この記事は、これから経験を積んでいく看護師さんの「伴走者」でありたいという思いで書いています。
今わからなくても、まったく問題ありません。
大切なのは「なぜそうするのか」を一つずつ理解していくこと。
あなたのペースで、いっしょに学んでいきましょう。
「SpO2(エスピーオーツー)」——新人看護師さんが、毎日のように測定する値ですよね。指にパチンと挟むだけで、患者さんの体の状態がわかる、とても便利な機械です。
でも、こんな話を聞いたことはありますか?
「SpO2のプローブ(センサー)を、同じ指につけっぱなしにしていたら、ヤケドや皮膚トラブルを起こすことがある」

えっ……あの指に挟むだけの機械で、ヤケド!? 知らなかったです。普通に測ってるだけなのに、どうしてですか?

そう思うよね。実は“つけっぱなし”には、ちゃんと注意が必要なの。今日はね、SpO2ってそもそも何なのか、なぜ皮膚トラブルが起きるのか、どう防げばいいのか、そして数値が下がったらどう動くのか——基本から実践まで、いっしょに整理していこう。知っておくと、患者さんを守れるし、自分の観察にも自信が持てるよ。
この記事を読むと、こんなことができるようになります
✔ SpO2が「何を測っている値なのか」を自分の言葉で説明できる
✔ 正常値と「危険な数値」の目安がわかる
✔ 持続装着でなぜ皮膚トラブル(やけど・圧迫)が起きるのかがわかる
✔ トラブルを防ぐ観察・ケアのポイントを押さえられる
✔ うまく測れないときの原因と対処、数値が下がったときの動き方がわかる
今日の結論:SpO2はとても大切な値ですが、同じ部位に長時間つけっぱなしにすると皮膚障害(圧迫・低温やけど)のリスクがあります。「測りっぱなし」にせず、定期的に装着部位を変え、皮膚を観察すること。そして数値の意味を理解して、変化に気づける看護師になること。これが患者さんを守る基本です。
- そもそもSpO2って、何を測っているの?
- SpO2の正常値と「危険な数値」の目安
- なぜ、つけっぱなしでヤケド・皮膚トラブルが起きるの?
- 見逃さないで!皮膚トラブルの早期サイン
- なぜ「90%」が危険ラインなの?
- 皮膚トラブルを防ぐためのケア
- プローブの種類と、正しい装着のしかた
- でも、なぜ24時間もつけ続けるの?
- SpO2を「過信」してはいけない場面
- 患者さんへの説明・声かけも忘れずに
- 患者さんによって、ここに注意
- SpO2がうまく測れない!そんなときは
- もしSpO2が下がっていたら?──落ち着いて動く手順
- 場面でイメージ──こんなふうに動けたら100点
- ついやりがちなNG対応
- よくある疑問Q&A
- まとめ──「測りっぱなし」にしない看護師に
- 🛒 しーちゃんのおすすめ情報
そもそもSpO2って、何を測っているの?
まずは基本から。SpO2は経皮的動脈血酸素飽和度(けいひてきどうみゃくけつさんそほうわど)といって、「血液の中のヘモグロビンが、どれくらい酸素と結びついているか」をパーセントで表した値です。
私たちの血液には、酸素を運ぶ「ヘモグロビン」という運び屋がいます。肺で酸素を受け取ったヘモグロビンが、全身の細胞に酸素を届けています。SpO2は、その運び屋のうち、何%が酸素を積んでいるかを示しているのです。
かんたんに言うと、「血液にちゃんと酸素が乗っているか」を、針を刺さずに(=経皮的に)測れる便利な指標です。

採血しなくても、指に挟むだけで酸素の状態がわかるって、すごいですよね。

そうなの。だからこそ、呼吸の状態を見るうえで欠かせない値なんだよ。プローブからは赤色光と赤外光という2種類の光が出ていて、指を通り抜けた光の量の違いから、酸素と結びついたヘモグロビンの割合を計算しているの。
SpO2でわかること・わからないこと
SpO2はとても便利ですが、万能ではありません。「酸素がどれくらい乗っているか」はわかっても、「呼吸の回数」や「二酸化炭素がたまっていないか」まではわかりません。
たとえば、呼吸が浅くて二酸化炭素がたまっていても、酸素投与をしているとSpO2は保たれて見えることがあります。だから数値だけを信じず、患者さんの呼吸の様子・顔色・意識など、全体を合わせて見ることが大切です。

