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✅ 朝ドラ「風、薫る」第30話の流れがわかる
✅ 声が出ない多江の看病を看護師目線で整理できる
✅ 「よかれと思ったケア」が患者さんの負担になる理由がわかる
✅ 声を出せない患者さんとのコミュニケーションの考え方が学べる
✅ バーンズ先生の課題から、観察と患者中心のケアを考えられる

しーちゃん、第30話は多江さんの看病の場面が印象的でした。みんな一生懸命なのに、多江さんは声が出なくて、どんどん疲れていく感じがして…。見ていて少し苦しくなりました。

うん。第30話は、看護師目線ではすごく大事な回だったね。りんさんたちは多江さんを助けたい。でも、その助けたい気持ちが、患者さん本人にとって本当に楽なケアになっているかは別問題。看護の難しさがとてもよく出ていたよ。
- 朝ドラ「風、薫る」第30話のあらすじ
- ナース目線ポイント①:「何かしてあげたい」が患者さんの負担になることがある
- ナース目線ポイント②:声が出ない患者さんは“訴えがない”わけではない
- ナース目線ポイント③:質問は“患者さんが答えやすい形”にする
- ナース目線ポイント④:高熱時の看護は“冷やせばいい”だけではない
- ナース目線ポイント⑤:安静は“放っておくこと”ではない
- ナース目線ポイント⑥:患者中心のケアは“本人の反応”から始まる
- ナース目線ポイント⑦:バーンズ先生の課題は“観察に戻れ”というメッセージ
- ナース目線ポイント⑧:多江の父の来訪から見る“家族背景”の重み
- ナース目線ポイント⑨:仲間を看病する難しさ
- ナース目線ポイント⑩:第30話は“看護の主語を患者に戻す”回
- 新人看護師さんが第30話から学べること
- 先輩看護師・指導者に伝えたいこと
- 第30話を看護師目線で読み解くと
- よくある質問
- まとめ:第30話は“患者さんの反応を見る看護”を学ぶ回
- 🛒 しーちゃんのおすすめ情報
朝ドラ「風、薫る」第30話のあらすじ
第30話では、前回倒れてしまった多江の看病を、りんや直美たちが行います。
多江は高熱を出し、声が出ない状態になっています。看護婦養成所でともに学ぶ仲間として、りんたちは多江のために何かしたいと考えます。氷のうを当てたり、着替えを手伝おうとしたり、食べ物や飲み物を用意しようとしたり、それぞれが自分なりに看病しようとします。
しかし、多江は声を出せません。何がつらいのか、何をしてほしいのか、何をしてほしくないのかを言葉で伝えられません。りんたちは多江を助けたい気持ちで動きますが、その関わりは多江にとって必ずしも楽なものではありませんでした。
一方、バーンズ先生は生徒たちに「患者の状態を観察し、何をすべきか考える」ことを求めます。これまで学んできた“observe”や清潔、環境整備、患者さんをよく見る姿勢が、いよいよ実際の仲間の看病の中で試されることになります。
また、多江の家から父親が訪れる展開もあります。多江が抱えていた縁談や家庭の事情は、単なる背景ではなく、彼女の心身に重くのしかかっていたものとして見えてきます。
第30話は、多江を看病するりんたちが、看護とは「何かしてあげること」だけではなく、「患者さんの状態をよく見て、その人にとって必要なことを考えること」だと痛感する回でした。

