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「大腿骨頸部骨折の患者さん、何を見ればいいの?」
「どこまで動かしていいの?リハビリの加減が分からない」
「また転ばないか心配…どう防げばいい?」
大腿骨頸部骨折は、高齢者の入院でとても多い疾患。新人看護師も必ず受け持ちます。ポイントは「症状」「リハビリの進み」「転倒予防」「転院調整」の4つ。この記事では、PT・OTさんの記録の活かし方や、再転倒を防ぐ視点まで、現役ナースがやさしく解説します。

しーちゃん、大腿骨頸部骨折の患者さんを受け持つんです。骨折って、何を観察すればいいんでしょう?痛みを見ればいいのかな…?

痛みももちろん大事。でもね、大腿骨頸部骨折は「骨折そのもの」より、その周りに見るべきことがたくさんあるの。まず——この患者さん、どこで、どうして転んだと思う?

えっ、なんで転んだか、ですか?

そう。大腿骨頸部骨折の多くは、自宅など日常生活のどこかで転んで起きるの。そして「一度転んだ人は、また転びやすい」。だから「なぜ転んだか」が、その後のケア全部につながるんだよ。
📌 この記事でわかること
- 大腿骨頸部骨折の患者さんで見る4つの軸
- 症状(痛み・しびれ・動き)の観察
- 手術と保存療法|どこまで動いていいか
- PT・OTさんの記録を見るのが一番わかる理由
- 再転倒を防ぐ|「なぜ転んだか」が超重要
- 転院調整(リハビリ病院)の情報収集
- そもそも大腿骨頸部骨折とは?|「歩けなくなる」骨折
- 大腿骨頸部骨折は「なぜ転んだか」から始まる
- ① 症状の観察|痛み・しびれ・動き
- 日常生活援助|「動けない」を支える
- ② 手術?保存療法?|どこまで動いていいか
- ③ リハビリの進み|PT・OTさんの記録が一番わかる
- 痛みと「不安」のケアも忘れずに
- ④ 転倒・転落予防|「もう一度」を防ぐのが最重要
- 動けないと起こる|「安静の合併症」に注意
- 家族の視点も情報に|退院後の生活を左右する
- ⑤ 転院調整|リハビリ病院への準備が早い
- 新人が使える|大腿骨頸部骨折の情報収集まとめ
- 1日の流れで見る|受け持ちのイメージ
- 報告の例
- しーちゃんの本音|骨は治る。でも「生活」は看護が守る
- よくある質問|大腿骨頸部骨折の情報収集Q&A
- 「反対側も折らせない」|次の骨折を防ぐ視点
- まとめ|大腿骨頸部骨折は「4つの軸」でつかむ
- 🛒 しーちゃんのおすすめ情報
そもそも大腿骨頸部骨折とは?|「歩けなくなる」骨折
観察の前に、ざっくり押さえておきましょう。大腿骨頸部骨折とは、太ももの付け根(股関節に近い部分)の骨折です。
高齢者に非常に多く、骨がもろくなる骨粗しょう症を背景に、ちょっと転んだだけで折れてしまいます。そして怖いのは、この骨折が「歩けなくなる」入り口になりやすいこと。痛くて動けない→寝たきりに近づく→筋力・体力が落ちる→そのまま元の生活に戻れない…という流れが起こり得ます。
だからこの疾患の看護は、「骨をくっつける」ことと同じくらい、「動く力を落とさない」ことが大事。手術やリハで骨を治しつつ、生活する力を守る——この2本立てで考えます。

「たかが骨折」じゃないの。高齢の方にとっては、この骨折がきっかけで寝たきりになることもある。だから”早く・安全に動かす”ことが、この疾患の看護のテーマなんだよ。

骨折が「歩けなくなる入り口」…。だから早く動かすことが大事なんですね。
大腿骨頸部骨折は「なぜ転んだか」から始まる
大腿骨頸部骨折の患者さんがいらっしゃったら、私はまず——自宅など、日常生活のどこかで転んだのかなと考えて情報収集を始めます。
高齢の患者さんに多く、多くは転倒がきっかけ。そして大事なのは、「一度転んだ人は、また転ぶ可能性が高い」ということ。だから「なぜ転んだのか(受傷エピソード)」を知ることが、入院中の転倒予防にも、退院支援にも効いてきます。ここが起点です。

「骨が折れた」という結果だけ見るんじゃなくて、「なぜ折れたか」まで見る。そうすると、その人に必要なケアが立体的に見えてくるよ。
① 症状の観察|痛み・しびれ・動き
まずは基本の症状。骨折した部位とその周りを観察します。
🦴 症状で見ること
- 痛みの有無・程度(安静時と動いたとき)
- しびれの有無(神経の圧迫がないか)
- 動きがどうなっているか(動かせる範囲、患肢の状態)
- あわせて足先の色・冷感・腫れ(血流のチェック)
痛みは、離床やリハビリの進み具合に直結します。「痛くて動けない」のか「痛み止めを使えば動けるのか」——痛みと鎮痛薬の対応をセットで見る視点は、術後の情報収集と同じです。

