今日も患者さんへの看護ケア、お仕事お疲れ様です
あなたの働きはきっとケアした方の助けになっています
あなたの頑張りや辛さはきっとあなたの力になっています
今日を過ごせた自分をよく頑張ったと認めいいんです
こんにちは!記事に興味を持っていただきありがとうございます
それでは今日もゆるく学んでいきましょう!
テーマは脈拍です!今回の結論は次のとおりです
脈拍は<中枢>と<末梢>を触れよう
触れた脈が弱くなっていたら、血圧が低下しているかも!
明らかに低血圧に脈がすごく強く触れる!?反跳脈に注意しよう
下の表でも、心拍数の次は脈拍となっています
心拍数の記事で心拍数と脈拍はほぼ一緒だよと書きましたが、ここでは実際に指を当てて、患者さんの脈拍を触知しよう!と言う内容です

結論でも書きましたが、ここでは<中枢は総頸動脈か鼠径動脈>と<末梢は橈骨動脈>を前提として話していきます
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<もくじ>
1.脈拍触知は中枢の脈から
2.中枢の脈(総頸動脈と鼠径動脈)ってどうやって触知する?
3.末梢の脈(橈骨動脈)ってどうやって触知する?
4.臨床の落とし穴。特殊な触れ方、反跳脈
5.まとめ
1.脈拍触知は中枢の脈から
この患者さんは立っていますが、寝た状態で脈拍を触知して、触知できればイラストのような収縮期血圧(上の血圧)があると言われています

ただ、文献などにより値は若干違いますが大体こんな感じというのを知って欲しいです
血圧低下しているかも!と思って触知する場合は中枢の脈(総頸動脈や大腿動脈)から触っていきます
理由は、中枢の脈が触れない時は末梢の脈(橈骨動脈)も触れていないから、末梢の脈を触って確認している時間がロスになって、早急な対応したいのに数秒遅れてしまうからです
ただ、血圧低下はなさそうな意識のはっきりした患者さんです、急に首を触られたり鼠径部を触られると何事だと思うので、意識のはっきりしている方は末梢の脈から触ることをおすすめします
意識が混濁してても中枢の脈を触る時は、説明と断りを入れて相手を労いましょう
2.中枢の脈(総頸動脈と鼠径動脈)ってどうやって触知する?

基本的な触り方は上記の写真のように触ります
ちょっとわかりにくいと思いますので、下の写真のように触ります(手が切れちゃって変ですいません💦)

総頸動脈を上手に見つける方法は、口蓋垂(こうがいすい)と言われる、首の真ん中の一番でっぱってる部分に三本指を当てて、外側に指を移動させて一番初めにへっこんでいるところで触知できます
実際に自分で自分の総頚動脈を触れることがわかりやすいです
人の脈を触れることが難しいと思いますので、機会があれば患者さんや同僚の脈をふれてみるといいです
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3.末梢の脈(橈骨動脈)ってどうやって触知する?

橈骨動脈の触れ方も一緒です

橈骨動脈は腕の親指側の動脈です
「親指側の動脈」と覚えていれば、触りに行くときに迷いません
脈が触れない場合は、総頸動脈や鼠径動脈が触れるか確認して血圧測定などの循環評価が必要ですが、まずは人を呼んだり報告しましょう
4.臨床の落とし穴。特殊な触れ方、反跳脈

血圧計では明らかに低血圧だけど、脈がよく触れているから大丈夫だよね。血圧壊れてるのかな〜

みらいちゃん、勉強したことを実践して偉いね。ありがとう
でも、今回はちょっと違うんだ
敗血症による血管拡張が起きて、反跳脈が起きているから脈は触れるけど緊急事態なんだ
聞いたことない言葉かと思います
知っていると臨床でたまーに出会うことがあるのでふーんくらいで聞き流しておきましょう
低血圧のはずなのに跳ねるようにすごくよく脈が触れてしまう現象です
反跳脈は、主に敗血症の患者さんで観察できることがあります
敗血症は血管が拡張してしまう病態です、そのせいで反跳脈が起きます
一般的に血圧低下すると収縮期血圧(上)が下がって拡張期血圧(下)に近づきます
一般の例え:62/52mmHg
敗血症の場合は、収縮期血圧(上)が下がって、拡張期血圧(下)も下がります
敗血症で反跳脈がおきた時の例え:62/32mmHg
6.脈拍の正常値と異常値——これだけは覚えておこう
脈拍触知は「触れるか触れないか」だけでなく、「何回/分か」「リズムは整か不整か」「強さはどうか」を同時に評価することが大切です。ここで正常値と異常のポイントを整理しておきましょう。
【脈拍の正常値(安静時)】
成人:60〜100回/分
高齢者:やや遅めになることがある(個人差あり)
新生児:120〜160回/分
乳児:100〜140回/分
幼児:80〜120回/分
学童:70〜110回/分