みんな優しいのに、うまくいかないんですよね。看病って、やる気だけではだめなんだと思いました。

そうなの。看護は「してあげたい気持ち」から始まることも多いけれど、患者さんの状態を見ないまま動くと負担になることがある。第30話は、その落とし穴をとても丁寧に描いていたと思うよ。
ナース目線ポイント①:「何かしてあげたい」が患者さんの負担になることがある
第30話でりんたちは、多江を助けたい一心で動きます。
これはとても自然なことです。仲間が倒れ、高熱で苦しみ、声も出せない。目の前でつらそうにしている人を見れば、何かしなければと思うのは当然です。
でも看護師目線で見ると、ここに大切な学びがあります。
「何かしてあげたい」と「今、その人に必要なこと」は、いつも同じではありません。
患者さんが高熱でぐったりしている時、何度も声をかけられることが負担になる場合があります。体位を変えたいと思っても、痛みや倦怠感が強くて触れられるだけでつらいことがあります。食べてほしいと思っても、嚥下がつらかったり、吐き気があったり、口腔内が乾燥していたりして、食べることが苦痛な場合もあります。
看護師は、患者さんのために動きます。
でも、動く前に見ることが必要です。
今、患者さんは眠れているのか。
声かけに反応できる状態か。
触れられることを嫌がっていないか。
表情は苦痛を示していないか。
呼吸は楽そうか。
発汗や悪寒はあるか。
水分を欲しがっているのか、飲み込む力はあるのか。
これを見ずに「良いこと」を次々にすると、患者さんは休めません。
第30話のりんたちは、看護を学んでいる途中だからこそ、善意が先に立ちます。そこがとてもリアルでした。

患者さんのためと思って声をかけすぎたり、手を出しすぎたりすること、あります。休んでほしいのに、こちらが休ませていないこともあるかもしれません。

そうだね。看護師の関わりは、患者さんにとって刺激にもなるの。だから、必要なケアと休息のバランスを考えることが大切なんだよ。
ナース目線ポイント②:声が出ない患者さんは“訴えがない”わけではない
第30話の多江は、声が出ません。
ここは看護師にとって非常に重要なポイントです。
声が出ない患者さん、話せない患者さん、うまく訴えられない患者さんは、臨床にもたくさんいます。気管切開をしている方、挿管中の方、脳血管疾患で失語がある方、認知症で言葉にしにくい方、せん妄で意思疎通が難しい方、強い倦怠感で話せない方、痛みや不安で言葉が出ない方。
その時、「訴えがない」と判断してしまうのは危険です。
訴えがないのではなく、訴えられないのかもしれません。
多江は声を出せないだけで、苦痛がないわけではありません。希望がないわけでもありません。してほしくないことがないわけでもありません。
看護師は、言葉以外のサインを見ます。
表情。
眉間のしわ。
手の動き。
目線。
呼吸の速さ。
体のこわばり。
発汗。
顔色。
涙。
声にならない息づかい。
ケアを受けた時の反応。
こうした非言語的なサインを拾うことが、声が出ない患者さんの看護ではとても大切です。

「痛いですか?」と聞いて返事がなかったら、つい大丈夫かなと思ってしまうことがあります。

返事がない時こそ観察が必要だよ。返事ができないのか、聞こえていないのか、理解できないのか、答える気力がないのか。沈黙にも理由があるからね。
ナース目線ポイント③:質問は“患者さんが答えやすい形”にする
声が出ない多江に対して、りんたちはどう関わればよかったのでしょうか。
看護師目線で考えるなら、質問の仕方を工夫することが大切です。
声が出ない患者さんに、長い説明や自由回答の質問をしても、答えるのが難しいことがあります。そんな時は、患者さんが答えやすい形にします。
うなずきや首振りで答えられる質問にする。
「はい」「いいえ」で答えられる質問にする。
指差しできる選択肢を用意する。
痛みの場所を指してもらう。
文字盤や筆談を使う。
表情やジェスチャーを確認する。
たとえば、「何がつらいですか?」と聞くよりも、「喉が痛いですか」「寒いですか」「水が飲みたいですか」「体の向きを変えたいですか」と一つずつ確認する方が答えやすいことがあります。
もちろん、質問攻めにしてはいけません。患者さんが疲れている時は、必要な確認を短く、静かに行うことが大切です。
第30話の多江は高熱で声が出ない状態です。その時、周囲が次々に動くよりも、多江が反応しやすい方法を探ることが大事でした。
看護師は、患者さんに合わせてコミュニケーションの形を変える専門職です。