痛みを我慢させると離床が進まなくて、ADLがどんどん落ちちゃう。「痛みを取ること」も、動かすための大事なケアなんだよ。
日常生活援助|「動けない」を支える
大腿骨頸部骨折の患者さんは、痛みや荷重制限で、いつもの生活動作が一気に難しくなります。ここを支えるのが看護の中心。とくに排泄・清潔・移乗は毎日の課題です。
排泄|「動けない」の一番の困りごと
トイレに行けないことは、患者さんにとって大きなストレスです。ポータブルトイレ・尿器・おむつなど、その人の状態と荷重指示に合った方法を確認します。「トイレに行きたい」と無理に動いて再転倒——これは避けたいので、こまめな声かけと排泄援助が転倒予防にも直結します。
移乗|「患肢を守りながら」動かす
ベッドから車椅子への移乗は、折れている足(患肢)に負担をかけないやり方を、PT・OTの記録や先輩の実演で確認します。移乗は転倒・骨折悪化のリスクが高い場面。自己流でやらず、必ず正しい方法を教わってから行いましょう。

排泄の援助って地味だけど、患者さんの尊厳にも転倒予防にも関わる大事なケアなの。「我慢させない・無理に動かせない」のバランスを取ってあげてね。

トイレを我慢して無理に動いて再転倒…想像できます。声かけ、こまめにします!
② 手術?保存療法?|どこまで動いていいか
大腿骨頸部骨折では手術になることが多いですが、整形外科の病棟でない場合など、手術をしないで保存的に見るケースもあります。
保存療法の場合、たとえば「痛みが許す限りで、折れている方の足を使わずに車椅子へ移っていいですよ」といった指示が出ることもあります。つまり——「どこまで動いていいか」は患者さんによって全然違う。ここを勝手に判断せず、指示を必ず確認することが大切です。
⚠️ 必ず確認すること
- 手術か、保存療法か
- 荷重の指示(患肢に体重をかけていいか/禁止か/一部OKか)
- 移乗・移動の方法(車椅子への移り方など)
- 安静度の指示
「良かれと思って動かしたら、荷重禁止の足だった」——これは絶対に避けたい事故です。症状を見ながら、なるべくADLを落とさないアプローチをするのが看護ですが、その大前提は「指示の範囲内で」です。

どこまで動いていいか、人によって違うんですね。勝手に判断しちゃダメだ…!

そう。「動かす」も「動かさない」も、指示があってこそ。まずは「荷重どこまでOK?」を確認するクセをつけてね。
③ リハビリの進み|PT・OTさんの記録が一番わかる
大腿骨頸部骨折の看護では、リハビリがどの程度進んでいるかがとても大事な情報です。「どの程度動いてよくて、実際にどの程度動いているのか」を確認します。
看護師と専門職の「マニアックさ」の差
ここで正直な話を。理学療法士(PT)さんや作業療法士(OT)さんがリハビリを行うのと、看護師が行うのとでは、その”マニアックさ”に大きな差があります。
私たち看護師は、正直「可能な限りで動かす」程度しか考えていないことが多い。でも専門職は、どういうメカニズムで動かしていいのか・ダメなのかを、きちんとアセスメントしています。どの筋肉を、どの角度で、どこまで——という専門的な視点があるんです。
だから「PT・OTの記録」を見るのが一番
そういう意味で、情報収集のときは理学療法士さん・作業療法士さんの記録を確認するのが、一番よくわかります。「今日はここまでできた」「この動きは可」「この姿勢は禁止」——専門職の記録には、看護師が日々の生活援助でそのまま活かせる情報が詰まっています。
📋 リハ記録から拾いたいこと
- 今、どこまでできるか(立位・歩行・移乗のレベル)
- やっていい動き/避けるべき動き・姿勢
- 介助はどの程度必要か
- リハの目標と、退院に向けた見通し

「リハビリはリハの人の仕事」って思いがちだけど、違うの。日常生活の中でどう動かすかは、私たち看護師の仕事。だからリハの記録を”翻訳して使わせてもらう”のが賢いやり方だよ。

PT・OTさんの記録、今まであんまり見てませんでした…。一番わかるんですね!
痛みと「不安」のケアも忘れずに
身体の観察に集中しがちですが、大腿骨頸部骨折の患者さんは心のケアも大切です。
突然歩けなくなった不安。「もう歩けないのでは」という恐怖。一度転んだことで動くこと自体が怖くなる——これは珍しくありません。この「動くのが怖い」気持ちは、リハビリの進みにも影響します。
💬 心のケアの視点
- 「また転ぶのが怖い」という不安を受け止める
- できたことを一緒に喜ぶ(「昨日より座れましたね」)
- 痛みをきちんと取る(痛い=動きたくない、につながる)
- 本人の「どうなりたいか」を聞く

