今日も患者さんへの看護ケア、お仕事お疲れ様です
あなたの働きはきっと誰かの助けになっています
無駄なことなんて何一つない
深呼吸をして、前を向いて今日もゆっくり歩いていきましょう!
こんにちは!
今回は、呼吸の評価の中の「胸郭拡張」です
ああ、難しい感じになってきてるよーってなるかと思います
大丈夫、簡単にわかりやすくがこのブログのコンセプトです
他の呼吸の観察が気になる方は以下の記事を参照できます
胸郭拡張=肺の広がり(胸がしっかり上がってるか)
ここが、今回の大切な観察ポイントになります
胸の上がりが弱くなっていないか(減少)
胸郭の上がりに左右差がないか
呼気(吐き出す方)が延長していないか
それでは、この3つについて説明していきます
この3つ観察できるようになると、息をしっかり吸って吐いてという大事なことができているかを観察できるようになります
これらに異常があれば、もちろん報告が必要になります!

胸郭拡張って言われてもいまいちピンとこないなぁ

そうだね、私もそうだったよー。胸郭拡張として今回説明する3つは、いつも意識はしてなくてもみているものだから、知れば意識してみれるようになるよ
さぁ、頑張って学んだ行こう!
<もくじ>
1.胸郭拡張における「減少」
2.胸郭拡張における「左右差」
3.胸郭拡張における「呼気の延長」
4.まとめ
胸郭拡張における「減少」

ここでは減少について説明します
なんの減少を観察するか→胸郭 となります
現場では胸の上がりと言ったりもします
要は胸が吸気(息を吸っている)の時に上がっているかです
本来胸郭が挙上しているかどうかは、普通に生活している方(正常)だとわかりにくいです
観察するときは患者さんがベッドで寝ている状態で行うことが望ましいです
はっきりと上がっていると分かればいいのですが、「胸郭の上がりが少し」または「ほとんどわからない」は正直見つけるのが難しいです
普段から胸郭の挙上を意識してないと、減少しているかどうか判断することは難しいですが、疑ったら他のスタッフと一緒に観察をしてみましょう
胸郭拡張における「左右差」

胸郭の上がり(胸の上がり)をじっくりみましょう
正常では、右と左の左右差はなく、均等の胸が上がっていることがわかります
左右差が出現するとどちらかの胸が上がっていないことがあります
よーくみないとわからないです
気胸とかによって肺に空気がしっかり入らないと左右差が生まれます
一人で判断するのは難しいので他のスタッフと一緒に観察しましょう
胸郭拡張における「呼気の延長」
これに関しては、いまだに私も観察が苦手です
正直、判断が難しいんです
本来吸って吐いての割合は
吸気1:呼気2
わかりやすく言えば、正常は1秒で息を吸って、2秒で吐いている
この2秒が3秒になるイメージが呼気延長です
下の文字を実際にやってみましょう
スゥ、はぁーー → スゥ、はぁーーー
こんなイメージです
これは気道の抵抗があり、苦しい時にする呼吸です
COPDなどは代表疾患かと思いますが、それ以外でも発症していることがあります
これも見つけるのすごく難しいです
吐き出している時間が長いかも・・と気づけたら本当にすごいことです
これも、他スタッフと一緒に観察して、観察できたら医師への報告を検討しましょう
- 胸郭拡張のメカニズム〜呼吸はどのように行われているの?〜
- 胸郭拡張「減少」を深掘り!原因・観察手順・対応まで
- 胸郭拡張「左右差」を深掘り!気胸・無気肺・胸水の違いも解説
- 胸郭拡張「呼気延長」を深掘り!COPDと喘息の病態も理解しよう
- 胸郭拡張に関連する主要疾患まとめ
- SBARを使った報告例〜実際にどう報告するの?〜
- よくある疑問 Q&A
- 胸郭拡張の触診を詳しく解説〜実際に手を当ててみよう〜
- 呼吸フィジカルアセスメントの全体フロー〜胸郭拡張はどの位置にあるの?〜
- 新人看護師が現場でよくやる失敗例と対策〜こんなときどうする?〜
- 患者さんへの深呼吸指導〜ひと声かけで肺が守られる〜
- 胸郭拡張の学習をもっと深めよう〜おすすめの勉強法〜
- 胸郭拡張 観察チェックリスト〜ポケットに入れて使おう!〜
胸郭拡張のメカニズム〜呼吸はどのように行われているの?〜
胸郭拡張を正しく観察するためには、まず「呼吸がどのような仕組みで行われているのか」を理解しておくことがとても大切です。難しく考えなくて大丈夫です。基本的なことをわかりやすく説明しますね。
吸気(息を吸う)のしくみ
息を吸うとき、私たちの体では主に2つの筋肉が働いています。
- 横隔膜(おうかくまく):胸とお腹の間にある薄いドーム状の筋肉です。息を吸うと横隔膜が収縮して下方に動き、胸腔(胸の中の空間)が広がります。これが吸気の原動力の約70〜80%を担っています。
- 外肋間筋(がいろっかんきん):肋骨と肋骨の間にある筋肉です。息を吸うと収縮して肋骨を上・外側に引き上げ、胸郭が広がります。残りの20〜30%の換気を担います。
この2つの筋肉が働くことで胸腔が広がり、肺の中が陰圧(負圧)になります。すると、外の空気が気道を通って肺に向かって引き込まれます。これが「吸気」です。
つまり、胸郭が上がる・広がるということは、肺にしっかり空気が入っている証拠でもあります。逆に言えば、胸郭の拡張が弱いということは、肺に空気がしっかり入っていない可能性があるということです。
呼気(息を吐く)のしくみ
息を吐くときは、横隔膜や外肋間筋がゆるみます。すると肺の弾性(元に戻ろうとする力)によって自然と空気が押し出されます。つまり、呼気は基本的に「筋肉を使わない受動的な動き」です。
ただし、気道に抵抗があって空気が出にくい場合(COPDや喘息など)は、呼気にも腹筋などの呼吸補助筋が使われ、時間がかかるようになります。これが「呼気延長」です。
正常な呼吸の見た目
正常な呼吸を観察すると、以下のような特徴があります。これらを頭に入れておくことで、異常を発見しやすくなります。まずは「正常を知ること」が観察の第一歩です!