成人の正常値って60〜100回/分なんだね。結構幅があるんだ。

そうなんです!脈拍は緊張・運動・発熱・薬剤などで変動するので「幅があって当然」なんです。ベースラインを知っておいて、そこからの変化を観ることが大事ですよ。
【脈拍の異常と主な原因】
頻脈(>100回/分):発熱・脱水・不安・疼痛・貧血・心不全・頻脈性不整脈など
徐脈(<60回/分):β遮断薬・カルシウム拮抗薬・完全房室ブロック・洞不全症候群など
不整脈:心房細動・期外収縮など——リズムが不規則になる
脈圧差大:大動脈弁閉鎖不全症・甲状腺機能亢進症など
微弱脈:ショック・心不全・脱水など循環不全の状態

特に注意したいのが「徐脈+意識障害」や「頻脈+血圧低下」の組み合わせ。これは循環不全の危険サインです。すぐに報告・応援を呼ぶ行動に移りましょう!
7.脈拍触診で確認すること——「回数」だけじゃない
脈拍触診は単に「1分間に何回か」を数えるだけではありません。同時に以下の3つを確認することで、患者さんの循環状態をより深く評価できます。
【脈拍触診で評価する3項目】
① 回数(Rate):1分間の脈拍数——正常60〜100回/分
② リズム(Rhythm):規則的か不規則か——不整脈の有無を確認
③ 強さ(Volume):強い・普通・弱い——末梢循環の状態を反映

