退院前の家族説明に同席する新人ナースへ。立場・心構え・記録の書き方を全部教えます

退院前の家族説明に同席する新人ナースへ。立場・心構え・記録の書き方を全部教えます これで悩み解決!新人看護師向けに書きました

「退院前の病状説明に同席してください」って先輩に言われたとき、頭の中が「え?わたしが?何するの?」ってなった人、絶対いると思う。

今日はそんな新人ナースの疑問に、ぜんぶ答えていくよ。何を考えて、どんな立場で同席すればいいのか。そして記録には何を書けばいいのか。実際のケースをイメージしながら一緒に見ていこう。

みらい

みらい

先生が患者さんの家族に退院前の説明をするって聞いたんですけど、わたしも同席しないといけなくて…。何すればいいのか全然わかりません!

しーちゃん

しーちゃん

わかるよ、最初は本当に何しに行くのかわからないよね。でも同席には絶対に意味があるし、新人のうちから経験しておくと後々すごく役に立つよ。一緒に整理していこう!

① 同席前の不安、正直に言っていい

「先生の話についていけなかったらどうしよう」「何か聞かれたら答えられないかも」「そもそも何のためにいるの?」──この不安、全部正常だよ。

でも安心してほしいのは、新人ナースが退院前の家族説明に同席するのは「見学」でも「お手伝い」でもない。ちゃんとした目的がある。それを理解するだけで、同席中の自分の在り方がまったく変わってくる。

みらい

みらい

何のために同席するんですか?

しーちゃん

しーちゃん

一言で言うと「患者さんと家族の側にいるため」だよ。先生が説明する内容を、患者さんと家族がどう受け取っているか。どんな言葉が出てきたか。どんな表情だったか。それを見て、聞いて、感じて、記録するのが新人ナースの仕事。

② 新人ナースの「立場」はどこにあるか

患者・家族の代弁者として同席する

退院前の家族説明は、医師が主体。説明するのは先生の役割だ。では新人ナースは何者かというと──「患者さんと家族の側にいる人」として同席する。

医師の話に補足したり、専門的な意見を言ったりする必要はない(特に新人のうちは)。それより大事なのは「この患者さんはどんな気持ちでこの説明を聞いているのか」「家族は本当に理解できているのか」を観察すること。

新人ナースの同席中の役割

①患者・家族の反応・表情・言葉を観察する ②患者さんの不安や疑問が表れていないか注意して聞く ③家族の質問内容を把握する ④後のケアに活かすための情報を収集する ⑤「ナースがそこにいる」という安心感を提供する

「発言しなければいけない」という思い込みを捨てる

同席中に何も発言しなくても大丈夫。まず聞くことに集中する。ただし、先生が患者さんや家族に「この点について心配なことはありますか?」と確認する場面で、患者さんが言えていない不安をあなたが補足できるなら、それは立派な発言だよ。

例えば「〇〇さんは今朝、自宅での薬の飲み方が心配だとおっしゃっていました」と一言添えることで、家族説明がより患者中心のものになる。

しーちゃん

しーちゃん

同席の場って、先生と家族の「説明のやりとり」になりがちなんだよね。でもそこに「患者さんはこう感じてますよ」って橋渡しできるのがナースの存在意義。新人でも、患者さんの側にいた時間が長いぶん、その役割はちゃんとある。

みらい

みらい

先生と家族の間に立つというか、患者さんの味方として聞けばいいんですね。

しーちゃん

しーちゃん

そう!「患者さんならどう感じるかな」を常に頭の隅に置いて聞くだけで、全然違う聞き方になるよ。

③ 説明中、何を「聞く」のか

医師の言葉より、患者・家族の反応を見る

退院前の病状説明で先生が話す内容は、カルテや説明文書に記録される。だから新人ナースが「先生の話をメモしなきゃ」と必死になる必要はない。

新人ナースが集中すべきは、その説明を受けた患者さんと家族がどう反応したか、だよ。

  • 患者さんの表情は?うなずいていたか、難しそうな顔をしていたか
  • 説明の途中で目が泳いでいた場面はなかったか
  • 家族(娘さん)はどんな質問をしたか
  • 「大丈夫です」と言いながら表情が固かったりしていないか
  • 患者さん自身が何か言いたそうにしていたが言えていない場面はなかったか

「言葉」と「表情」のズレに注目!