- 成人の呼吸数:12〜20回/分
- 吸気と呼気の比(IE比):吸気1:呼気2
- 胸郭は左右対称に上がり下がりしている
- 努力様呼吸(肩を上下させる・鼻翼呼吸など)がない
- 呼吸補助筋(首・肩の筋肉)が使われていない
- 口すぼめ呼吸をしていない
なるほど!胸郭が上がるのは横隔膜と外肋間筋が働いてるからなんだね。筋肉が弱くなると胸郭拡張が減少するってこともあるんだね。
そうそう!特に長期臥床の患者さんや手術後の患者さんは筋力が落ちていたり、痛みで深呼吸できなかったりするから、胸郭の動きが小さくなりやすいんだよ。だから普段から意識して観察することが大事なんだ!
胸郭拡張「減少」を深掘り!原因・観察手順・対応まで
胸郭拡張が減少する原因
胸郭拡張の減少は、さまざまな原因で起こります。主なものをまとめると以下のとおりです。担当する患者さんの状況と照らし合わせながら確認してみてください。
| 分類 | 具体的な原因 | ポイント |
|---|---|---|
| 筋力・神経の問題 | 長期臥床による廃用症候群、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ギラン・バレー症候群、横隔神経麻痺 | 筋力低下で横隔膜・肋間筋が十分に動かせない |
| 疼痛 | 胸部・腹部の術後疼痛、肋骨骨折、帯状疱疹(肋間神経痛) | 痛みで深呼吸を避けてしまい、浅い呼吸になる |
| 肺の病変 | 肺炎、無気肺、肺水腫、肺線維症 | 肺自体が硬くなったり空気が入らなくなる |
| 胸膜・胸壁 | 胸水(胸腔に液体が貯まる)、気胸(胸腔に空気が溜まる) | 肺が圧迫されて膨らめない |
| 意識障害・鎮静 | 麻酔後、鎮静薬の影響、意識障害 | 呼吸努力自体が低下する |
これらの原因がある患者さんでは特に注意して胸郭の動きを観察しましょう。疾患や手術歴・投薬情報を事前に確認しておくことで、「この方は胸郭拡張が少なくなりやすいな」と気づきやすくなります。
胸郭拡張「減少」の観察手順(実践)
実際の臨床現場で胸郭拡張の減少をどう観察するか、具体的な手順をまとめました。
- 患者さんの体位を確認する:できれば仰臥位(仰向け)か座位で観察すると見やすいです。ベッドの高さを調整し、患者さんと目線がほぼ合うくらいの高さで観察しましょう。
- ベッドの足元か正面に立つ:患者さんの胸部全体が見えるポジションに立ちます。足元から見ると左右差も確認しやすいです。
- 視診で胸郭の動きを観察:吸気時に胸が上がっているか、前胸部・側胸部の両方を確認します。少なくとも数回分の呼吸を観察してください。
- 触診で確認(必要時):両手を患者さんの下部肋骨弓に軽く当てて、呼吸に合わせて手が動くか確認します。正常では吸気時に手が外側へ広がります。左右差も同時に確認できます。
- 他のバイタルサインと合わせて評価:SpO₂の低下、呼吸数の増加、チアノーゼ(口唇や爪が青紫色になる)がないか同時に確認します。これらが組み合わさると緊急性が高くなります。
異常を発見したときの対応
胸郭拡張の減少を発見したら、すぐに先輩や医師に報告しましょう。報告前に以下を確認・記録しておくと、スムーズに対応できます。
- いつから気になり始めたか(急激な変化か、徐々に変化しているか)
- SpO₂の値と呼吸数(正確な数値を記録する)
- 患者さんの主訴(息苦しさはあるか、胸の痛みはあるか)
- 体温・血圧・心拍数(他のバイタルサインとの関連)
- 最近の処置・投薬・体位変換の有無
- 意識レベルの変化の有無
報告が早ければ早いほど、対応もスムーズになります。「なんとなく変だな」という感覚も大切にしてください。臨床経験が少ないうちは、その「なんとなく変だな」という感覚が命を救うことがあります。
疼痛で深呼吸できない患者さんって、術後にすごく多い気がする。そういう患者さんは特に注意しないといけないんだね!