声が出ない患者さんには、こちらが落ち着いて、答えやすい聞き方をすることが大事なんですね。

そう。患者さんが伝えられないのではなく、こちらの聞き方が合っていないこともある。伝える手段を一緒に探すのも看護だよ。
ナース目線ポイント④:高熱時の看護は“冷やせばいい”だけではない
第30話では、多江の高熱が描かれます。
高熱と聞くと、氷のうで冷やす、水分を取らせる、布団を調整する、汗を拭くといったケアが思い浮かびます。どれも大切です。
しかし、高熱時の看護は「熱を下げればよい」だけではありません。
まず観察が必要です。
体温はどの程度か。
脈拍や呼吸数はどうか。
意識状態はどうか。
悪寒があるのか、熱感が強いのか。
発汗はあるか。
水分摂取はできているか。
尿量はどうか。
脱水のサインはないか。
皮膚や口腔内の乾燥はどうか。
感染症の兆候はあるか。
痛みや咳、下痢など他の症状はあるか。
冷やすケアも、タイミングと場所が大切です。寒気が強い時に無理に冷やすと、患者さんはつらくなります。発汗が多い時は、清潔と保温のバランスが必要です。水分をすすめる時も、飲み込めるか、吐き気はないか、意識状態はどうかを見ます。
第30話のりんたちに必要だったのは、「高熱だからこれをする」と決めつけることではなく、多江の状態を見ながらケアを選ぶことでした。
看護は、症状名への反応ではなく、その人の状態への反応です。

熱があると、すぐ冷やさなきゃと思ってしまいます。でも寒気があるかどうかでケアが変わりますね。

そうだね。高熱でも、悪寒が強い時と熱感が強い時では支援が違う。患者さんが今どの段階にいるのかを見ることが大切だよ。
ナース目線ポイント⑤:安静は“放っておくこと”ではない
多江のように高熱で声が出ない患者さんには、安静が必要です。
でも、安静とは放っておくことではありません。
安静には、患者さんが回復に集中できる環境を整える意味があります。必要な観察は行い、必要なケアは短く丁寧に行い、患者さんが休める時間を確保することです。
何度も人が出入りする。
何度も声をかける。
不用意に体を動かす。
本人が答えられないのに質問を重ねる。
周囲が慌ただしくしている。
こうした状態では、患者さんは休めません。
看護師は、何かをすることだけでなく、しないことを選ぶ判断も必要です。
今は休ませる。
今は声かけを最小限にする。
今はケアをまとめて行う。
今は室内の刺激を減らす。
今は観察だけして見守る。
これも看護です。
第30話のりんたちは、何かをしたい気持ちが強く、結果として多江の安静を妨げてしまう場面がありました。そこから学べるのは、患者さんの回復に必要な環境を整える視点です。

何もしないとサボっている気がしてしまうことがあります。

でも看護では、「今は休息を優先する」と判断して見守ることも立派なケアだよ。ただし、放置ではなく観察を伴う見守りね。そこが大事。
ナース目線ポイント⑥:患者中心のケアは“本人の反応”から始まる
第30話でりんたちは、多江のために動きます。
でも患者中心のケアとは、こちらが良いと思うことを次々にすることではありません。本人の反応を見ながら、その人にとって必要なケアを選ぶことです。
患者中心という言葉は、現代の看護でもよく使われます。
患者さんの意思を尊重する。
患者さんの価値観を大切にする。
患者さんの生活に合わせる。
患者さんと一緒に目標を考える。
これらはとても大事です。
でも、患者さんが声を出せない時、意思を表現しにくい時、どうすればよいのでしょうか。
その時こそ、観察が大切です。
ケアをした時に表情が和らいだか。
体の力が抜けたか。
呼吸が楽そうになったか。
拒否するような動きはないか。
目線で何かを訴えていないか。
同じケアを繰り返すと疲れていないか。
本人の言葉が少ない時ほど、反応から学ぶ必要があります。
多江は声を出せません。だからこそ、りんたちは多江の反応を見なければなりませんでした。第30話は、患者中心のケアが「聞けばよい」だけではなく、「反応を読む」ことでもあると教えてくれます。

