このページを読むと…
✅ 朝ドラ「風、薫る」第29話の流れがわかる
✅ シマケンの夢と、りんとの会話を看護師目線で整理できる
✅ 多江の縁談・退学宣言・倒れる場面から生活背景を見る大切さがわかる
✅ 心身の限界が出る前のサインを新人看護師目線で考えられる
✅ 患者さんや同僚の「大丈夫」の奥を見る観察力が学べる

しーちゃん、第29話は多江さんが心配でした。急に養成所を辞めるって言い出して、その後に倒れてしまって…。それまでの強気な姿とのギャップが大きかったです。

うん。第29話は、看護師目線で見ると「人は症状だけで倒れるわけではない」と感じる回だったよ。体の不調の背景には、家庭、社会、進路、役割、プレッシャーが絡んでいることがある。多江さんの異変は、まさに生活背景と心身の限界が重なって見える場面だったね。
- 朝ドラ「風、薫る」第29話のあらすじ
- ナース目線ポイント①:シマケンの夢は“その人らしさ”を見るヒント
- ナース目線ポイント②:「夢」を聞くことは退院支援にもつながる
- ナース目線ポイント③:多江の縁談は“健康を左右する社会的背景”
- ナース目線ポイント④:「辞めます」は本音か、SOSか
- ナース目線ポイント⑤:倒れる前のサインを見逃さない
- ナース目線ポイント⑥:強い人ほど「大丈夫」と言いやすい
- ナース目線ポイント⑦:ストレスは身体症状として出ることがある
- ナース目線ポイント⑧:仲間の異変に気づく力も看護チームの安全
- ナース目線ポイント⑨:社会的な役割がその人を追い詰めることがある
- ナース目線ポイント⑩:第29話は“人を背景ごと看る”回
- 新人看護師さんが第29話から学べること
- 先輩看護師・指導者に伝えたいこと
- 第29話を看護師目線で読み解くと
- よくある質問
- まとめ:第29話は“背景ごと人を看る”回
- 🛒 しーちゃんのおすすめ情報
朝ドラ「風、薫る」第29話のあらすじ
第29話では、りんが休日に町へ出かけ、シマケンと話す場面から物語が広がります。
シマケンは活字を拾う仕事をしながら、小説家になる夢を持っています。りんは、シマケンの働く姿や言葉に触れ、文字を拾う仕事と、思いを言葉にしていく夢の間にあるひたむきさを感じます。
一方で、看護婦養成所では多江に大きな変化が起こります。
多江は、家から縁談の話が来ていることを抱えています。看護婦になるために学んでいる途中であっても、当時の女性にとって家の事情や結婚は、自分の進路を左右する大きな力でした。
そして多江は、養成所を辞めると言い出します。りんたちは驚きます。これまで多江は、厳しいバーンズ先生の授業にも食らいつき、時に不満を言いながらも、自分の考えを強く持っていた人物です。その多江が、突然辞めると言う。その裏には、本人だけではどうにもできない家庭や社会の圧力が見え隠れします。
さらに、多江は倒れてしまいます。
看護を学ぶ生徒たちにとって、仲間が目の前で倒れることは大きな衝撃です。これは単なる体調不良の場面ではありません。多江の心身が限界に近づいていたこと、そして周囲がそのサインをどこまで見ていたのかが問われる場面でもあります。
第29話は、シマケンの夢と多江の危機を通して、人が抱える背景、夢、負担、そして限界をどう見つめるかを考えさせる回でした。