「わかりました」と口では言っていても、表情が硬い・目が合わない・手が落ち着かないなどのサインがある場合は、本当は理解できていないか不安を抱えている可能性が高い。説明後のフォローにつなげよう。

患者さんが本当に理解しているかを確認する視点

高齢の患者さんや、緊張している患者さんは、医師の前では「わかった」と言ってしまうことがある。説明が終わった後、ベッドサイドで「先ほどの説明、わかりましたか?気になることはありますか?」と聞くのが大事なフォローアップ。同席中から「後でこの点を確認しよう」とアンテナを張っておこう。

みらい

みらい

説明自体の内容より、患者さんと家族の様子を観察するんですね。それなら新人でもできる気がしてきました。

しーちゃん

しーちゃん

そうそう!先生の言ってることが全部わからなくても大丈夫。「この人は今どんな気持ちかな」を見続けることが、新人でもできる一番大事な仕事だよ。

疑問はメモして、後で質問する勇気を持つ

説明中に「あ、これどういう意味だろう」と思う言葉が出てきたら、その場で聞けなくてもメモしておこう。説明が終わった後に先輩や医師に「あの場面で〇〇とおっしゃっていたのはどういう意味ですか?」と聞くのは全然恥ずかしいことじゃない。

むしろ「わからなかったことを放置しない」という姿勢が、患者さんへの正確なケアにつながる。同席後に「今日の説明で気になった点」を先輩に話す習慣をつけよう。

④ 記録には何を書くのか

書くべきは「患者と家族の言葉と反応」だけ

退院前の家族説明の記録で、新人がやりがちなのが「先生が〇〇と説明した」という医師の言葉を延々と書いてしまうこと。でも実はそれは、ナースの記録に書く必要はほとんどない。

ナースの記録で大切なのは、その説明を患者さんと家族がどう受け取ったか、という反応の記録だよ。

記録に書くべき内容

①患者さんの言葉(「わかりました」「家に帰るのが楽しみです」など) ②患者さんの表情・態度(終始うなずいていた、涙ぐんでいた、など) ③家族の言葉・質問(「退院後の薬はどう管理すればいい?」など) ④家族の表情・様子(熱心にメモを取っていた、安堵した様子だった、など) ⑤理解度の確認(患者・家族ともに内容を理解した様子であった、など)

記録の文例

医師より退院後の生活・内服管理・外来受診について説明。患者は終始うなずきながら傾聴し、表情は穏やか。「やっと家に帰れます、頑張ります」と発言あり。娘より「退院後の薬の管理はどうすれば?」「次の受診はいつ?」との質問があり、医師より回答された。娘も熱心にメモを取っており、説明内容を理解した様子。患者・家族ともに退院に向けて前向きな姿勢が確認できた。

記録で書かなくていいこと

・医師が説明した詳細な病名・検査値・治療内容(それは別の文書に残る) ・自分(ナース)の意見・評価・解釈(主観は入れない) ・「〇〇と思われる」などの推測表現(見た事実だけを書く)

しーちゃん

しーちゃん

記録って「何があったか」じゃなくて「患者さんがどうだったか」を書くものなんだよね。先生が何を説明したかより、患者さんがどう感じてどう反応したか、それだけでいい。

みらい

みらい

「患者さんの言葉と反応だけ書く」、すごくシンプルでわかりやすいです!

⑤ 今回のケースで学べること──緊急入院から元通り退院、熱心な娘さんと

このケースの背景

今回同席するのは、緊急入院したものの経過が良好で、ADL(日常生活動作)は入院前と変わらず、元通りの生活に戻れる患者さんの退院前説明。家族は娘さんで、患者さんのことをとても真剣に考えてくれている熱心な方。

このケース、実は新人ナースにとって「同席デビュー」に最適な場面かもしれない。なぜかというと、予後が良く、退院後の生活が見えやすいから。

このケースで観察すべきポイント

  • 患者さん自身は、退院をどんな気持ちで受け取っているか(安堵?不安?)
  • 「元通りの生活に戻れます」という説明を、患者さんはどう感じているか
  • 娘さんはどんなことを心配しているか(薬?次の受診?生活習慣?)
  • 娘さんの質問の量・内容から、家族の理解度・関与の度合いを把握する
  • 患者さんと娘さんの間に認識のズレはないか