患者中心って、患者さんに希望を聞くことだと思っていました。でも言えない時は、反応を見ることが大事なんですね。

そうだよ。言葉で聞ける時は聞く。言葉で聞けない時は、表情や身体の反応から推測して、できる範囲で確認する。患者中心は、相手に合わせて方法を変えることなんだよ。
ナース目線ポイント⑦:バーンズ先生の課題は“観察に戻れ”というメッセージ
第30話でバーンズ先生が生徒たちに求めているのは、特別な技術ではありません。
患者をよく見ることです。
これまでりんたちは、“observe”の意味を考え、清潔を学び、環境整備を学び、感染症看護の厳しさを学んできました。第30話では、その学びを本物の看病の場面で使うことになります。
多江が目の前にいる。
高熱がある。
声が出ない。
家庭の事情も抱えている。
周囲の仲間は動揺している。
この状況で、何を観察し、何を優先するのか。
バーンズ先生の課題は、「習ったことを覚えているか」ではなく、「目の前の患者に使えるか」を問うものです。
看護師の学びも同じです。
教科書で学んだことは、患者さんの前で使える形になって初めて力になります。発熱時の観察項目を知っているだけではなく、実際に患者さんを見て必要な情報を拾えるか。コミュニケーション技術を知っているだけではなく、声が出ない患者さんに合わせて工夫できるか。
第30話のりんたちは、看護の知識を「実践」に変える入口に立っています。

知識としてはわかっているのに、実際の場面になると焦ってできないことがあります。

それは新人さんにとてもよくあることだよ。だから振り返りが大切。知識を現場で使える形にするには、経験して、振り返って、また使うことを繰り返す必要があるんだよ。
ナース目線ポイント⑧:多江の父の来訪から見る“家族背景”の重み
第30話では、多江の父親が訪れる展開もあります。
多江の体調不良は、熱や声が出ないことだけでなく、家の事情や縁談とも切り離せません。本人が看護婦として学びたい気持ちと、家族の意向や社会的な役割がぶつかっています。
看護師は患者さんを看る時、家族背景を無視できません。
家族は支えにもなります。
でも時に、負担や葛藤の源にもなります。
退院後に誰が介護するのか。
本人は家に帰りたいのか。
家族は受け入れられるのか。
治療方針について家族と本人の意見は一致しているのか。
本人が本音を言える関係か。
家族の期待が本人を追い詰めていないか。
こうしたことは、身体の回復にも影響します。
多江の場合、父の来訪は単なるお見舞いではなく、彼女の進路や生き方に関わる重い意味を持ちます。多江の看病を考えるなら、発熱への対応だけでなく、心の負担や家族との関係も見なければなりません。
看護は、身体だけを切り離して見る仕事ではありません。身体症状の背景にある人間関係や社会的圧力も、患者さんの状態に影響します。

家族が来ると安心する患者さんもいれば、逆に緊張する患者さんもいますよね。

そう。家族だから必ず安心とは限らない。看護師は、患者さん本人の反応を見ることが大切だよ。家族がいる時といない時で表情や言葉が変わることもあるからね。
ナース目線ポイント⑨:仲間を看病する難しさ
第30話のりんたちは、多江を「患者」として看ます。
でも多江は、ただの患者ではありません。仲間です。いつも一緒に学び、意見を言い合い、時には衝突してきた相手です。だからこそ、看病する側の感情も揺れます。
仲間が苦しんでいると、冷静でいるのは難しいです。
心配が強くなる。
何かしてあげたくなる。
いつもの多江と違う姿に動揺する。
自分たちの未熟さを突きつけられる。
うまく看病できないことに焦る。
これは現代の看護でも起こります。
同僚が体調を崩した時、家族が患者になった時、知人を看る時、看護師は普段より感情が揺れやすくなります。相手との関係が近いほど、客観的な観察が難しくなることがあります。
だからこそ、チームで見ることが大切です。
一人の感情に引っ張られず、複数の目で状態を見ます。バイタル、意識、表情、訴え、環境、安静、家族背景。それぞれの観察を共有します。
第30話の多江の看病は、りんたちにとって「仲間を看る難しさ」を知る時間でもありました。