3つも一緒に確認するの!?難しそう…。

最初は「回数を数える」だけでOKです!慣れてきたら「なんかリズムが乱れているな」「今日は脈が弱い気がするな」という感覚が育ってきます。経験を積むことで必ず分かるようになるので、まずは触れることを継続してみてください😊
脈拍触診は毎日の積み重ねで上手くなるスキルです。患者さんのバイタルサインを測るたびに「今日はどんな脈か」を意識して触れるようにしていくと、異常に気づく感度がどんどん高まっていきます。
脈拍触診のポイント:①中枢から触れる(血圧低下が疑われる場合)②回数・リズム・強さの3つを確認③ベースラインからの変化に注目!何か気になったらすぐに先輩や医師に報告しよう。
5.まとめ
今回は脈の触知について学習しました
中枢の脈と末梢の脈があって、血圧低下などを疑うときは中枢から触知することも学びました
循環を評価する上で脈が触れるのかはすごく大事です
臨床だと、手術前や肺塞栓大丈夫かなぁって足背動脈を確認することもあるかと思います
足背動脈は橈骨動脈と同じで末梢の脈扱いです
最後まで読んでいただきありがとうございます!
この記事があたなに少しでも役に立っていただけたら幸いです
⭐️この記事を読んでいることが、あなたが頑張っている証拠です!
これからも、少しずつ学んで成長していきましょう⭐️
以上、しーちゃんでした!
脈拍触知をさらに深く理解するための補足解説
ここからは、新人看護師の方が日々の臨床現場で脈拍触知をより自信を持って行えるよう、さらに踏み込んだ内容を補足として解説していきます。脈拍はバイタルサインの中でも特に「患者さんの循環動態をリアルタイムで把握できる指標」として極めて重要であり、単に1分間の回数を数えるだけでなく、リズム、強さ、左右差、立ち上がりの速さ、血管壁の性状など、得られる情報は実に多岐にわたります。ここで紹介する観察ポイントを意識して触知することで、医師への報告や急変の早期発見につながる気づきを得られるようになります。
脈拍観察で押さえておきたい7つの基本要素
脈拍を触知する際には、回数(rate)、リズム(rhythm)、強さ(volume)、緊張度(tension)、左右差、上下肢差、立ち上がりの速さ(rapidity of upstroke)の7つの要素を意識すると、患者さんの循環動態を立体的に把握できます。回数だけに気を取られてしまうと、不整脈や血管病変、心拍出量の低下などの重要なサインを見落としかねません。最初は時間がかかっても良いので、毎回これらの項目を頭の中でチェックリストのように確認しながら触れていく習慣をつけましょう。
たとえば、脈が「速くて弱く、触れにくい」場合は循環血液量の減少やショックの初期段階を疑いますし、「遅くて強く、跳ねるように触れる」場合は大動脈弁閉鎖不全や徐脈性不整脈などを念頭に置きます。リズムが不規則で、しかもその不規則さに全く規則性がない場合は心房細動の可能性が高く、12誘導心電図での確認や医師への報告が必要になります。このように、触知から得られる情報を整理し、解釈し、次のアクションへつなげる思考プロセスこそがフィジカルアセスメントの本質です。
中枢脈と末梢脈の比較で分かる循環動態
中枢脈と末梢脈を比較して観察することは、ショックや末梢循環不全を早期に発見するうえで非常に有用です。心臓から拍出された血液は、まず大動脈・総頸動脈・大腿動脈などの太い中枢血管を通り、その後、橈骨動脈・足背動脈・後脛骨動脈などの末梢血管へと流れていきます。心拍出量が低下したり末梢血管が強く収縮したりすると、末梢の脈はまず触れにくくなりますが、中枢脈は比較的最後まで保たれる傾向があります。
そのため、「橈骨動脈は触れにくいけれど総頸動脈ははっきり触れる」という所見は、循環血液量の減少や末梢血管の強い収縮、つまりショックの代償期を示唆する重要なサインです。一般的に、橈骨動脈が触知できれば収縮期血圧はおよそ80mmHg以上、大腿動脈で70mmHg以上、総頸動脈で60mmHg以上が目安とされてきました。ただしこの目安は研究によりばらつきがあり、過信は禁物ですが、血圧計が手元にない場面で迅速に重症度を評価する一つの指標として知っておくと役立ちます。
触知部位ごとの解剖学的ポイントとコツ
橈骨動脈は手首の親指側、橈骨茎状突起のすぐ内側を走行しています。指の腹で皮膚を軽く押さえるように触れ、強く押しすぎないことがコツです。圧迫しすぎると逆に脈が消えてしまい、「触れない=脈がない」と誤った判断をしてしまうことがあります。示指・中指・薬指の3本を揃えて当て、指先ではなく指の腹全体で圧を分散させると、リズムや強さの違いが感じ取りやすくなります。