「SpO2が98%だから大丈夫」と思っても、息が苦しそう、呼吸が速い……そんなときは要注意。数値は“いくつかある目印のひとつ”として見るのがコツだよ。
SpO2の正常値と「危険な数値」の目安
SpO2を測ったとき、その数値をどう読めばいいのでしょうか。目安を知っておくと、「これは大丈夫」「これは早く報告」の判断がしやすくなります。
SpO2の数値の目安(一般的な成人)
- 96〜99%:正常範囲
- 91〜95%:やや低め。注意して観察、原因を確認
- 90%以下:呼吸不全の目安。すみやかに報告・対応が必要
とくに90%は、ひとつの大事なラインです。SpO2が90%を下回ると、血液中の酸素がぐっと足りなくなっている可能性が高く、放置すると危険です。
注意:患者さんによって「目標値」は違う
慢性的に肺の病気がある方(COPDなど)は、あえてSpO2を高くしすぎない目標(例:88〜92%)が設定されていることがあります。「みんな96%以上が目標」とは限りません。必ずその患者さんの指示された目標値を確認しましょう。

数値の意味がわかると、見たときに「これはまずい」って気づけますね。今までただ記録してただけでした……。

記録するだけでも立派だよ。でも「この数値は何を意味するの?」が分かると、一段上の看護になる。とくに90%という数字は、頭の片隅に置いておいてね。
なぜ、つけっぱなしでヤケド・皮膚トラブルが起きるの?
一般病棟では一時的に測ることが多いSpO2ですが、心電図モニターと一緒に24時間持続でモニタリングしている患者さんもいます。問題は、同じ指にずっとプローブをつけっぱなしにしたときです。

なんで皮膚が傷ついちゃうんですか? 指に挟んでるだけなのに……。

理由は大きく2つあるの。ひとつは「圧迫」、もうひとつは「熱」だよ。
持続装着で皮膚トラブルが起きる主な理由
- 圧迫:同じ場所をずっと挟み続けることで血流が悪くなり、皮膚が傷む(医療関連機器圧迫創傷/MDRPU)
- 熱(低温やけど):プローブの光源(LED)からわずかに熱が出る。長時間・同一部位だと、低い温度でもじわじわ熱がたまりやけどに
- 末梢循環が悪い患者さん:もともと血流が少ないと、圧迫や熱の影響を受けやすい
- 知覚が鈍い・意思表示が難しい患者さん:「熱い・痛い」と訴えられず、発見が遅れやすい
「低温やけど」を甘く見ない
とくに気をつけたいのが低温やけどです。低温やけどは、熱湯のような高温ではなく、体温より少し高い程度(44℃前後)の温度でも、長時間触れ続けることで起こるやけどです。
じわじわと皮膚の奥まで熱が伝わるため、見た目は軽そうでも、実は深いところまでダメージが及んでいることがあります。カイロや湯たんぽでの低温やけどが有名ですが、医療機器でも同じことが起こりうるのです。

意識のない患者さんや、感覚が鈍くなっている患者さんは、自分で「痛い」「熱い」って言えないよね。だからこそ、私たち看護師が定期的に見にいって、気づいてあげる必要があるの。
見逃さないで!皮膚トラブルの早期サイン
皮膚トラブルは、早く気づけば軽く済みます。プローブを装着している部位は、毎回ていねいに観察しましょう。
装着部位でチェックしたい皮膚のサイン
- 発赤:赤くなっていないか(押しても消えない赤みは要注意)
- 水疱(みずぶくれ):やけどのサイン
- 色の変化:白っぽい・紫っぽい・黒っぽい(血流低下)
- 冷たさ・腫れ:循環障害のサイン
- びらん・表皮剥離:皮膚がむけていないか

「赤くなってないかな」って見るだけでも、早期発見につながるんですね。

そう。とくに“押しても消えない赤み”は、皮膚が傷み始めているサイン。見つけたら、装着部位を変えて、先輩に報告しよう。早く気づけたあなたが、患者さんを守ったってことだよ。
なぜ「90%」が危険ラインなの?
SpO2の目安で「90%以下は要対応」とお伝えしました。では、なぜ96%から少し下がるくらいは様子を見られるのに、90%付近になると急に危険なのでしょうか。ここには、知っておくと納得できる体のしくみがあります。

たしかに……。95%も90%も、たった5の差なのに、そんなに違うんですか?