仲のいい患者さんや知っている人だと、いつもより感情が入ってしまいそうです。

そうだね。感情が入ること自体は悪くない。でも、判断が揺れるなら誰かに相談することが大事。近い関係の人ほど、チームで見ることが安全につながるよ。
ナース目線ポイント⑩:第30話は“看護の主語を患者に戻す”回
第30話のテーマを看護師目線で一言にするなら、「看護の主語を患者に戻す」回です。
りんたちは、多江のために動きたい。
多江を助けたい。
何かしてあげたい。
でも、看護の主語は「私たちが何をしたいか」ではありません。
多江は今、何を必要としているのか。
多江は何がつらいのか。
多江は何を拒んでいるのか。
多江は何を伝えられずにいるのか。
多江が休める環境は何か。
このように、主語を患者さんに戻すことが大切です。
看護師は忙しい時ほど、自分たちの都合で動きがちです。
今のうちに清拭を終わらせたい。
早く食事を進めたい。
記録のために聞きたい。
予定通りに処置をしたい。
でも患者さんの状態によっては、タイミングを変える必要があります。休息を優先する必要があります。質問を減らす必要があります。ケアを分ける必要があります。
患者中心の看護は、抽象的な理念ではありません。毎回、「今、この人にとってどうか」と問い直す具体的な判断です。

「何をしてあげるか」ではなく、「患者さんにとって何が必要か」に戻るんですね。

そう。看護師の善意を患者さんの状態に合わせることが大切。第30話は、りんたちがその難しさを体で学ぶ回だったと思うよ。
新人看護師さんが第30話から学べること
第30話から新人看護師さんが学べることは、いくつもあります。
まず、患者さんが声を出せない時ほど、非言語的なサインを見ることです。
表情、目線、呼吸、体の動き、発汗、顔色、ケアへの反応。言葉がないからこそ、身体が出しているサインを丁寧に拾いましょう。
次に、質問を患者さんが答えやすい形にすることです。
「何がつらいですか」だけではなく、「寒いですか」「水が飲みたいですか」「体の向きを変えたいですか」など、はい・いいえで答えられる形にする。必要に応じて筆談や指差しも考えます。
三つ目は、安静をケアとして考えることです。
何かをすることだけが看護ではありません。患者さんが休めるように、声かけやケアをまとめる、刺激を減らす、室内環境を整えることも大切です。
四つ目は、発熱時に観察をセットにすることです。
体温だけでなく、意識、呼吸、脈拍、悪寒、発汗、水分摂取、尿量、口腔内、皮膚状態、他の症状を見ます。高熱だから冷やすと決めつけず、その人の状態に合わせます。
五つ目は、善意を患者さんの反応で見直すことです。
自分が良いと思ったケアでも、患者さんが疲れている、嫌がっている、苦痛が増えているなら見直す必要があります。

第30話を見て、ケアは“やったかどうか”より、“患者さんにとってどうだったか”が大事なんだと思いました。

本当にそう。看護記録でも、実施したことだけでなく、その後の反応を見ることが大切。ケアの評価まで含めて看護だよ。
先輩看護師・指導者に伝えたいこと
第30話は、指導する側にも学びがあります。
新人さんは、患者さんのために一生懸命動こうとします。その気持ちは大切です。でも、経験が浅いと、患者さんの状態よりも「何かしなければ」という焦りが先に立つことがあります。
そんな時、指導者は「何をしたか」だけでなく、「患者さんはどう反応したか」を問いかけることが大切です。
「そのケアをした後、表情は変わった?」
「声かけに反応できる状態だった?」
「今は安静とケア、どちらを優先する場面かな?」
「患者さんが答えやすい聞き方になっていた?」
「自分がしてあげたいことと、患者さんが必要としていることは同じかな?」
こうした問いは、新人さんの視点を患者さんに戻します。
また、声が出ない患者さんや意思表示が難しい患者さんへの関わりは、指導者が見本を示すことも大切です。質問を短くする、目線を合わせる、反応を待つ、ケアの前後で表情を確認する、休息を妨げないようにする。こうした具体的な動きは、新人さんが見て学びやすい部分です。
第30話のりんたちのように、善意が空回りすることは新人さんによくあります。そこを責めるだけでなく、患者中心の観察に戻す指導が必要です。