そうなんだよ!術後の患者さんは疼痛コントロールがうまくいってないと、痛くて浅い呼吸しかできなくて、無気肺になりやすいんだ。だから鎮痛薬の効果を確認しながら「深呼吸しましょうね」って声かけするのもとっても大事な看護なんだよ。
胸郭拡張「左右差」を深掘り!気胸・無気肺・胸水の違いも解説
左右差が生じる主な原因
胸郭拡張に左右差が生じる場合、その原因は大きく3つに分けられます。いずれも患側(異常がある側)の胸郭の動きが低下することが特徴です。
①気胸(pneumothorax)
気胸は胸腔(肺と胸壁の間)に空気が入り込み、肺がしぼんでしまう状態です。自然気胸(若い痩せ型の男性に多い)、外傷性気胸(肋骨骨折などによる)、医療行為後(中心静脈カテーテル挿入後など)などの種類があります。
気胸では患側の肺がつぶれているため、吸気時に患側の胸郭が上がりません。視診で左右差が明確に見られることが多く、緊急度が高い状態です。患者さんが「急に呼吸が苦しくなった」「胸が痛い」と訴えることも多いです。聴診では患側の呼吸音が減弱または消失します。
さらに緊張性気胸(tension pneumothorax)では、胸腔内の圧力がどんどん高まり、心臓や大血管まで圧迫して縦隔が健側にずれていきます。急激なSpO₂低下・血圧低下・頚静脈怒張が現れ、生命の危機に直結します。「急にバイタルが崩れた」と感じたら迷わず報告してください。
②無気肺(atelectasis)
無気肺とは肺の一部または全部が虚脱(しぼんだ状態)になることです。術後・長期臥床・分泌物による気道閉塞・意識障害などで起こります。
特に腹部や胸部の手術後は、痛みから十分な深呼吸ができず、分泌物が気道に溜まって無気肺になりやすいです。患側は気道が閉塞して空気が入らないため、胸郭の動きが減少します。肺音では患側の呼吸音が減弱または消失します。無気肺の範囲が大きいとSpO₂が低下します。
予防のためには、術後の深呼吸訓練・体位変換・早期離床・分泌物の排出(咳嗽・体位ドレナージ)が重要です。看護師が積極的に関わることで防げる合併症です。
③胸水(pleural effusion)
胸水は胸腔内に液体(血液・リンパ液・炎症性滲出液など)が貯留した状態です。心不全・肺炎・悪性腫瘍・低アルブミン血症・腎不全などで起こります。
胸水が大量に貯まると患側の肺が圧迫されて膨らみにくくなり、胸郭拡張が減少します。また胸水の重さで患側がやや下がって見えることもあります。打診では患側が濁音になるのが特徴で、聴診では呼吸音が減弱します。胸水はゆっくりと貯留することが多く、患者さん自身が気づきにくい場合もあるため、定期的な観察が大切です。
左右差の観察手順
- 足元から視診:ベッドの足元に立って胸部全体を観察します。吸気時に左右均等に胸郭が上がっているか確認します。
- 正面から視診:前胸部の鎖骨〜肋骨弓まで広く見て、一方だけ動きが少ないか確認します。
- 触診(両手肋骨弓法):両手を患者さんの下部肋骨弓の左右対称に当てて、吸気時に両手が均等に外側へ動くか確認します。左右差があると片手だけが動かない感覚があります。
- 聴診と合わせて評価:呼吸音が左右で差がないか確認します。患側の呼吸音が弱い・聴こえない場合は左右差の根拠になります。
- 打診(必要時):胸水が疑われる場合は打診で患側が濁音にならないか確認します(先輩や医師と一緒に行うとよいです)。
左右差を発見したときは、必ず先輩と一緒に確認してから報告しましょう。自分だけの判断で終わらせず、複数の目で確認することが大切です。
気胸・無気肺・胸水で全部「患側の胸が上がらない」になるんだね!違いは何で見分けるの?
視診だけだと難しいけど、聴診・打診・患者さんの訴えを組み合わせると区別しやすくなるよ。気胸は呼吸音が消えて急激な症状、無気肺は術後などに徐々に、胸水は打診で濁音になるのがヒント。でも最終的にはX線やエコーで確認するから、怪しいと思ったら早めに報告するのが一番大事!
胸郭拡張「呼気延長」を深掘り!COPDと喘息の病態も理解しよう
IE比(吸呼気比)とは?
「IE比」とは、吸気(Inspiration)と呼気(Expiration)の時間の比率のことです。正常ではI:E = 1:2、つまり吸気1秒に対して呼気2秒です。
呼気延長とは、この呼気の時間が正常より長くなる(例:吸気1秒に対して呼気3秒以上)状態のことです。
呼気が延長する理由は、気道が狭くなって空気が出にくくなるためです。気道の狭窄(きょうさく)・閉塞があると、空気を出すのに時間がかかります。これが「喘鳴(ぜんめい:ゼーゼー・ヒューヒュー)」を伴う場合もあります。
呼気延長が起こる主な疾患
①COPD(慢性閉塞性肺疾患)
COPDは、主に長年の喫煙によって気道や肺胞が慢性的に炎症を起こし、気流の障害が生じる疾患です。日本には推計500万人以上の患者がいると言われており、看護師が出会う頻度がとても高い疾患のひとつです。
COPDでは気道の壁が厚くなったり、肺胞が破壊されて弾性が低下したりすることで、呼気時に気道がつぶれやすくなり空気が出にくくなります。そのため呼気延長が起こります。また「樽状胸(バレル・チェスト)」と呼ばれる、前後径が増大した特徴的な胸郭の形をしていることもあります。
COPDの患者さんは「口すぼめ呼吸」をしていることも特徴的です。口をすぼめて(ストローを吹くような口の形で)ゆっくり息を吐くことで、気道の圧力を保って気道がつぶれるのを防いでいます。これは患者さんが自然に体得した呼吸法で、看護師も促すことができます。
②気管支喘息
気管支喘息は気道の慢性炎症により、気道過敏性が亢進している状態です。発作時には気道の痙攣(れん縮)・浮腫・粘液分泌増加が起こり、著明な呼気延長と喘鳴が現れます。
喘息発作は夜間〜早朝に起こりやすく、「ゼーゼー、ヒューヒュー」という喘鳴が特徴です。重篤な場合は「silent chest(聴診しても音がしない)」になることがあり、これは非常に危険な状態です。喘鳴が消えて「良くなった?」と思いがちですが、むしろ呼吸が非常に弱くなっているサインのため、すぐに報告が必要です。
③その他の原因
- 気道内分泌物の貯留:痰が気道に溜まることで気道が狭くなり、呼気延長が起こることがあります。去痰・排痰ケアが重要です。
- 気管支炎:炎症による気道浮腫・分泌増加で一時的に呼気延長が起こることがあります。
- アナフィラキシー:重篤なアレルギー反応で気道浮腫・気管支れん縮が起こり、急激な呼気延長と喘鳴が出現します。
呼気延長の観察のコツ
呼気延長の観察は確かに難しいですが、以下のポイントを意識すると観察しやすくなります。
- 「スゥ〜、ハァーー」と心の中で数える:吸気時間に対して呼気がどのくらい長いか、心の中でカウントしながら観察します。
- 聴診と組み合わせる:呼気延長は視診だけでは難しいため、聴診で呼気相の音がいつまで聴こえるか確認すると判断しやすいです。
- 患者さんの主訴を聞く:「息が出しにくい感じがする」「吐くのが苦しい」という訴えは呼気延長のサインです。
- SpO₂・呼吸数と合わせて評価:呼気延長があるとSpO₂が低下したり、代償的に呼吸数が増加したりすることがあります。
- 口すぼめ呼吸をしているか確認:COPD患者さんでよく見られる所見です。
- 喘鳴の有無を確認:呼気時にゼーゼー・ヒューヒューという音がないか、耳を近づけて確認します。
呼気延長って判断がすごく難しそう…「なんか長い気がする」くらいしかわからないかも。
それで十分だよ!「なんか長い気がする」って感覚が大事なんだ。そこに喘鳴・SpO₂低下・呼吸困難の訴えが加わったら、すぐに先輩に「呼気延長があるかもしれません」って相談してみて。正確に判断できなくても、気づいて報告することが新人看護師の大切な役割だよ!