総頸動脈は甲状軟骨の高さで、胸鎖乳突筋の前縁に沿って軽く触れます。両側を同時に強く圧迫すると頸動脈洞反射により徐脈や血圧低下を起こす危険があるため、必ず片側ずつ、しかも力を入れすぎずに触知します。高齢者や動脈硬化が疑われる方では特に慎重さが求められます。大腿動脈は鼠径靭帯の中央やや内側、上前腸骨棘と恥骨結合を結ぶ線の中点付近で触れることができ、ショックの評価や心肺蘇生中の有効性確認に用います。
足背動脈は足背の母趾と第2趾の間から足首方向にたどり、長母趾伸筋腱の外側で触れます。後脛骨動脈は内くるぶしの後下方で触知できます。これらの末梢動脈は個人差が大きく、もともと触れにくい人もいるため、健康時の所見をあらかじめ確認しておくと、変化に気づきやすくなります。糖尿病や末梢動脈疾患(PAD)の患者さんでは、足背動脈・後脛骨動脈の触知は欠かさず行うべき重要なアセスメント項目です。
不整脈を疑ったときの観察手順
触知中に脈のリズムが乱れていると感じたら、まずは1分間しっかり数えること、そして同時に心音または心尖拍動を聴取・触知して「脈拍欠損(pulse deficit)」の有無を確認することが大切です。脈拍欠損とは、心臓は収縮しているのに末梢まで十分な血液が届かず、橈骨動脈などで脈として触れない状態を指します。心房細動などでよく見られ、心拍数と脈拍数に差が出るのが特徴です。
不整脈の種類によって観察ポイントは異なります。期外収縮では「規則的なリズムの中に時々早いタイミングの脈が混じり、その後に少し長い休止が入る」というパターンが特徴です。心房細動では「全く不規則」、いわゆる絶対性不整脈の所見となり、強さも一拍ごとに大きく異なります。徐脈性不整脈では1分間40回を切るような場合もあり、ふらつきや失神のリスクが高まるため、すぐに医師へ報告し、心電図モニタリングを開始する必要があります。
反跳脈(bounding pulse)と弱小脈(thready pulse)の臨床的意味
反跳脈は、収縮期に勢いよく立ち上がり、拡張期に急速に下降する脈で、指先に「ドンッと跳ねる」ような強い拍動として伝わります。代表的な原因として大動脈弁閉鎖不全症があり、収縮期に左室から駆出された血液の一部が拡張期に逆流するため、脈圧が大きくなり反跳脈として触知されます。そのほか、甲状腺機能亢進症、発熱、高拍出性心不全、貧血、動静脈瘻なども反跳脈の原因となり得ます。
一方、弱小脈は触れにくく、糸のように細い脈と表現されます。心拍出量が低下している状態、たとえば出血性ショック、心原性ショック、重症心不全、大動脈弁狭窄症などで見られます。「速くて弱い脈」はショックの典型的サインであり、早期発見・早期介入が予後を大きく左右します。脈の強さを表現する際には、0(触れない)、1+(弱い)、2+(普通)、3+(強い)、4+(反跳脈)のような4段階または5段階のスケールを用いて記録するのが一般的です。
奇脈(pulsus paradoxus)と交互脈(pulsus alternans)
奇脈は、吸気時に脈が著しく弱くなる、あるいは収縮期血圧が10mmHg以上低下する現象で、心タンポナーデ、緊張性気胸、重症喘息発作、収縮性心膜炎などで認められます。触診だけでは判別が難しいことも多く、血圧計を用いて吸気と呼気で収縮期血圧の差を測定することで確認します。心タンポナーデは緊急性の高い病態であり、血圧低下、頸静脈怒張、心音減弱(Beckの三徴)と合わせて評価することが重要です。
交互脈は、規則正しいリズムで強い脈と弱い脈が交互に現れるもので、重症の左心不全を示唆する所見です。心筋の収縮力が著しく低下し、一拍ごとに十分な拍出ができなくなっている状態を反映しています。聴診では心音の強さの交互変化として、また血圧計では収縮期血圧の交互変化として確認できます。発見した場合は速やかに医師へ報告し、心エコーや心不全治療の強化を検討する必要があります。
脈拍と他のバイタルサインを統合してアセスメントする
脈拍は単独で評価するのではなく、血圧、呼吸数、体温、SpO2、意識レベルといった他のバイタルサインや、皮膚の色・温度・湿潤、毛細血管再充満時間(CRT)、尿量などと組み合わせて総合的に解釈することが大切です。たとえば、脈拍が110回/分で頻脈、血圧が90/60mmHg、呼吸数が24回/分、皮膚は冷たく湿潤、CRTが3秒以上、意識が少しぼんやりしている、というケースでは、ショックの代償期から非代償期へ移行しつつある可能性が高く、早急な対応が必要です。