それがね、大きく違うの。キーワードは「酸素解離曲線(さんそかいりきょくせん)」。むずかしい名前だけど、イメージだけつかめば大丈夫だよ。
体の中で「血液中の酸素の量(PaO2)」と「SpO2」の関係をグラフにすると、まっすぐな直線ではなく、ゆるやかなカーブ(S字)を描きます。
このカーブは、SpO2が高いところ(96〜100%付近)ではゆるやかで、多少酸素が減ってもSpO2はあまり下がりません。ところが、SpO2が90%あたりを境に、カーブが急な下り坂になります。つまり、90%を下回ると、ほんの少しの悪化でもSpO2が一気にストンと下がってしまうのです。
イメージでつかもう
SpO2 96〜100%=「なだらかな坂道」。少しの変化ではあまり動かない。
SpO2 90%付近=「崖(がけ)のふち」。ここを越えると一気に転落する。
だから「90%」は、転落が始まる前に気づきたい大事なラインなのです。

だから90%が大事なんですね! 「もう少し下がっても平気かな」じゃなくて、90%に近づいた時点で危ない、ってことか……。

そのとおり。90%に近づいてきたら「そろそろ崖だぞ」って身構える。この感覚を持てると、対応がワンテンポ早くなって、患者さんを守れるの。数字の“裏”にあるしくみまで知ると、看護はぐっと面白くなるよ。
皮膚トラブルを防ぐためのケア
では、具体的にどうすれば防げるのでしょうか。むずかしいことはありません。「定期的に・見て・変える」が基本です。
SpO2持続装着で気をつけるケア
- 定期的に装着部位を変える:施設の基準に沿って(例:8時間ごとなど)指を替える
- 装着部位の皮膚を観察:発赤・水疱・色の変化・冷感がないか
- 一時的に外して休ませる:可能なタイミングで皮膚を解放する
- きつく巻きすぎない:固定テープの締めすぎに注意
- 循環の悪い四肢を避ける:点滴・麻痺側・浮腫のある側は避ける配慮

「測れていればOK」じゃなくて、ちゃんと皮膚も見にいくんですね。

そう。数値を見るのと、装着している“指そのもの”を見るのは別の仕事なの。交換のタイミングは施設ごとにルールがあるから、まずは自分の病棟の基準を確認しておこうね。
ここがポイント
SpO2は「つけて終わり」ではありません。
数値の確認+装着部位の観察+部位交換、この3つでワンセット。
機械まかせにせず、皮膚を“見る目”を持つことが、患者さんを守ります。
プローブの種類と、正しい装着のしかた
SpO2のプローブにはいくつか種類があり、患者さんの状態に合わせて選びます。正しく装着することは、皮膚トラブルの予防にも、正確な測定にもつながります。
プローブの主な種類
- クリップ型:指に挟むタイプ。一時的な測定でよく使う
- テープ(ラップ)型:巻きつけて固定。持続モニタリング向き。新生児や小児にも
- 装着部位:指(手・足)、耳たぶ、額など。指が使えないときは別部位も検討
正しい装着の基本
発光部(光が出る側)と受光部(光を受ける側)が、指を挟んできちんと向かい合うように装着します。光がずれると正しく測れません。また、爪のある側に発光部がくるように当てるのが基本です。

テープ型をぐるぐる強く巻くと、それだけで血流が悪くなって皮膚トラブルや誤った低値の原因になるの。「ずれない、でも締めすぎない」。このさじ加減が大事だよ。

巻き方ひとつで、皮膚にも数値にも影響するんですね。ていねいに装着します。
でも、なぜ24時間もつけ続けるの?
「皮膚トラブルのリスクがあるなら、外しておけばいいのでは?」と思うかもしれません。でも、持続モニタリングには、ちゃんと理由があります。
SpO2を持続でモニタリングする理由(例)
- 呼吸状態が不安定で、急な低下を早く察知する必要がある
- 術後・鎮静中など、呼吸が抑制されるリスクがある
- 酸素投与の効果をリアルタイムで確認したい
- 夜間や睡眠中の無呼吸・低酸素を見逃さないため

SpO2の急な低下は、患者さんの状態が悪くなる“サイン”であることが多いの。だから「皮膚を守ること」と「モニタリングを続けること」、その両方を両立させる工夫が必要なんだ。外しっぱなしじゃなくて、“部位を変えながら続ける”んだよ。

なるほど。守るために外すんじゃなくて、守りながら続ける工夫なんですね。
SpO2を「過信」してはいけない場面
SpO2はとても便利ですが、「数値が正常=絶対に安全」とは限らない場面があります。新人さんがここを知っておくと、思わぬ落とし穴を避けられます。
SpO2が当てにならない・注意が必要な場面
- 一酸化炭素(CO)中毒:COがヘモグロビンに結びつくと、酸素がなくてもSpO2が高く表示されてしまう(火災・煙の事故など)
- 重度の貧血:ヘモグロビン自体が少ないと、%が高くても酸素の総量は不足していることがある
- 強い末梢冷感・ショック:血流が乏しく、正しい値が出にくい
- 異常ヘモグロビン血症:特殊な状態では数値が実態とずれる