胸郭拡張に関連する主要疾患まとめ
胸郭拡張の異常は多くの疾患で見られます。代表的な疾患と胸郭拡張の変化をまとめた一覧表です。担当患者さんの疾患と照らし合わせて活用してください。
| 疾患名 | 胸郭拡張の変化 | 主な特徴 | 看護のポイント |
|---|---|---|---|
| COPD | 全体的に減少・樽状胸、呼気延長あり | 喫煙歴あり、慢性的な息切れ、口すぼめ呼吸 | 口すぼめ呼吸を促す、SpO₂管理(CO₂ナルコーシスに注意) |
| 気管支喘息 | 発作時:著明な呼気延長・非発作時:ほぼ正常 | 喘鳴、夜間発作、アレルギー歴 | トリガー回避、吸入指導、発作時は速やかに報告 |
| 気胸 | 患側:著明な減少、左右差あり | 急激な胸痛・呼吸困難、若い男性に多い | 急変に備える、緊張性気胸に注意 |
| 無気肺 | 患側:減少、左右差あり | 術後・長期臥床に多い、患側の呼吸音減弱 | 深呼吸促し、体位変換、排痰ケア |
| 胸水 | 患側:減少、大量時は左右差あり | 患側の打診で濁音、心不全・悪性腫瘍 | 体重・浮腫の管理、胸腔穿刺後の観察 |
| 肺炎 | 罹患側が減少することあり | 発熱、湿性咳嗽、患側で細かいcrackle | 排痰支援、水分管理、抗生剤投与の確認 |
| 肺線維症 | 全体的に減少 | 進行性の息切れ、Velcro crackle | 酸素療法の管理、日常生活の支援 |
| 術後(腹部・胸部) | 疼痛により減少 | 痛みで深呼吸を避ける | 疼痛コントロール、早期離床、深呼吸訓練 |
この表を見ると、さまざまな疾患で胸郭拡張に異常が出ることがわかります。特に担当患者さんに上記の疾患や術後状態がある場合は、注意深く観察しましょう。
SBARを使った報告例〜実際にどう報告するの?〜
異常を発見したときに大切なのが、的確に報告することです。SBARを使って報告すると、状況が整理されて医師や先輩にわかりやすく伝えることができます。
SBARとは:S(Situation:状況)・B(Background:背景)・A(Assessment:評価)・R(Recommendation:提案)の頭文字です。
【例①】胸郭拡張の左右差を発見した場合
S(状況):〇〇病室の△△さん(術後1日目)の呼吸観察をしていたところ、右胸郭の拡張が左に比べて明らかに少なく、左右差を認めます。
B(背景):本日〇〇時に腹部手術を終え帰室されました。SpO₂は現在92%、呼吸数は24回/分です。疼痛スコアは7/10で「息を吸うのが痛い」とおっしゃっています。
A(評価):疼痛による浅い呼吸と、右側無気肺の可能性が疑われます。
R(提案):診察をお願いできますでしょうか。また胸部X線の指示をいただけますでしょうか。
【例②】呼気延長を発見した場合
S(状況):〇〇病室の△△さん(COPD既往あり)の観察中に、呼気時間の延長を認め、ゼーゼーという喘鳴も聞こえます。
B(背景):COPD(GOLD分類III期)の既往があります。SpO₂は88%(平常時は90〜92%)、呼吸数は28回/分です。口すぼめ呼吸をしており「息が吐きにくい」とおっしゃっています。
A(評価):COPD増悪の可能性が疑われます。
R(提案):吸入薬の使用と酸素投与について指示をいただけますでしょうか。診察をお願いできますでしょうか。
【例③】胸郭拡張の全体的な減少を発見した場合
S(状況):〇〇病室の△△さん(ALS患者)の観察中に、胸郭の拡張が全体的に少なくなっており、呼吸が浅い印象です。
B(背景):ALSの診断を受けて3年が経過しています。直近のSpO₂は93%で、呼吸数は22回/分です。昨日から「息が苦しい気がする」と訴えがありました。
A(評価):病状の進行による呼吸筋力の低下と、換気不全の可能性が疑われます。
R(提案):呼吸機能の評価と、必要時の非侵襲的人工呼吸(NPPV)の検討をお願いできますでしょうか。
最初からSBARをスラスラ話すのは難しいかもしれませんが、少しずつ練習することで自然と使えるようになります。先輩に報告するときも「SBARで報告します」と一言添えてから話すと、聞く側も整理しやすくなります。まずは「S(今何が起きているか)」だけでも意識してみてください。
よくある疑問 Q&A
Q1. 胸郭拡張の減少と呼吸数の増加はどういう関係がありますか?