また、ショックインデックス(SI=心拍数÷収縮期血圧)は、ショックの早期発見に役立つ簡便な指標として知られています。通常は0.5〜0.7程度ですが、1.0を超えると循環血液量減少が疑われ、1.5以上では重症ショックの可能性が高くなります。新人看護師の方は、頻脈や血圧低下を「数字の異常」として個別に捉えるのではなく、「これらの組み合わせが何を意味するのか」を考える習慣を持つことで、急変の予兆を捉える力が確実に伸びていきます。
高齢患者における脈拍触知の注意点
高齢者では動脈硬化により血管壁が硬くなり、触知時に「鉛筆のような硬い索状物」として血管そのものを感じることがあります。これは脈の強さとは別に評価する必要があり、強い脈に見えても実際の脱出量は少ない場合があるため注意が必要です。また、高齢者は予備能が低く、軽度の脱水や感染でも容易に頻脈・血圧低下をきたします。普段の脈拍値を把握しておくことで、わずかな変化に気づきやすくなります。
さらに、β遮断薬やジギタリス、カルシウム拮抗薬など、脈拍数に影響を及ぼす薬剤を内服している方も多いため、内服薬の確認は欠かせません。「脈拍が遅いけれど本人はけろっとしている」場合と、「脈拍が遅くてふらつき・冷汗・めまいを伴う」場合では、緊急度がまったく異なります。症状と所見を結びつけて評価することが、安全な看護の基本です。
小児における脈拍の特徴
小児は年齢によって正常脈拍数の幅が大きく異なります。新生児では120〜160回/分、乳児では100〜140回/分、幼児では90〜120回/分、学童では70〜110回/分が一般的な目安です。小児は心拍出量を増やす際、成人のように一回拍出量を増やすことが難しく、心拍数を上げることで対応するため、頻脈は重要な異常サインです。逆に徐脈は終末期サインとして極めて危険な所見であり、ただちに対応が必要となります。
触知部位としては、乳児では上腕動脈や大腿動脈が推奨されており、頸動脈は短く太い首のため触知しにくい場合があります。心肺蘇生時の脈拍確認も、1歳未満では上腕動脈で行うのが基本です。小児はバイタルの変化が急激なことが多いため、こまめなモニタリングと、保護者への声かけ・観察も忘れずに行いましょう。
触知が難しいときの工夫とトラブルシューティング
「どうしても脈が触れない」というとき、慌てずに次のステップを踏むことが大切です。まず、自分の指の位置が解剖学的に正しい部位にあるか確認します。次に、押さえる強さを変えてみます。強すぎても弱すぎても触れにくくなるため、皮膚に軽く触れる程度の圧から、徐々に圧を増やしていきます。患者さんの腕や手の冷感が強いときは、温かいタオルなどで温めてから再度試みると触知しやすくなることがあります。
それでも触れない場合は、別の部位(橈骨動脈→上腕動脈→総頸動脈または大腿動脈)に切り替えます。中枢脈も触れない、意識がない、呼吸がない・正常でない場合は、心停止を疑い、ただちに応援要請、胸骨圧迫の開始、AEDの準備など、BLSアルゴリズムに従って行動します。脈の確認に時間をかけすぎず、10秒以内に判断することが救命率を高めるポイントです。
記録と報告の仕方
脈拍の記録は、「数値」だけでなく「質的な情報」も含めて行うのが理想です。たとえば「脈拍92回/分、整、強さ良好、左右差なし」「脈拍118回/分、不整、弱、橈骨動脈触れにくく総頸動脈は触知可能」のように記録することで、後から振り返ったときや他職種に共有する際に、状況がイメージしやすくなります。電子カルテのテンプレートに頼り切らず、必要な情報を文章で補足する習慣をつけましょう。
医師への報告にはSBAR(Situation, Background, Assessment, Recommendation)を活用すると、簡潔かつ漏れなく伝えられます。「○号室の○○さん、現在脈拍が140回/分で不整、血圧80/50mmHg、SpO2 92%です。先ほどから胸部不快感を訴えています(S)。既往に心房細動と心不全があります(B)。頻脈性不整脈の悪化と循環不全を疑います(A)。心電図モニタの装着と診察をお願いできますでしょうか(R)」というように、状況・背景・評価・提案の順で伝えると、医師も判断しやすくなります。
学習を継続するためのヒント
脈拍触知は、知識として学ぶだけでなく、毎日の臨床で「意識して触れる回数」を増やすことで確実に上達していきます。最初のうちは、健康な同僚や自分自身の脈を、いろいろな部位で触れてみると感覚が養われます。受け持ち患者さんの脈を毎勤務触知し、前回との違いに気づけるようになってくると、フィジカルアセスメントの面白さが見えてくるはずです。