SpO2が高く出てても、本当は危ない場合があるんですね……。こわい。

そうなの。とくにCO中毒は要注意。「数値はいいのに様子がおかしい」ってときは、数値を疑う勇気も必要。だからこそ、患者さんそのものを見る観察が大事になるの。
もちろん、こうした特殊な場面は日常的に多いわけではありません。でも「SpO2は万能ではない」と頭の片隅に置いておくだけで、いざというときの判断が変わります。
患者さんへの説明・声かけも忘れずに
意識のある患者さんにとって、指に何かを挟まれ続けるのは、地味にストレスです。とくに持続モニタリング中は、こまめな声かけが安心につながります。
そのまま使える声かけ例
・装着時:「指に挟んで、酸素の状態を見させてくださいね。痛くないですよ」
・部位交換時:「同じ指だと負担になるので、別の指に替えますね」
・違和感の確認:「挟んでいるところ、熱い感じや痛みはないですか?」
・外すとき:「少しだけ外して、指を休ませますね」

「熱くないですか?」って聞くだけでも、早く異変に気づけそうですね。

そう。話せる患者さんなら、その一言が立派なセンサーになるの。そして「ちゃんと見てくれている」という安心にもつながる。観察とケアと声かけは、ぜんぶつながっているんだよ。
患者さんによって、ここに注意
SpO2の管理は、患者さんの年齢や状態によって、気をつけるポイントが少しずつ変わります。代表的なものを知っておきましょう。
患者さんの状態別・注意点
- 新生児・小児:皮膚が薄くデリケート。プローブの圧迫や熱の影響を受けやすく、より頻回な部位交換・観察が必要
- 高齢者:皮膚が薄く血流も低下しがち。低温やけど・圧迫創傷のリスクが高い
- 浮腫のある患者さん:むくんだ部位は循環が悪く、皮膚も傷みやすい
- 意識障害・鎮静中の患者さん:「熱い・痛い」を訴えられないため、観察が頼り
- 末梢循環の悪い患者さん:測定しにくく、皮膚トラブルも起きやすい

同じSpO2の測定でも、相手によってこんなに気をつけることが違うんですね。

そう。とくに皮膚が薄い新生児や高齢者は要注意。「この患者さんはリスクが高いな」と思ったら、交換や観察の頻度を上げる。相手に合わせて調整できるのが、本当の意味でのケアなんだよ。
マニュアルどおりに「8時間ごと」と決まっていても、リスクの高い患者さんではもっとこまめに見る——。そうした“ひと工夫”が、トラブルを未然に防ぎます。
SpO2がうまく測れない!そんなときは
SpO2は便利な反面、うまく測れないこともあります。「値が出ない」「明らかに低く出る」ときは、本当に酸素が下がっているのか、測定の問題なのかを見分ける必要があります。
正しく測れない主な原因
- 手足の冷え・末梢循環不全:血流が少なく波形が拾えない
- マニキュア・ジェルネイル:光が通らず正しく測れない
- 体動・ふるえ:波形が乱れて数値が安定しない
- 強い外光:直射日光や強い照明が干渉することがある
- プローブのずれ・汚れ:装着位置の確認を
- 血圧測定中の同側:マンシェットで圧迫され値が出ないことも

前に値が出なくて焦ったんですけど、よく見たら手が冷たかったんです。あれも原因だったんですね。

そうそう。そんなときは手を温めたり、マニキュアのない指に替えたり、波形がちゃんと出ているか確認したり。「数値が変だな」と思ったら、まず“測定の条件”を疑ってみるのも大事。
「測定の問題」か「本当の低下」か、見分けるコツ
ただし、いつも「機械のせい」と片づけるのは危険です。波形(脈波)がきれいに出ているのに数値が低いなら、本当に酸素が下がっている可能性があります。必ず患者さんの様子(呼吸・顔色・意識)と合わせて判断しましょう。
迷ったときの考え方
「数値が低い」+「患者さんも苦しそう・呼吸が速い・顔色が悪い」→ 本当の低下を疑い、すぐ報告
「数値が低い」+「患者さんは元気・波形が乱れている・手が冷たい」→ まず測定条件を整え直す
もしSpO2が下がっていたら?──落ち着いて動く手順
実際にSpO2が下がっていたとき、新人さんはパニックになりがちです。でも、やることは決まっています。順番に動けば大丈夫です。
SpO2低下時の基本対応
- 患者さんを見る:呼吸・顔色・意識・苦しさを確認(数値より患者さん)
- 測定条件を確認:プローブのずれ・冷感・体動がないか
- 体位を整える:上体を起こすと呼吸が楽になることが多い
- 応援・報告:いつもと違えば、ためらわず先輩・医師へ
- 酸素投与の指示を確認:勝手に流量を変えず、指示のもとで対応