胸郭拡張が減少するということは、一回の呼吸で肺に入る空気の量(一回換気量)が減っているということです。体が必要な酸素を取り込もうとすると、呼吸の回数を増やすことで補おうとします。これが「頻呼吸(ひんこきゅう)」です。
つまり、胸郭拡張の減少と呼吸数の増加はセットで見られることが多く、どちらか一方だけでなく両方を合わせて観察することが大切です。一回換気量が減って呼吸数も増えている場合、分時換気量(1分間に肺に入る空気の総量)が維持できているか評価が必要になります。SpO₂の推移も合わせて確認しましょう。
なるほど!一回の呼吸で空気が少ししか入らないから、回数で補おうとするんだね。それがわかってると呼吸数が増えた理由も想像しやすいな。
Q2. 気胸になると胸郭はどう見えますか?緊張性気胸の場合はどうなりますか?
通常の気胸では、患側の胸郭の動きが減少・消失します。胸郭拡張の左右差が明らかになります。叩いてみると患側が鼓音(こくおん:ポンポンという音)になります。
緊張性気胸(tension pneumothorax)の場合は、胸腔内の圧力がどんどん高まり、心臓や大血管まで圧迫して縦隔が健側にずれていきます。急激なSpO₂低下・血圧低下・頚静脈怒張・気管の偏位が現れ、生命の危機に直結します。「急にバイタルが崩れた」と感じたら迷わず報告してください。緊張性気胸は内科的処置(胸腔穿刺・ドレナージ)が必要な緊急事態です。
Q3. 呼気延長はストップウォッチで計るんですか?
実際の臨床でストップウォッチを使うことはほとんどありません。まず視診で「吸う時間と吐く時間を比べてみて、吐く方が明らかに長い」という印象を持てればOKです。
より正確に確認したい場合は、聴診器を使って「吸気相の音がなくなってから、呼気相の音がいつまで続くか」を聴きながら心の中でカウントする方法があります。正常ではだいたい呼気が吸気の2倍程度ですが、呼気延長があると3〜4倍以上になります。まずは「なんか長い気がする…」という感覚を大切にしてください。その感覚が積み重なって、経験とともに観察力が磨かれていきます。
Q4. 術後患者さんの胸郭拡張が減少しているときはどう対応すればいいですか?
術後患者さんで胸郭拡張が減少している場合、まず疼痛の評価を行いましょう。疼痛が強いと深呼吸ができず、無気肺になるリスクがあります。
対応としては以下が考えられます。これらは看護師が主体的に取り組める介入です。
- 疼痛コントロールの確認:医師に鎮痛薬の指示を確認し、効果的な除痛を行う
- 深呼吸・咳嗽訓練の促し:「痛いけど大切です」と説明しながら、傷口を押さえながらの深呼吸・咳を練習する(クッション法)
- 体位変換:同じ体位が続くと下側の肺に分泌物が溜まりやすいため、定期的に体位を変える
- 早期離床:可能であれば座位・立位をとることで横隔膜が下がり換気が改善する
- 水分摂取の促し:適切な水分補給で痰の粘稠度が下がり、排痰しやすくなる
- SpO₂・呼吸数の継続観察と異常時の早期報告
ひとつひとつは小さなことですが、組み合わせることで術後肺炎・無気肺の予防につながります。患者さんに「なぜ深呼吸が大切か」を伝えながら一緒に取り組んでいきましょう!
Q5. 胸郭拡張の観察をするのに最適なタイミングはいつですか?
胸郭拡張の観察は、バイタルサイン測定のタイミングで行うと効率的です。特に以下の場面では必ず意識して観察するようにしましょう。
- 入院時・術後帰室時:ベースラインの確認として
- バイタルサイン測定時(毎回):呼吸数と合わせて観察する習慣をつける
- 患者さんが「息苦しい」「胸が痛い」と訴えたとき:即時に観察
- SpO₂が低下したとき:原因の検索として
- 体位変換後:体位変換により無気肺が改善したか確認
- 吸入薬・気管支拡張薬の投与後:効果判定として
特別な時間をとらなくても、日常的なケアの中で観察する習慣をつけることが大切です。毎日少しずつ意識することで、変化への気づきが早くなります。
Q&Aを読んで少し自信がついてきた気がする!「なんとなく変」って気づくことが大切なんだね。
そうそう!最初から完璧に判断しようとしなくていいんだよ。「なんか変だな→先輩に相談」のサイクルを繰り返すことで、どんどん観察力が磨かれていくから。迷ったらすぐ相談!それが一番大切な新人看護師の姿勢だよ!