多江さん、気が強い人に見えていたけど、本当はかなり追い詰められていたのかもしれませんね。

そうだね。看護師は、表に出ている態度だけでその人を判断しないことが大事だよ。強く見える人ほど、弱音を言えないまま限界に近づくことがあるからね。
ナース目線ポイント①:シマケンの夢は“その人らしさ”を見るヒント
第29話では、シマケンが活字を拾う仕事をしながら小説家を目指していることが描かれます。
看護師目線で見ると、ここには「その人らしさ」を見るヒントがあります。
人は、今している仕事や今置かれている立場だけで成り立っているわけではありません。目の前の患者さんにも、これまでの人生、好きなこと、諦めたこと、これから叶えたいこと、大切にしている価値観があります。
入院中の患者さんは、病院では「患者さん」として見られます。でも、その人は病院の外では、親であり、子であり、働く人であり、趣味を持つ人であり、地域の中で役割を持つ人です。
シマケンも、ただの活字工ではありません。文字を扱う仕事をしながら、物語を書く夢を持っている人です。
看護師が患者さんを見る時も、病名や症状だけでなく、「この人は何を大切にしているのか」を知ることがケアにつながります。
たとえば、退院後に畑仕事へ戻りたい人、孫の結婚式に出たい人、もう一度自分で歩いてトイレに行きたい人、家族に迷惑をかけたくない人、仕事復帰をしたい人。それぞれの思いによって、看護の目標や声かけは変わります。
シマケンの夢を見るりんのまなざしは、「人をその人の物語ごと見る」看護につながっていると感じます。

患者さんの目標って、ADLや退院日だけじゃないんですね。その人が何を取り戻したいのかを見ることが大事なんだ。

そうだよ。看護計画の目標は、数字だけではなく、その人の生活や希望につながっていると強くなる。病気を看るだけでなく、その人の物語を見ることが大切だね。
ナース目線ポイント②:「夢」を聞くことは退院支援にもつながる
シマケンの「小説家になりたい」という夢は、単なる若者の憧れとして描かれているだけではありません。
夢を持つことは、人が生きる力を保つうえで大切です。
看護の現場でも、患者さんの希望や目標を聞くことがあります。何のためにリハビリを頑張るのか。退院したら何をしたいのか。治療を受けながら、どんな生活を守りたいのか。
もちろん、すべての夢がすぐ叶うわけではありません。病状によっては、以前と同じ生活に戻れないこともあります。治療の選択によって、諦めなければならないものもあります。
それでも、患者さんが何を望んでいるのかを聞くことは大切です。
「歩けるようになる」だけではなく、「家の台所に立ちたい」
「食べられるようになる」だけではなく、「家族と同じ食卓につきたい」
「退院する」だけではなく、「自分の布団で眠りたい」
こうした具体的な希望が見えると、看護師は支援の方向を考えやすくなります。
シマケンの夢は、りんにとっても刺激になります。看護婦になる自分の道、相手の夢を支える視点、言葉を持つことの力。第29話の町の場面は、りんの看護観を少し広げる時間でもありました。

退院支援って、制度や家の環境だけを見るものだと思っていました。でも、その人の希望も聞かないと、本当の支援にならないですね。

その通り。生活支援は、できることを並べるだけでは足りない。その人が何を大事にして暮らしたいのかを知ることで、支援はその人らしくなるよ。
ナース目線ポイント③:多江の縁談は“健康を左右する社会的背景”
第29話で多江を揺さぶるのは、縁談です。
現代の感覚では、本人が学びたいなら学び続ければいいと思うかもしれません。でも当時の女性にとって、家の意向や結婚は、自分の人生を大きく左右するものでした。多江がどれだけ看護婦を目指したいと思っていても、家の都合や社会の価値観が、それを簡単に許さないことがあります。
看護師目線で見ると、これは「社会的背景が健康に影響する」場面です。
患者さんの健康は、身体の中だけで決まりません。
家族関係。
経済状況。
仕事。
介護負担。
住環境。
教育。
性別役割。
地域の支援。
孤立。
こうした背景が、体調、治療継続、受診行動、服薬、食事、睡眠、精神状態に影響します。
多江の場合、縁談はただのイベントではありません。自分の意思、家族の期待、女性としての役割、看護婦になる夢、養成所での学びがぶつかる重大な出来事です。そこに強いストレスがかかれば、心身に影響が出ても不思議ではありません。
看護師は、患者さんや同僚の不調を見た時、身体症状だけでなく背景を見る必要があります。
「なぜ今、体調を崩したのか」
「何がその人を追い詰めているのか」
「本人の意思だけでは動かせない力があるのか」
多江の縁談は、看護における生活背景の重要性を見せてくれます。