「患者さんはどう反応した?」って聞かれると、ちゃんと見なきゃと思います。

そうだね。看護は実施で終わりじゃない。反応を見る、評価する、次を考える。その流れを新人さんに伝えることが大切だよ。
第30話を看護師目線で読み解くと
第30話は、多江の看病を通して、りんたちが看護の難しさに直面する回でした。
多江は高熱で声が出ません。
りんたちは助けたい気持ちで動きます。
しかし、そのケアが多江にとって本当に楽なのかは、よく観察しなければわかりません。
ここで問われるのは、看護の主語です。
私たちは何をしたいのか。
それとも、患者さんは何を必要としているのか。
この違いは大きいです。
患者さんが声を出せない時、看護師は表情や身体の反応を見ます。高熱がある時、冷やすだけでなく、悪寒、発汗、水分、意識、呼吸、安静の必要性を見ます。家族背景がある時、身体症状と心の負担を切り離さずに見ます。
第30話の多江は、ただの発熱患者ではありません。
縁談に揺れ、退学を口にし、倒れ、声を失い、父の来訪という重い背景を抱えています。だからこそ、看護は身体だけでなく、その人の背景にも目を向ける必要があります。
りんたちはまだ未熟です。でも、多江の看病を通して、これまで学んだ“observe”を本当に使う場面に立たされました。

第30話は、看護の実践編みたいでしたね。今まで学んだことを、目の前の多江さんにどう使うか。

そうだね。知識が実践になる瞬間は、いつも簡単じゃない。焦ったり、空回りしたりしながら、患者さんを見る目が育っていく。第30話は、その成長の痛みが描かれていたと思うよ。
よくある質問
Q1. 声が出ない患者さんには、どう声をかければいいですか?
短く、答えやすい形で確認することが大切です。
「寒いですか」「痛みがありますか」「水が飲みたいですか」のように、はい・いいえで答えられる質問にします。うなずき、首振り、指差し、筆談、文字盤など、患者さんが使える方法を探しましょう。
Q2. 高熱の患者さんは、とにかく冷やせばいいですか?
冷やす前に状態を観察します。
悪寒が強い時に無理に冷やすと苦痛が増えることがあります。熱感、発汗、意識状態、呼吸、脈拍、水分摂取、尿量、脱水のサインなどを見て、患者さんの状態に合わせたケアを選びましょう。
Q3. 患者さんを休ませたい時、看護師は何をすればいいですか?
安静にできる環境を整えます。
声かけやケアをまとめる、室温や寝具を調整する、照明や音を整える、ナースコールを手の届く位置に置く、必要な観察は短く行うなどです。放置ではなく、観察を伴う見守りが大切です。
Q4. よかれと思ったケアが負担になっていないか、どう判断しますか?
ケア中とケア後の反応を見ます。
表情が苦痛に変わっていないか、呼吸が乱れていないか、疲労が強まっていないか、拒否する動きがないか、安楽そうになったかを確認します。患者さんの反応が、ケアの評価になります。
まとめ:第30話は“患者さんの反応を見る看護”を学ぶ回
朝ドラ「風、薫る」第30話は、高熱で声が出ない多江を、りんたちが看病する回でした。
看護師目線で見ると、この回のテーマは「患者さんの反応を見ること」です。
助けたい気持ちは大切です。
でも、患者さんの状態を見ないまま動くと、負担になることがあります。
声が出ない患者さんには、言葉以外のサインを見る。
高熱の患者さんには、冷やす前に状態を見る。
安静が必要な患者さんには、休める環境を整える。
家族背景がある患者さんには、身体症状と心の負担を合わせて見る。
そして何より、看護の主語を患者さんに戻すこと。

第30話を見て、看護って「してあげる」だけじゃなくて、「相手にとってどうか」を見続ける仕事なんだと思いました。

うん。第30話は、りんたちが“observe”を本当に使う場面に立った回だったね。多江さんの声なき訴えをどう受け取るか。そこに、看護師としての観察力が問われていたと思うよ。
参考:
シネマトゥデイ「朝ドラ『風、薫る』多江(小林涼子)の父がやって来る 第30回あらすじ」
Real Sound「『風、薫る』第30話、りんたちが高熱で声が出ない多江を看病する」
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