胸郭拡張の触診を詳しく解説〜実際に手を当ててみよう〜
前の章で少し触れた「触診」について、ここでは詳しく説明します。視診だけでは見えにくい変化も、触診を加えることでより正確に評価できます。最初は先輩と一緒に実践してみてください。
触診の目的
- 胸郭拡張の左右差を確認する
- 胸郭拡張の程度(どのくらい広がっているか)を評価する
- 胸壁の振動(声音振盪)を確認する(上級者向け)
- 圧痛の有無を確認する(肋骨骨折・胸膜炎の疑いがある場合)
①後胸部の触診(両手肋骨弓法)
最もよく使われる方法です。患者さんの後ろに立って行います。
- 患者さんに座位をとってもらう(または側臥位でも可)
- 術者は患者さんの後方に立つ
- 両手の親指を患者さんの背骨(脊椎)の両側に沿わせて、下部肋骨弓の高さに置く
- 残りの4本の指は胸郭の側面に軽く添える
- 患者さんに「ゆっくり大きく息を吸ってください」と声をかける
- 吸気とともに両手の親指が背骨から左右対称に外側へ離れていくか確認する
- 正常では両手が均等に外側へ約3〜5cm動く
- 左右差があると一方の手の動きが少ない、または動かない
②前胸部の触診
患者さんの正面から行う方法です。前胸部と側胸部を評価します。
- 患者さんに仰臥位をとってもらう
- 術者は患者さんの横か足元に立つ
- 両手を前胸部の下部(肋骨弓付近)に左右対称に置く
- 吸気時に両手が外側へ均等に動くか確認する
- 上部胸郭も確認したい場合は手を鎖骨下まで移動させて同様に評価する
触診で気をつけること
- 手は温めてから当てる:冷たい手では患者さんが緊張して呼吸が変わってしまいます。手を合わせて温めてから触診しましょう。
- 強く押しすぎない:触診は「乗せる」感覚で。痛みがある場合は特に注意が必要です。
- 事前に説明する:「これから胸に手を当てて呼吸を確認します」と一声かけましょう。
- 一人で判断しない:「左右差があるかも?」と思ったら先輩に一緒に確認してもらう。
- 羞恥心への配慮:胸部の触診は患者さんが恥ずかしさを感じやすい部位です。プライバシーに配慮しながら行いましょう。
触診って実際どんな感じなの?なんか難しそうで怖いんだけど。
最初は全然わからなくて当然だよ!「手が動いているかどうか」だけ確認するところから始めれば大丈夫。先輩に「一緒に触診してもらえますか?」って声かけすると、丁寧に教えてくれる人が多いから、どんどん実践して感覚をつかんでいこう!
呼吸フィジカルアセスメントの全体フロー〜胸郭拡張はどの位置にあるの?〜
ここまで胸郭拡張の「減少・左右差・呼気延長」を詳しく学んできました。ここで一度、呼吸のフィジカルアセスメント全体における胸郭拡張の位置づけを整理しましょう。
呼吸フィジカルアセスメントの全体フロー
| ステップ | 項目 | 観察内容 |
|---|---|---|
| Step1 | 視診(全体) | 呼吸数・呼吸パターン・努力様呼吸・チアノーゼの有無 |
| Step2 | 視診(胸郭) | 胸郭の形・左右対称性・胸郭拡張(今回のテーマ!) |
| Step3 | 触診 | 胸郭拡張の確認・声音振盪・圧痛 |
| Step4 | 打診 | 共鳴音・濁音・鼓音の確認(胸水・気胸の評価) |
| Step5 | 聴診 | 呼吸音の性質・左右差・副雑音(ラ音)・胸膜摩擦音 |
| Step6 | 総合評価 | SpO₂・PaO₂/SpO₂・主訴・他のバイタルと合わせて評価 |
胸郭拡張の評価は「Step2(視診)とStep3(触診)」で行います。聴診だけに頼らず、視診・触診・聴診・打診をすべて組み合わせることで、より正確な評価ができます。
新人のうちは全部のステップを完璧にこなすのは難しいかもしれません。まずは視診(呼吸数・胸郭拡張・左右差)と聴診(呼吸音の左右差)から意識して始めてみましょう。
胸郭拡張と他の呼吸評価の関連性
胸郭拡張の異常は、単独で現れることは少なく、他の呼吸観察の異常と組み合わさって現れます。以下のような組み合わせを覚えておくと、状態像がイメージしやすくなります。
- 胸郭拡張減少+頻呼吸+SpO₂低下→呼吸不全の可能性、早急な報告が必要
- 胸郭拡張左右差+患側の呼吸音消失+急激な症状→気胸を強く疑う
- 胸郭拡張左右差+患側の呼吸音減弱+発熱・咳嗽→肺炎・無気肺の可能性
- 呼気延長+喘鳴+SpO₂低下→気管支れん縮(喘息・COPD増悪)の可能性
- 胸郭拡張全体的に減少+倦怠感+徐々に悪化→慢性的な呼吸筋力低下の可能性
ひとつの所見だけで判断せず、複数の情報を組み合わせてアセスメントすることが大切です。「点」ではなく「パターン」で考える習慣をつけていきましょう。
なるほど〜!胸郭拡張は視診と触診で、そのあと聴診とか打診もするんだね。全部つながってるんだ。
そうなんだよ!最初は視診と聴診だけでも十分だから、少しずつステップを増やしていけばOKだよ。フィジカルアセスメントは「観察の積み重ね」だから、毎日の実践が一番の勉強になるんだ。焦らず少しずつ身につけていこう!
新人看護師が現場でよくやる失敗例と対策〜こんなときどうする?〜
現場で胸郭拡張を観察するとき、新人看護師がよく悩む場面を集めました。先輩に聞きにくいこともあると思うので、ここで一緒に解決しておきましょう!