体調不良って、病気だけが原因じゃないんですね。家庭や役割のプレッシャーも関係する。

そう。看護師は体を見るけれど、体だけを見るわけではないの。生活の中で何がその人を支え、何が負担になっているかを見ることが大切だよ。
ナース目線ポイント④:「辞めます」は本音か、SOSか
多江は養成所を辞めると言い出します。
この言葉をそのまま受け取れば、「本人が辞めたいと言っている」と見えるかもしれません。でも看護師目線では、こうした言葉の奥を考えたくなります。
それは本当に本人の意思なのか。
追い詰められた末の言葉なのか。
家族からの圧力を一人で抱えているのか。
助けてほしいと言えない代わりの表現なのか。
今は考える力が落ちるほど疲れているのか。
看護の現場でも、患者さんや同僚が強い言葉を出すことがあります。
「もう治療したくない」
「退院したい」
「どうでもいい」
「辞めたい」
「もう無理です」
もちろん、その言葉を軽く扱ってはいけません。本人の意思として尊重する必要があります。でも同時に、その言葉が出た背景を丁寧に見ることも大切です。
強い言葉は、SOSであることがあります。
多江は、普段から自分の考えを強く持つ人です。その多江が突然辞めると言う時、周囲は驚くだけでなく、「何がそこまで言わせているのか」を考える必要があります。
第29話は、言葉の表面だけでは人を理解できないことを教えてくれます。

患者さんが「もういいです」って言う時、どう受け止めたらいいかわからないことがあります。

まずは否定せず受け止めること。そして、「そう思うくらいつらいんですね」「何が一番苦しいですか」と背景を聞くことが大切だよ。強い言葉の奥に、痛みや不安が隠れていることがあるからね。
ナース目線ポイント⑤:倒れる前のサインを見逃さない
第29話で多江は倒れてしまいます。
看護師として気になるのは、倒れる前にどんなサインがあったのかです。
顔色はどうだったか。
表情は硬くなっていなかったか。
食事は取れていたか。
睡眠はどうだったか。
会話量は変わっていなかったか。
いつもより苛立ちが強くなっていなかったか。
動きが遅くなっていなかったか。
息切れやふらつきはなかったか。
急に「辞める」と言った背景に体調不良はなかったか。
もちろん、物語の中で全てが描かれているわけではありません。でも、看護師目線では、倒れる前の小さな変化に意識が向きます。
現場でも、患者さんや同僚が急に倒れる前に、何らかのサインが出ていることがあります。
食事量の低下。
水分摂取不足。
睡眠不足。
立ちくらみ。
顔面蒼白。
返答の遅さ。
普段と違う言動。
焦燥感。
無理な活動。
新人看護師さんは、こうした変化を「なんとなく変」と感じても、自信がなくて報告をためらうことがあります。でも、その違和感は大切です。
「いつもより顔色が悪いです」
「朝から水分が取れていません」
「会話量が急に減っています」
「立ち上がり時にふらついていました」
具体的に伝えれば、チームで早めに対応できます。

倒れてから気づくと、もっと早く見られたかもって思ってしまいます。

そうだね。でも自分を責めるだけではなく、次にどう観察するかにつなげることが大事。倒れる前のサインを拾う力は、経験と振り返りで育っていくよ。
ナース目線ポイント⑥:強い人ほど「大丈夫」と言いやすい
多江は、これまで強気で、はっきり物を言う人物として描かれてきました。
だからこそ、周囲は多江の弱さに気づきにくかったかもしれません。
現場でも同じことがあります。
いつも明るい患者さん。
文句を言わずに我慢する患者さん。
しっかり者の家族。
頼りになる先輩。
強気な同僚。
こうした人たちは、「大丈夫そう」に見えます。でも、強く見える人が本当に大丈夫とは限りません。
人は、自分の役割に合わせて振る舞うことがあります。しっかり者でいなければならない。弱音を吐いてはいけない。周囲に迷惑をかけたくない。強く見られているから、今さら助けを求められない。
その結果、限界まで抱え込むことがあります。
看護師は、患者さんや家族、同僚の「大丈夫」をそのまま安心材料にしすぎないことが大切です。
「大丈夫」と言った時の表情。
声の力。
目線。
動作。
食事量。
睡眠。
いつもとの違い。
言葉と身体のサインを合わせて見る必要があります。
多江のように強く見える人ほど、倒れる前に助けを出せなかった可能性があります。そこに気づく目が、看護師には求められます。

