です。
- 「なんとなくいつもと違う」という感覚を大切にする
- 患者さんが「今日は調子が悪い」と言ったら、バイタルをいつもより念入りに確認する
- 呼吸数が徐々に増えている患者さんは早めに報告・相談
- 「今日の先生の回診でそのことを伝えておきました」という情報共有も大切
SpO2を測るたびに「この値は今の患者さんの状態を正しく反映しているか?」を考える習慣が、やがてベテランナースの観察眼につながっていきます。
NEWS2って初めて聞いたかも。点数で重症度が見えるって便利だな。早めに気づいて行動するのが大事だってわかった。
NEWS2は病院によって使っているところと使っていないところがあるけど、考え方は共通だよ。「複数のバイタルを組み合わせて全体像をみる」というアセスメントの基本がぎゅっと詰まってるんだ。SpO2一点突破じゃなく、全体を見る目を育てていこうね!
SpO2と呼吸評価 総まとめ〜このシリーズで学んだことを整理しよう〜
このシリーズでは、呼吸のフィジカルアセスメントを「換気」と「酸素化」の2つの柱で学んできました。最後に全体を振り返って整理しましょう。
換気を評価する観察項目(SpO2より前に悪化する)
- 呼吸数・呼吸パターン:最も早期に異常が現れる。12〜20回/分が正常。頻呼吸は呼吸不全の最初のサイン。
- 努力呼吸:鼻翼呼吸・肩呼吸・陥没呼吸・頚部補助筋の使用。これらがあれば換気に問題あり。
- 胸郭拡張:左右対称に胸が上がっているか。左右差・減少・呼気延長。
- 異常肺音・気道音:wheeze・crackle・stridor。聴診で得られる重要情報。
SpO2について押さえておくべき5つのポイント
- SpO2は酸素化の指標であり、換気を直接反映しない。換気不全があってもSpO2は比較的遅く低下する。
- SpO2が正常でも安心できない場合がある。貧血・CO中毒では酸素運搬が不十分でもSpO2は正常を示す。
- COPDの患者さんは目標値が88〜92%。過剰な酸素投与はCO₂ナルコーシスを招く。
- SpO2 90%は緊急ライン。90%未満になると酸素解離曲線の急峻な部分に入り、急変リスクが高まる。
- 測定精度を意識する。波形・装着部位・患者さんの状態を確認し、信頼できる値かを判断する。
患者さんへのSpO2説明例
- 「血液の中で酸素を運ぶ成分がどのくらい酸素を持っているかを測っています。95%以上が正常で、体に酸素がしっかり届いているか確認する大切な値です。」
- 「今は少し低めの値が出ています。ゆっくり深呼吸をしてみましょう。もう一度測って確認します。」
- 「体に酸素を届けやすくするために、鼻から酸素を補っていきましょう。苦しくなったらすぐ教えてください。」
【呼吸評価 統合チェックリスト】
✅ 換気の評価
□ 呼吸数を計測した(12〜20回/分が正常)
□ 呼吸パターン・努力呼吸を確認した
□ 胸郭拡張(左右差・減少・呼気延長)を確認した
□ 聴診で異常音がないか確認した
✅ 酸素化の評価
□ SpO2を波形も確認しながら正確に測定した
□ ベースライン値と比較した
□ チアノーゼ・意識レベルを合わせて確認した
□ 酸素投与の状況を確認した
✅ 統合評価
□ 換気と酸素化を合わせてアセスメントした
□ 異常・変化があれば先輩・医師に報告した
□ SpO2だけで判断しない」を実践した
SpO2は毎日測る身近な値だからこそ、「意味を持って評価する」意識が大切です。今日から少しずつ実践を重ねていきましょう!
換気と酸素化、両方しっかり観察することが大事なんだね。SpO2はそのうちの一部!全体を見る目を育てていくよ。
完璧な理解だよ!毎日の観察の積み重ねが、やがてベテランナースの観察眼になっていく。一緒に頑張ろう!応援してるよ!
SpO2に関連するアラーム対応〜モニター管理のポイント〜
一般病棟でも心電図・SpO2モニターを装着している患者さんは多いです。アラームへの正しい対応は患者さんの安全に直結します。
アラームの種類と対応
- SpO2低下アラーム:まず患者さんのそばに行き状態確認→プローブ確認→波形確認→実際の低下であれば先輩・医師に報告
- 脈拍アラーム(不整脈・頻脈・徐脈):呼吸と同時に心拍の変化が起きている場合は特に緊急性が高い
- プローブ外れアラーム:体動や汗などで外れることが多い。患者さんの状態も同時に確認する
アラームへの悪い対応パターン(実際によくある失敗)
- ナースコールやアラームを消すことだけに集中して、患者さんを確認しない
- 「どうせ誤差だろう」と決め込んでベッドサイドに行かない
- アラームが鳴り続けているのに慣れてしまい、感覚がマヒする(アラーム疲れ)
アラームが多すぎると「アラーム疲れ」が起こり、本当に重要なアラームを見逃すリスクがあります。施設のアラーム管理ルールを先輩に確認し、適切な設定範囲を知っておくことも大切です。
SpO2モニターを正しく使うためのポイント
- プローブの装着部位を定期的に変える(同じ部位への長時間装着は皮膚トラブルのリスク)
- 測定部位の皮膚状態を観察する(発赤・浮腫・皮膚剥離がないか)
- アラーム設定値は患者さんのベースラインと目標値に合わせて設定する
- アラームが鳴ったら必ずベッドサイドに行って確認する習慣をつける
SpO2モニターは「測りっぱなし」にせず、正確に・意味を持って使うことが大切です。毎日のルーティンの中で「今日のSpO2の波形はどうか」「プローブの位置はずれていないか」を意識するだけで、観察の質が上がります。
アラームをサッと消してたけど、必ずベッドサイドに行く習慣にしないといけないんだね。気をつける!
その意識が患者さんを守ることにつながるよ。アラームが鳴ったら「患者さんからのサイン」だと思って、必ず直接確認する習慣をつけていこう!
まとめ
いかがでしたでしょうか
今回は呼吸の評価における最後の観察項目である、SpO2について説明しました

呼吸の観察ってSpO2さえ測っていればとりあえずいいって思ってたけど、そうじゃないんだね。換気についてもきっちり観察してるからこそ、SpO2を見る意味が出てくるんだね

そうだね。換気と酸素化、どっちの評価も大事だから忘れないようにして、SpO2を正しく測ることを意識しよう〜
観察項目の最後と言いましたが、臨床的にはすごく大事な値なので、調子悪い患者さんの呼吸評価をする場合、まずはSpO2測定の機器を指に装着してから、換気の観察を始めることをお勧めします!
最後まで読んでいただいてありがとうございます。この記事が少しでもあなたの役に立てたら嬉しいです。私は引き続き、新人看護師さんの伴走できる記事を書いていきますので応援よろしくお願いします。次の記事は「循環の評価」に入っていきます
⭐️この記事を読んでいることが、あなたが頑張っている証拠です!
これからも、少しずつ学んで成長していきましょう⭐️
以上、しーちゃんでした!
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