また、心電図、心エコー、聴診、血圧測定など、他のアセスメント技術と組み合わせて学ぶことで、脈拍から得られる情報の意味がより立体的に理解できるようになります。書籍やオンライン学習コンテンツ、院内勉強会、シミュレーション研修など、さまざまな学習機会を上手に活用してください。「触れて分かる」「数字以外の情報を読み取れる」看護師は、患者さんの異変に強い看護師です。日々の積み重ねが、必ずあなたの自信と力になっていきます。
よくある疑問Q&A
Q1. 脈拍は何秒数えれば良いですか?
正確性を重視するなら1分間しっかり数えるのが基本です。とくに不整脈が疑われる場合や、初回測定時、状態が安定していない患者さんでは必ず60秒測定してください。安定した患者さんで時間が限られているときは、15秒×4倍や30秒×2倍を用いることもありますが、リズム異常を見落とすリスクがあることを念頭に置きましょう。
Q2. パルスオキシメータの数値があれば触診はいらないのでは?
パルスオキシメータは便利な機器ですが、リズムの質、強さ、左右差、血管壁の性状などは触診でしか分かりません。また、末梢循環不全や体動・冷感などで数値が不正確になる場面も多く、機器の数値と触知所見を組み合わせて評価することが、安全な看護には不可欠です。
Q3. 患者さんが緊張して脈が速いときと、本当に異常な頻脈をどう見分けますか?
緊張による頻脈は、安静と声かけ、深呼吸の促しなどで数分以内に落ち着いてくることが多いです。一方で、出血、感染、心不全、不整脈などの病的頻脈は、休んでも改善しないか、むしろ悪化することがあります。バイタル全体の変化、随伴症状、患者さんの主観的訴えを併せて観察し、判断していきましょう。
まとめ:脈拍触知は「最も身近な高機能センサー」
脈拍触知は、特別な機器を必要とせず、看護師の指先一本で、患者さんの循環動態をリアルタイムに評価できる、非常に強力なアセスメント技術です。回数だけでなく、リズム、強さ、左右差、立ち上がり、血管壁の性状など、得られる情報を一つでも多く拾い上げる意識を持つことで、急変の早期発見や医師への質の高い報告につながっていきます。
新人看護師の時期は、覚えることが多く、自分の判断に自信が持てない場面も多いと思います。それでも、毎日少しずつ、丁寧に脈を触れ続けることで、必ず「触って分かる」感覚が育っていきます。今日学んだ知識を、明日からの臨床のなかで一つずつ試してみてください。あなたの指先から得られる情報は、患者さんを守る大切な手がかりになります。これからも一緒に学びを深めていきましょう。
事例で学ぶ脈拍アセスメント:臨床シナリオ集
知識を実践につなげるために、ここでは新人看護師の方が現場で出会いやすい代表的なシナリオを取り上げ、脈拍触知から得られた所見をどう解釈し、どのように行動につなげていくかを具体的に考えていきます。シナリオを通して「観察→解釈→判断→行動」という思考の流れをイメージできるようになると、実際の臨床場面でも落ち着いて対応できるようになります。
シナリオ1:術後病棟の若年女性、頻脈と冷汗
30代女性、腹腔鏡下手術後6時間。受け持ち訪室時、橈骨動脈はやっと触れる程度で速く、1分間で120回。皮膚は冷たく湿っており、顔色はやや蒼白で、本人は「少し気分が悪い」と訴えています。血圧は90/55mmHgでいつもより低めです。このような状況では、術後出血や血管内脱水によるショックの代償期を強く疑わなければなりません。ショックインデックスを計算すると120÷90で1.33となり、明らかに正常範囲を超えています。
取るべき行動としては、まず応援要請とともに、医師への速やかな報告、ベッド上安静の徹底、酸素投与の準備、輸液ルートの確認、創部やドレーンからの出血の有無を観察することが挙げられます。バイタルサインのモニタリング間隔を短くし、尿量・意識レベル・四肢末梢の冷感など、循環不全のサインを継続的に観察します。新人看護師さんは「なんとなくおかしい」と感じたら、その直感を大切にして先輩や医師に共有してください。早期発見・早期対応が患者さんの予後を左右します。
シナリオ2:高齢男性、めまい・ふらつきと徐脈
80代男性、内服治療中の高血圧と心房細動の既往あり。朝のラウンド時、本人から「立ち上がると頭がフラフラする」と訴えあり。橈骨動脈は触れるが、リズムが不規則で、1分間で42回しかありません。血圧は138/76mmHg。心電図モニタは未装着でした。このようなケースでは、徐脈性不整脈や房室ブロック、薬剤性徐脈(β遮断薬・ジギタリスなど)の可能性を考えます。