「大丈夫です」って言われると、つい安心してしまいます。

言葉は大事。でも言葉だけでは判断しないことも大事だよ。患者さんの「大丈夫」と身体の状態が合っているかを見るのが看護師の観察だね。
ナース目線ポイント⑦:ストレスは身体症状として出ることがある
多江の倒れる場面は、ストレスと身体のつながりを考えさせます。
強い心理的ストレスがあると、身体にも影響が出ます。
食欲が落ちる。
眠れなくなる。
動悸がする。
頭痛が出る。
胃腸の不調が出る。
めまいや立ちくらみが起こる。
疲労感が抜けない。
集中力が落ちる。
もちろん、症状があれば身体疾患の可能性も考える必要があります。心理的なものだと決めつけるのは危険です。倒れたなら、バイタルサイン、意識状態、脱水、貧血、低血糖、感染、心疾患、神経症状など、医学的な評価が必要です。
そのうえで、背景にストレスや生活上の負担があるかも見る。
これが看護師の視点です。
「精神的なものですね」と簡単に片づけるのではありません。
「身体の異常はないから大丈夫」と終わるのでもありません。
身体と心、生活背景を合わせて見ることが必要です。
多江の縁談、退学宣言、倒れるという流れは、心身が切り離せないことを示しています。

ストレスで倒れたのかなと思っても、身体の確認は絶対に必要なんですね。

そう。ストレスが関係していても、身体評価を飛ばしてはいけない。まず安全確認と医学的な観察。その上で背景を見る。この順番が大事だよ。
ナース目線ポイント⑧:仲間の異変に気づく力も看護チームの安全
第29話で多江が倒れる場面は、患者さんの観察だけでなく、仲間の観察についても考えさせます。
看護師は患者さんを看ます。でも、チームで働く以上、仲間の状態にも気づく必要があります。
新人看護師さんがいつもより元気がない。
同期が「辞めたい」と言う。
先輩が明らかに疲れている。
誰かがミスを繰り返している。
休憩が取れていない。
表情が硬い。
報告が少なくなっている。
こうしたサインは、チームの安全にも関わります。
疲れやストレスが強いと、判断力や注意力が落ちます。報告が遅れたり、確認が抜けたり、患者さんへの声かけが雑になったりすることがあります。
だから、仲間の異変に気づくことは、単なる優しさではなく、患者安全にもつながります。
もちろん、同僚のプライベートに踏み込みすぎる必要はありません。でも、「大丈夫?」「少し顔色が悪いよ」「休憩取れてる?」「一緒に確認しようか」と声をかけるだけで、支えになることがあります。
第29話の多江は、仲間たちにとっても大切な学びの存在です。倒れた多江を見ることで、りんたちは「人の異変に気づくこと」の重みを知っていくのだと思います。

同僚の不調に気づいても、どこまで声をかけていいか迷います。

まずは軽く、具体的に声をかけるといいよ。「顔色が悪く見えるけど、水分取れてる?」みたいにね。詮索ではなく、安全確認として関わることが大切だよ。
ナース目線ポイント⑨:社会的な役割がその人を追い詰めることがある
多江は、家や縁談という社会的な役割に揺さぶられています。
これは、現代の看護にも通じます。
患者さんは、病気になっても社会的役割から完全に自由になるわけではありません。
家族を支えなければならない。
仕事を休めない。
介護を担っている。
母親として頑張らなければならない。
長男だから家のことを決めなければならない。
高齢の親に心配をかけたくない。
職場に迷惑をかけたくない。
こうした役割が、その人を支えることもあれば、追い詰めることもあります。
看護師は、「患者さん」という役割だけでなく、その人が病院の外で担っている役割を見る必要があります。
多江の苦しさは、看護婦を目指す自分と、家の期待に応える自分の間で引き裂かれるところにあります。これは、自己決定が簡単ではない状況です。
患者さんが治療方針や退院先を決める時も、本人の意思だけでなく、家族、経済、介護力、社会制度が影響します。
「本人がこう言ったから」で終わらず、その言葉がどんな圧力の中で出ているのかを見ることが大切です。