熱心な家族がいるケースの特徴

娘さんのような熱心な家族は、たくさん質問をしてくれるため、説明の場が充実しやすい。一方で「患者さん自身の意向より家族の意向が強くなりすぎる」こともある。患者さんが「自分はこうしたい」と言いやすい雰囲気かどうかも観察しておこう。

「元通りの生活に戻れる」が患者さんにとって本当にゴールか

医師から「元通りに戻れます」と言われると、患者さんも家族もほっとするし、良いニュースに感じる。でもナースとして気をつけてほしいのは、「患者さん自身が、元通りの生活に自信を持っているかどうか」。

緊急入院を経験したことで「また急に具合が悪くなったら?」という不安が残る患者さんは多い。説明の中でそういう不安が言えているか、または飲み込んでいないかを見ておこう。

しーちゃん

しーちゃん

「元通りです」って言葉、患者さんにとっては「よかった」半分、「でも不安」半分のことがある。熱心な娘さんが質問してくれてる裏で、患者さん自身がどんな顔をしているかをちゃんと見てほしい。

みらい

みらい

娘さんが前に出てくれているとき、患者さんの表情を見る。なるほどです。

⑥ 同席中・後、質問する勇気を持って

わからないことは放置しない

同席中に専門用語が出て、意味がわからなかったとき。「先生に今聞いてもいい?」って迷うよね。基本的に、説明の流れを切らない方がいいから、同席中は無理に聞かなくていい。でも必ずメモして、後で聞こう。

聞く相手は先輩ナースでも医師でも、担当薬剤師でも誰でもいい。「今日の説明で〇〇という言葉が出てきたんですが、どういう意味ですか?」と聞ける新人は、確実に成長が早い。

同席後にしておくべきこと

①記録を速やかに書く(印象が鮮明なうちに) ②わからなかった言葉・内容を先輩に確認する ③患者さんのベッドサイドへ行き、「先ほどの説明はわかりましたか?」と一言確認する ④家族の心配事が解消できていなかった場合は、先輩に報告して連携する

患者さんへのベッドサイドフォローが最重要

家族説明の後、患者さんは一人になる時間がある。そのタイミングがとても大事。「さっきの説明、どうでしたか?何か気になることありましたか?」って声をかけるだけで、「実は…」と本音を話してくれることがある。

家族の前では言えなかったこと。先生の前では「わかりました」と言ってしまったこと。それが出てくる場所が、ベッドサイドでのナースとの会話。これが同席したナースの大切な仕事。

しーちゃん

しーちゃん

家族説明が終わった後、ベッドサイドに行って「どうでしたか?」って聞く。それができるかどうかで、同席した価値が全然変わってくるよ。

みらい

みらい

同席して終わりじゃなくて、その後のフォローが大事なんですね。

しーちゃん

しーちゃん

そう!同席はスタート地点。その場で何を感じたか・何を観察したかを、患者さんへのケアにつなげていくことが、ナースが同席する本当の意味なんだよ。

まとめ:退院前の家族説明同席で新人が押さえておきたいこと

退院前の家族説明への同席は、決して難しいものじゃない。「患者さんの側にいる人」として、その場で何が起きているかを見て・聞いて・感じることが仕事。

同席前・中・後のポイント整理

【同席前】担当患者さんの状態・退院の見通しを把握しておく
【同席中】患者・家族の言葉・表情・反応を観察する。わからないことはメモ。
【同席後】速やかに記録を書く。患者さんへのベッドサイドフォローを必ず行う。先輩への報告・疑問の確認も忘れずに。

記録に書くのは患者さんと家族の言葉・反応だけ。先生の説明をそのまま書く必要はない。

そしてわからないことは、勇気を持って先輩や医師に聞こう。「わかりません」と言える新人が、一番成長できるよ。

しーちゃん

しーちゃん

最初は同席しているだけで精一杯で、何も見えてない気がするかもしれない。でも経験を重ねるごとに見えてくるものが増えてく。だから怖がらずに、どんどん経験してみてね!

みらい

みらい

ありがとうございます!同席、頑張れそうです。患者さんの顔を見ながら聞いてみます。

しーちゃん

しーちゃん

それが一番大事!患者さんの顔を見て、患者さんの気持ちを代弁できるナースになろう。

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