失敗例①:「観察したけど、正常かどうかわからなかった」
新人のうちは一番よくある悩みです。「なんとなく見たけど、これが正常なのかどうかわからない…」という経験、誰でも最初はします。
対策:まず「正常の呼吸」をたくさん見てください。比較的状態が安定している患者さんの呼吸を毎日観察し、「これが正常か」という感覚を体に染み込ませましょう。正常をしっかり知ることで、異常への気づきが早くなります。また、見たことを先輩に「こんなふうに見えましたが合っていますか?」と確認することも大切です。フィードバックが観察力を一番早く伸ばします。
失敗例②:「呼吸の観察が怖くて、さらっとしか見れない」
「異常を発見したらどうしよう…」という不安から、観察を深くできないという声をよく聞きます。
対策:異常を発見することは怖いことではなく、「患者さんを助けるチャンス」です。早期に異常を発見できれば、治療も早く始められて患者さんのためになります。「見ていいのかな?」と迷わず、観察は仕事のうちだと自分に言い聞かせてください。もし異常かも?と思ったら、独断で判断せず先輩に相談することで怖さが減ります。
失敗例③:「胸郭拡張の観察を毎回やろうと思っても忘れてしまう」
ルーティンとして定着していないと、ついつい忘れてしまいます。
対策:バイタルサイン測定のチェックリストに「胸郭拡張の確認」を入れるのが効果的です。SpO₂を測りながら、同時に胸の動きを視線を落として確認する習慣を作りましょう。SpO₂のプローブをつけている手元に視線が行くとき、自然に胸を見ることができます。「SpO₂を測るたびに胸を見る」というセットの意識を持つだけで格段に習慣化しやすくなります。
失敗例④:「患者さんに観察の目的を聞かれても上手く説明できなかった」
「何を見てるんですか?」と患者さんに聞かれて、うまく答えられないことがあります。
対策:以下のような説明が使えます。患者さんの言葉に合わせてアレンジしてみてください。
「胸がしっかり上がって息がきちんと吸えているか確認しています。体に酸素がしっかり届いているか確認する大切な観察です。」
「肺に空気がしっかり入っているか、左右均等に入っているかを確認しています。特に術後はこれがとても大切なんですよ。」
失敗例⑤:「報告したら「それくらい大丈夫」と言われてしまった」
せっかく気になって報告したのに「それくらい大丈夫」と言われて、次から報告することをためらってしまう経験をする方がいます。
対策:「大丈夫」と言われても、気になったことを報告したこと自体は正しいです。報告はコスト(リスク)が低く、見逃しのコストは高いです。報告が正解で見逃しが失敗なのではなく、「気づいて行動した」こと自体がプロとしての正しい態度です。「大丈夫だった=自分の観察力が上がってきた証拠」としてポジティブに捉えましょう。また、「どうして大丈夫なんですか?」と先輩に聞くことで、判断の根拠を学べる貴重な機会にもなります。
失敗例⑥:「他のスタッフと一緒に観察しようとしたが、忙しそうで声をかけにくかった」
業務が忙しい時間帯に「一緒に見てください」と言いにくいことがあります。
対策:報告の仕方を工夫しましょう。「ちょっと時間があるときに〇〇さんの呼吸を一緒に見てもらえますか?」と、緊急度を示しながら聞くと声かけしやすくなります。また、急を要すると感じる場合は「今すぐ確認していただけますか」とはっきり伝えることも大切です。新人が緊張して遠慮するあまり、報告が遅れることが最大のリスクです。
失敗例が自分のことすぎて少し笑えちゃった(笑)でも全部対策があるって思うと少し安心できたよ!
みんな最初はそうだよ!大切なのは失敗から学ぶこと。「次はこうしよう」って考えながら実践し続ければ、必ず成長できる。私も最初の1年はたくさん失敗したけど、それが今の自信につながってるから。失敗を恐れないで!
患者さんへの深呼吸指導〜ひと声かけで肺が守られる〜
胸郭拡張の観察と同じくらい大切なのが、患者さんへの深呼吸指導です。特に術後や長期臥床の患者さんには、看護師のひと声が肺の健康を守ることにつながります。
なぜ深呼吸指導が必要なの?
術後や長期臥床の患者さんは、以下の理由で自然に深呼吸できなくなっています。
- 疼痛(痛みで深く息を吸えない)
- 意識レベルの低下(鎮静剤・麻酔の影響)
- 筋力低下(長期臥床による廃用症候群)
- 不安・緊張(深呼吸する意識が低くなる)
このような状態が続くと、気道に分泌物が溜まり、無気肺→肺炎へと進行するリスクがあります。看護師が定期的に「深呼吸しましょう」と声をかけることが、とても効果的な予防策になります。
深呼吸指導の実践
- タイミングを選ぶ:清拭・体位変換・バイタル測定のついでに声をかけると自然です。
- 目的を伝える:「肺に空気をしっかり入れて、肺炎を予防するために深呼吸しましょう」と理由を説明します。
- 方法を示す:「鼻からゆっくり大きく吸って、口からゆっくり吐いてください」と具体的に伝えます。
- 一緒にやる:「私も一緒にやりますね」と言って一緒に深呼吸すると、患者さんも真似しやすくなります。
- 痛みへの配慮:術後の患者さんには「傷口をタオルやクッションで押さえながら深呼吸してみましょう」と伝えます(クッション法)。
- 褒める:「上手にできましたね」のひと言で患者さんのモチベーションが上がります。
深呼吸指導の効果を確認する
深呼吸指導後には、以下の変化があるか確認しましょう。
- SpO₂が改善しているか(1〜2%でも改善していれば効果あり)
- 呼吸数が落ち着いているか
- 「楽になった」という主訴があるか
- 胸郭拡張が改善しているか(視診で確認)
効果が見られない場合や、深呼吸の後にSpO₂がさらに低下する場合は、早めに先輩・医師に報告してください。
深呼吸指導って大切なんだね!なんとなく声かけしてたけど、ちゃんと目的と効果を理解して声かけできるようになりたいな。
その意識がすごく大事!「なんとなく」から「意図を持った」ケアに変わると、患者さんへの貢献度がグッと上がるよ。フィジカルアセスメントは「観察して終わり」じゃなくて、その後の「ケア」につながってこそ意味があるんだよ。観察→判断→介入→評価のサイクルを意識していこう!