本人の希望を聞くことは大事だけど、その希望が本当に本人のものなのかを見る視点も必要なんですね。

そうだね。自己決定は、ただ選択肢を渡せば成立するものではないの。その人が安心して選べる状況があるか、周囲の圧力が強すぎないかを見ることも看護の役割だよ。
ナース目線ポイント⑩:第29話は“人を背景ごと看る”回
第29話のテーマを看護師目線でまとめるなら、「人を背景ごと看る」回です。
シマケンは、活字を拾う人であり、小説家を目指す人です。
多江は、強気な生徒であり、縁談に揺れる女性です。
りんは、仲間の異変に驚きながら、人の背景を見る力を育てていく人です。
誰も一つの肩書きだけでは説明できません。
看護師が患者さんを看る時も同じです。
疾患名だけでは、その人は見えません。
検査値だけでは、その人の生活は見えません。
「大丈夫」という言葉だけでは、本当の限界は見えません。
「辞めたい」「帰りたい」「もういい」という言葉だけでは、その奥のSOSは見えません。
人を背景ごと看るとは、その人の体、心、生活、役割、夢、負担、関係性を合わせて見ることです。
第29話では、シマケンの夢と多江の危機が並んで描かれます。夢も背景。重荷も背景。どちらも人を理解するために欠かせないものです。

同じ「背景」でも、夢みたいに支えになるものもあれば、縁談みたいに負担になるものもあるんですね。

その通り。背景はリスクにも強みにもなる。看護師は、その人を苦しめているものだけでなく、その人を支えているものも見ることが大切だよ。
新人看護師さんが第29話から学べること
第29話から新人看護師さんが学べることは、たくさんあります。
まず、患者さんや同僚の言葉をそのまま受け取りすぎないことです。
「大丈夫」「辞めたい」「帰りたい」「もういい」などの言葉には、その奥に不安、疲れ、怒り、諦め、助けてほしい気持ちが隠れていることがあります。否定せずに受け止め、背景を聞く姿勢が大切です。
次に、倒れる前のサインを見ることです。
顔色、食事量、水分摂取、睡眠、会話量、表情、動作、ふらつき、集中力、いつもとの違い。小さな変化を具体的に観察し、チームへ共有しましょう。
三つ目は、生活背景を聞くことを恐れすぎないことです。
家庭、仕事、介護、経済、退院後の生活は、患者さんの健康に関わります。ただし、聞く時は目的を伝え、答えたくないことは無理に聞かない配慮が必要です。
四つ目は、強い人ほど限界を隠すことがあると知ることです。
強気な人、しっかり者、我慢強い人ほど、周囲に助けを求めにくいことがあります。表情や身体のサインも合わせて見ましょう。
五つ目は、その人の夢や希望も聞くことです。
何が負担かだけでなく、何が支えかも大切です。退院後にしたいこと、大切にしている役割、会いたい人、戻りたい生活。そこに看護の目標が見えてくることがあります。

第29話は、観察って体調だけじゃなくて、その人の生活や言葉の奥まで見ることなんだと感じました。

そうだね。看護師の観察は、体のサインと生活のサインをつなげる力でもあるよ。新人さんは最初から完璧じゃなくていいから、「いつもと違う」を丁寧に拾っていこう。
先輩看護師・指導者に伝えたいこと
第29話は、指導者にとっても重要な回です。
新人さんが「辞めたい」「無理です」「向いていません」と言った時、すぐに励ますだけで終わっていないでしょうか。
「みんなそうだよ」
「そのうち慣れるよ」
「頑張って」
こうした言葉が救いになることもあります。でも、相手が本当に追い詰められている時には、少し足りないことがあります。
大切なのは、背景を聞くことです。
何が一番つらいのか。
いつからそう感じているのか。
食事や睡眠は取れているのか。
誰かに相談できているのか。
仕事以外の負担が重なっていないか。
身体症状は出ていないか。
新人さんや同僚の不調は、本人の弱さだけで説明できるものではありません。勤務環境、人間関係、家庭の事情、学習負担、睡眠不足、健康状態などが重なります。
指導者は、表面の言葉だけで評価せず、必要なら休ませる、相談につなげる、業務量を調整する、教育担当者や管理者と共有するなどの対応が必要です。
第29話の多江のように、強く見える人ほど助けを出せないことがあります。だからこそ、指導者は「いつもと違う」に敏感でいたいですね。