初動としては、転倒・転落予防のためベッド上安静を促し、ナースコールを手元に置き、12誘導心電図と心電図モニタの装着を準備します。内服歴を再確認し、特にジギタリスや抗不整脈薬を内服している場合は中毒症状の可能性も念頭に置きながら、医師に報告します。脈拍40回/分前後の徐脈で意識症状を伴う場合は、ペースメーカ適応の検討も必要となるため、医師の診察を待つ間も継続的なモニタリングと、急変時に備えた準備を整えておきます。
シナリオ3:発熱患者の頻脈、ただし状態は比較的安定
50代男性、肺炎で入院中。体温は38.8℃、脈拍は108回/分で整、強さは普通、血圧は126/78mmHg、SpO2 95%(室内気)。本人は「少しだるいけど話せます」と笑顔も見られます。発熱時は1℃上昇するごとに脈拍がおよそ8〜10回/分増加すると言われており、この場合の頻脈は発熱に伴う生理的反応と考えて矛盾しません。とはいえ、敗血症の早期サインを見逃さないために、qSOFAやSIRSの基準も併せて評価する習慣をつけましょう。
呼吸数22回/分以上、収縮期血圧100mmHg以下、意識レベル低下のいずれかが2項目以上当てはまる場合は、敗血症の可能性を強く疑い、ただちに医師へ報告します。今回のシナリオでは現時点で重症度は高くないと判断できますが、頻脈の程度が時間とともに悪化していないか、血圧低下や呼吸数増加が出現していないかを継続的に観察することが重要です。「今は大丈夫」だけでなく「次にどうなりうるか」を考える視点が、急変の予兆を捉える力を育てます。
シナリオ4:胸痛を訴える中年男性、左右差のある脈
外来トリアージで60代男性が「突然の激しい胸の痛みと背中の痛み」を訴えて来院。橈骨動脈を左右で同時に触知すると、右より左がはるかに弱く、血圧も右上肢160/95mmHg、左上肢118/70mmHgと20mmHg以上の左右差を認めました。このような所見は急性大動脈解離を強く疑う重要なサインです。「移動するような胸背部痛」「左右差のある血圧・脈拍」「拡張期雑音」などが揃えば、緊急対応の最優先事項となります。
新人看護師さんは、左右の脈や血圧を同時に比較する習慣をぜひ身につけてください。普段から「左右差はないか」を意識して触れていれば、こうした重大な疾患を見逃さずに済みます。疑った時点で速やかに医師へ報告し、安静、酸素投与、ルート確保、緊急画像検査の準備を進めます。大動脈解離は時間との勝負であり、看護師の最初の気づきが救命につながります。
学びを定着させるための復習ポイント
ここまで読んでくださった方は、脈拍触知に関する知識がかなり立体的に整理できてきたのではないでしょうか。最後に、明日からの臨床で意識してほしいポイントをもう一度まとめます。第一に、脈拍は「数」だけでなく「質」を見ること。第二に、中枢脈と末梢脈、左右、上下肢を比較すること。第三に、他のバイタルサインや症状と統合して解釈すること。第四に、変化のスピードと方向性に注目すること。そして第五に、気づいたことを言語化して、記録・報告につなげることです。
脈拍触知は派手な技術ではありませんが、毎日の積み重ねが患者さんの命を守る確かな力になります。新人ナースのみなさんが、自分の指先を通して「患者さんの今」を感じ取れるようになっていく過程は、看護師としての成長そのものです。焦らず、丁寧に、一人ひとりの患者さんに向き合い続けていきましょう。あなたの学びと努力は、必ず誰かの安心と回復につながっていきます。これからも一緒に成長していきましょう。
最後に:新人看護師のあなたへ
看護の現場は毎日が学びの連続で、覚えることや気を配ることが本当にたくさんあります。脈拍触知という基本中の基本の技術一つとっても、奥が深く、知れば知るほど新しい発見があるものです。最初はうまく触れなくて当然ですし、判断に迷って当然です。大切なのは、分からないことをそのままにせず、先輩や医師、同僚に相談しながら、一つずつ確かなものに変えていく姿勢です。
そして、忘れないでほしいのは、あなたが患者さんの脈に触れるその瞬間、あなたの手は確かに誰かの命を支えているということです。「今日も触ってよかった」「気づけてよかった」と思える日が、これからきっとたくさん訪れます。日々の看護が少しでも安心と自信に満ちたものになるよう、このサイトでは引き続き、新人ナースを応援する記事を発信していきます。一緒に、丁寧な看護を積み重ねていきましょう。お仕事、いつも本当にお疲れ様です。
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