数値だけ見て慌てるんじゃなくて、まず患者さんを見るんですね。

そう。モニターの数字より、目の前の患者さんが先。そして「おかしいな」と思ったら、一人で抱えずすぐ報告。早く動けることが、いちばんの実力だよ。
場面でイメージ──こんなふうに動けたら100点
ここまでの流れを、実際の場面でイメージしてみましょう。
(場面:夜勤。持続モニタリング中のBさん。アラームが鳴り、SpO2が88%と表示されている)

(心の声:数値より、まず患者さん)Bさん、お加減いかがですか?……呼吸は落ち着いていて、顔色も悪くない。あれ、手が冷たいな。
(みらいちゃんはプローブを確認。指が冷たく、波形も乱れていた。温かい指に付け替えると、SpO2は97%に回復した)

しーちゃん、Bさんは呼吸も顔色も問題なくて、手が冷たくて波形も乱れていました。指を替えたら97%に戻りました。念のため報告しますね。

完璧な動きだったよ。数値に振り回されず、患者さんを見て、条件を整えて、ちゃんと報告もした。もし本当に下がっていたら、その観察がBさんを救っていたはずだよ。

数値の裏で何が起きているかを考える……少しずつわかってきました!
ついやりがちなNG対応
最後に、忙しさや慣れから、つい新人さんがやってしまいがちな対応を整理しておきます。
気をつけたいNG対応
- 数値だけ記録して、装着部位を見ない → 皮膚トラブルを見逃す
- 低い数値を「機械のせい」と決めつける → 本当の低下を見逃す
- 同じ指につけっぱなしで放置 → 圧迫・低温やけどの原因
- テープを強く巻きすぎる → 血流低下・誤った低値
- 異変に気づいても「様子見」で報告が遅れる → 対応が後手に
よくある疑問Q&A
Q. SpO2が96%あれば、呼吸は絶対大丈夫?
A. いいえ。SpO2が保たれていても、呼吸が浅い・回数が多い・二酸化炭素がたまっていることもあります。数値+呼吸の様子をセットで見ましょう。
Q. 装着部位はどのくらいで変えればいい?
A. 施設の基準によりますが、8時間ごとなど定期的な交換が一般的です。循環が悪い方やリスクの高い方は、より頻回な観察・交換を。必ず自分の病棟のルールを確認してください。
Q. マニキュアはどうしても外さないとダメ?
A. 濃い色やジェルネイルは測定の妨げになります。外せない場合は、爪を避けて横から挟めるプローブや、別部位(耳たぶなど)での測定を検討します。
まとめ──「測りっぱなし」にしない看護師に
SpO2は、針を刺さずに酸素の状態がわかる、とても頼もしい味方です。でも、便利だからこそ「つけて終わり」になりがち。持続装着では、皮膚障害(圧迫・低温やけど)のリスクがあることを忘れないでください。
この記事のポイント
- SpO2は「血液に酸素がどれくらい乗っているか」を示す値
- 正常は96〜99%、90%以下は要対応(目標値は患者さんごとに確認)
- 同じ部位の持続装着は、圧迫・低温やけどのリスクがある
- 「定期的な部位交換・皮膚観察・一時解放」で防ぐ
- 発赤・水疱・色の変化など、皮膚のサインを早期発見
- うまく測れないときは測定条件を、でも本当の低下も疑う
- 低下時は「数値より患者さん」を見て、早めに報告

これからは数値だけじゃなくて、ちゃんと“指”も“患者さん”も見ます! 患者さんが言えない分、私が気づけるようになりたいです。

その気持ちがあれば大丈夫。「測りっぱなしにしない」——それだけで、防げるトラブルがたくさんあるの。みらいちゃんはもう、立派に患者さんを守れているよ。
最初は、機械の数値を読むだけで精いっぱいかもしれません。
でも「その値の裏で、患者さんの体に何が起きているか」を想像できるようになると、看護はもっと深くなります。
あなたのその“気づく目”は、患者さんの安全を守る大きな力です。
あせらず、一つずつ身につけていきましょう。
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