「辞めたい」と言われた時に、ただ止めるだけではなく、何が限界なのかを見ることが大事なんですね。

そう。辞めたいという言葉は、結論ではなくSOSかもしれない。まずは背景を聞いて、その人の安全を守ることが大切だよ。
第29話を看護師目線で読み解くと
第29話は、シマケンの夢と多江の危機が並んで描かれる回でした。
シマケンは、活字を拾いながら小説家を目指しています。そこには、今の仕事だけでは見えない、その人の希望があります。
多江は、看護婦を目指す生徒でありながら、縁談という家の事情に揺さぶられます。強気に見えていた多江が、養成所を辞めると言い、倒れてしまう。その姿は、人が限界に近づく時、必ずしも弱さを見せるとは限らないことを教えてくれます。
看護師に必要なのは、表面だけで人を判断しないことです。
夢を見る。
役割を見る。
生活を見る。
家族を見る。
言葉の奥を見る。
倒れる前の小さなサインを見る。
第29話は、看護の「観察」がさらに広がった回でした。
患者さんを看る時、私たちは病名や症状だけに目を向けがちです。でも、その人が何を大切にしているのか、何に追い詰められているのか、何を言えずにいるのかを見ようとすることが、看護を深くします。

多江さんのこと、もっと早く誰かが気づけたのかなって考えてしまいます。

そう思うよね。でも大切なのは、その問いを次の観察につなげることだよ。「強い人にも限界がある」「言葉の奥にSOSがあるかもしれない」と知ることが、次の患者さんや仲間を守る力になる。
よくある質問
Q1. 患者さんの生活背景は、どこまで聞いていいのでしょうか?
ケアや退院支援に必要な範囲で、目的を伝えて聞くことが大切です。
「退院後の生活を一緒に考えるために伺います」「服薬を続けやすい方法を考えるために確認します」のように理由を説明すると、患者さんも答えやすくなります。答えたくないことを無理に聞かない配慮も必要です。
Q2. 「大丈夫」と言われたら、どう確認すればいいですか?
言葉だけでなく、表情、声、動作、食事量、睡眠、バイタルサイン、いつもとの違いを合わせて見ましょう。
「大丈夫とのことですが、少し顔色が悪く見えます。水分は取れていますか」のように、具体的な観察を添えて確認すると、患者さんも話しやすくなります。
Q3. 同僚が「辞めたい」と言った時、どう声をかければいいですか?
まず否定せず、「そう思うくらいつらいんだね」と受け止めましょう。
そのうえで、何が一番つらいのか、睡眠や食事は取れているか、誰かに相談できているかを確認します。危険がありそうな場合や長く続く場合は、本人の同意を得ながら教育担当者や上司につなぐことも大切です。
Q4. 倒れる前のサインはどんなところを見ればいいですか?
顔色、ふらつき、立ちくらみ、食事量や水分摂取、睡眠、会話量、表情、動作の遅さ、普段と違う言動などを見ます。
「なんとなく変」と感じた時は、具体的な事実に変えて報告しましょう。違和感を一人で抱え込まないことが大切です。
まとめ:第29話は“背景ごと人を看る”回
朝ドラ「風、薫る」第29話は、シマケンの夢、多江の縁談と退学宣言、そして多江が倒れる場面が描かれた回でした。
看護師目線で見ると、この回のテーマは「背景ごと人を看ること」です。
シマケンの夢は、その人の希望を知る大切さを教えてくれます。
多江の縁談は、社会的背景が心身に影響することを示しています。
多江の退学宣言は、強い言葉の奥にSOSが隠れている可能性を教えてくれます。
多江が倒れる場面は、限界のサインを見逃さない観察力の大切さを突きつけます。

第29話を見ると、看護師は本当にいろんなものを見る仕事なんだと思いました。体だけじゃなくて、生活、夢、役割、限界まで見るんですね。

うん。人を看るというのは、その人の背景ごと見ること。第29話は、多江さんの異変を通して、その難しさと大切さを教えてくれる回だったね。
参考:
シネマトゥデイ「朝ドラ『風、薫る』多江(小林涼子)が養成所を辞めると言い出す 第29回あらすじ」
Real Sound「『風、薫る』第29話、りんがシマケンの仕事場を訪ねる」
ORICON NEWS「『風、薫る』第29回 多江が突然、養成所を辞めると言い出す」
cinemacafe.net「『風、薫る』第29回あらすじ・場面写真」
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