胸郭拡張の学習をもっと深めよう〜おすすめの勉強法〜
ここまで胸郭拡張について詳しく学んできました。最後に、さらに理解を深めるためのおすすめの勉強法をご紹介します。
①ベッドサイドで毎日1人は意識して観察する
知識は「使ってこそ定着」します。「今日は担当患者さんの誰か1人の胸郭拡張を意識して観察する」という小さなノルマを自分に設定してみましょう。1日1人でも、1ヶ月で約20〜30人の観察経験が積めます。これが臨床経験として確実に蓄積されていきます。
観察したあとには「今日は胸郭拡張を観察した。左右差はなく、呼気延長もなかった。SpO₂は97%で安定していた」などと自分の言葉でメモしておくと、振り返りの際に役立ちます。
②参考書で基礎知識を補う
フィジカルアセスメントの参考書を一冊持っておくと、臨床での疑問をすぐに解決できます。写真やイラスト入りのものが特にわかりやすくておすすめです。以下のような視点で選んでみてください。
- 写真・イラストが豊富で視覚的に理解しやすいもの
- 「なぜそうなるのか」病態生理が説明されているもの
- 「実際の臨床でどう使うか」が書かれているもの
- コンパクトで持ち運びしやすいもの
③先輩や医師の観察を見学する
教科書だけでは学べないのが「実際の観察の雰囲気」です。先輩看護師や医師が患者さんを診察する場面を見学させてもらえるチャンスがあれば、ぜひ積極的に活用しましょう。
「どこを見ているのか」「手をどう当てているのか」「異常を発見したとき何を確認するのか」など、本では学べないリアルな知識が得られます。見学後に「さっきの所見はどういう意味がありますか?」と質問できると、さらに理解が深まります。
④スマートフォンで動画を活用する
胸郭拡張や呼吸音に関しては、動画学習も非常に有効です。「呼吸音 異常音」「胸郭触診 方法」などで検索すると、実際の患者さんの呼吸音や触診方法を解説した動画が見つかります(YouTubeやNursing系アプリなど)。
特に「wheeze」「crackle」などの異常肺音は、文字で読むよりも実際の音を聞いた方が理解が早いです。臨床で遭遇する前に、音のイメージをつかんでおくと慌てずに対応できます。
⑤フィジカルアセスメントの勉強会に参加する
院内研修や外部の勉強会でフィジカルアセスメントをテーマにしたものがあれば、積極的に参加してみましょう。シミュレーター(聴診練習用の模型など)を使った実習形式の勉強会は、特に臨床直結の学びになります。
勉強法まで教えてもらえて、なんか頑張れる気がしてきた!毎日1人は意識して観察するようにしてみるよ!
それが一番大事!継続することで必ず力がつくから。胸郭拡張の観察って最初は難しく感じるけど、慣れてくると「あ、今日はいつもより胸の上がりが小さいな」ってさりげなく気づけるようになるよ。その瞬間が看護師としての成長を実感できる瞬間だから、楽しみにしていてね!
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胸郭拡張 観察チェックリスト〜ポケットに入れて使おう!〜
ここまで学んだ内容を、現場で素早く確認できるチェックリストにまとめました。ラミネートして白衣のポケットに入れたり、スマホのメモに保存したりして活用してください!
【胸郭拡張 観察チェックリスト】
✅ Step1:観察前の準備
□ 患者さんに声かけ・説明ができたか
□ プライバシーに配慮した環境か
□ 観察に適した体位(仰臥位または座位)か
✅ Step2:視診
□ 呼吸数は正常範囲(12〜20回/分)か
□ 胸郭は吸気時に上がっているか(減少していないか)
□ 胸郭拡張に左右差はないか
□ 呼気の時間が長くなっていないか(呼気延長)
□ 努力様呼吸(肩を使う・鼻翼呼吸)はないか
□ チアノーゼ(口唇・爪の青紫色変化)はないか
✅ Step3:触診(必要時)
□ 両手を下部肋骨弓に当てて左右差を確認できたか
□ 吸気時に手が外側へ均等に動いているか
✅ Step4:聴診
□ 呼吸音の左右差はないか
□ 異常肺音(wheeze・crackle・stridor)はないか
✅ Step5:総合評価
□ SpO₂の値と変化の傾向
□ 患者さんの主訴(息苦しさ・胸の痛みなど)
□ 「なんか変かも」と思ったら先輩に報告!
このチェックリストを使えば、観察の抜け漏れを防ぐことができます。最初のうちは一項目ずつ確認しながら進めても大丈夫です。少しずつ流れを体で覚えていきましょう。
フィジカルアセスメントは知識と経験の積み重ねです。完璧でなくていい。今日も患者さんのために一歩踏み出したあなたを、私たちは応援しています!
このチェックリスト、すごくわかりやすい!さっそく印刷して使ってみるね!
ぜひ!最初はチェックリストに頼っていいんだよ。それが徐々に「手順書を見なくてもできる」になっていくから。今日もお疲れ様。あなたの頑張りは必ず患者さんのためになっているよ!
まとめ
いかがだったでしょうか

説明にもあったけど、正直よくわからないというか、観察できる自信はないかなぁ、丁寧に説明してくれたのにごめんね

いやいや、ここは説明が難しいのと、臨床で観察するのはすごく稀だから、経験する機会が少ないんだよ
でも、大切な観察項目だから、意識して、これらがないな、大丈夫だなってみれることはすごく大切なことだよ!
一日1回でいいから、意識して観察してみよう!
今回は
胸の上がりが弱くなっていないか(減少)
胸郭の上がりに左右差がないか
呼気(吐き出す方)が延長していないか
について説明しました
よーーくみないとわからないことも多いけど、ベテラン先輩達は声に出さないけどしっかり観察している項目だよ
私も、あえて観察してるんだって声に出さないけど、注意してみている大事な呼吸の観察ポイントです
今回の記事が皆さんの役に立てたら幸いです
⭐️この記事を読んでいることが、あなたが頑張っている証拠です!
これからも、少しずつ学んで成長していきましょう⭐️
以上、しーちゃんでした!



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