「痛い」と「怖い」は、リハビリの二大ブレーキなの。痛みを取って、不安に寄り添うと、患者さんは前向きに動けるようになる。これも立派な看護だよ。
④ 転倒・転落予防|「もう一度」を防ぐのが最重要
大腿骨頸部骨折の看護で、とにかく大事なのが転倒・転落予防です。理由はシンプル。一度転んでいるので、再び転ぶ可能性が高いから。
そして、防ぎ方は「なぜ転んだか」によって変わります。
認知症がある場合|「動き出す時」を捉える
認知症があって転んだケースなら、そもそも動き出す時を注意しなければなりません。本人は骨折していることを忘れて立ち上がろうとすることもあるからです。離床センサーの活用や、ナースステーション近くでの見守りなど、「動き出しを察知する」対策が中心になります(せん妄・不穏の情報収集も参考に)。
認知症がない場合|「環境」を整える
認知症がなく転んだケースなら、そうならないように環境を整えることが大事。ベッド周囲に物を少なくする、コード類を片づける、必要なもの(ナースコール・杖)を手の届く位置に置く、滑らない履物——こうした環境整備で、再転倒のリスクを下げます。
だからこそ、最初にお話しした「なぜ骨折したのか」のエピソードが大事になってくるんです。夜間トイレに行こうとして転んだのか、段差でつまずいたのか、ふらついたのか——原因が分かれば、打つべき手が決まります。

「転んだ人が、また転ぶ」を防ぐのが、この疾患の看護の主役。だから受傷エピソードは宝の情報。「なんで転んだのかな」って、必ず一度考えてみてね。

認知症のあるなしで、対策が全然違うんですね。「なぜ転んだか」から考えるんだ…!
動けないと起こる|「安静の合併症」に注意
大腿骨頸部骨折の患者さんは、痛みや安静指示で動けない時間ができます。この「動けないこと」自体が、別の合併症を呼ぶので注意が必要です。
⚠️ 安静で起こりやすい合併症
- 深部静脈血栓症(DVT)/肺塞栓…足の血流が滞り血のかたまりができる。ふくらはぎの腫れ・痛み・左右差に注意
- 肺炎・無気肺…寝たきりで痰が出せず。深呼吸や体位を促す
- 褥瘡(床ずれ)…同じ姿勢での圧迫。骨ばった部分・かかとを観察
- 筋力低下・関節拘縮…使わないと固まる。だから早期リハが大事
- せん妄…環境変化と安静で高齢者に起こりやすい
「動かさないほうが安全そう」に見えて、実は動かさないことのリスクも大きい。だから、荷重の指示を守りながらも「できる範囲で動かす・体位を変える」ことが看護になります。術後の情報収集で触れた「離床の考え方」とも共通します。

ベッドで動けない時間が長いと、足に血栓ができたり、肺炎になったり、褥瘡ができたり…。だから「動かせないなりに、こまめに体位を変える」のが大事なの。

動かさないことにもリスクがあるんですね。こまめな体位変換、意識します!
家族の視点も情報に|退院後の生活を左右する
大腿骨頸部骨折は、退院後の生活が大きく変わることのある疾患です。だから家族の状況も大切な情報になります。
👨👩👧 家族について押さえたいこと
- 退院・転院後、誰がどこまで介護できるか
- 自宅の環境(段差・手すり・トイレ・階段)
- 介護保険の申請状況(退院調整の情報収集参照)
- 本人と家族の「これからどう暮らしたいか」の意向
「元の家に、元のように帰れるのか」——ここが、リハビリのゴール設定にも、転院先の選択にも関わります。骨折前のADL(どのくらい歩けていたか)を家族から聞き取れると、退院支援がぐっと具体的になります。

「骨折前は杖で歩いてた」のか「手すりがあれば自立してた」のかで、目指すゴールが変わるでしょ?家族は、その人の”いつもの姿”を知る一番の情報源なんだよ。

骨折前のADLを家族に聞く…!ゴールを決めるのに欠かせない情報ですね。
⑤ 転院調整|リハビリ病院への準備が早い
そしてもう一つ、大腿骨頸部骨折でとても多いのが転院調整です。
総合病院では、患者さんが自宅で過ごせるレベルまでリハビリを継続する期間の入院ができません。制度上、早く退院(転院)が促されます。そのため、入院した時点で、すでにリハビリ病院(回復期リハビリ病院)へ行く手筈になっていることも多いんです。
だから情報収集では、退院先の情報も集めておきましょう。「転院先は決まっているか」「いつ頃移るのか」「家族の意向は」——これらは退院調整の情報収集で解説した「8つの視点」がそのまま活きます。
🏥 転院・退院で押さえること
- 転院先(回復期リハビリ病院など)は決まっているか
- おおよその転院時期
- 本人・家族の意向、退院後の生活の場
- MSW・退院支援看護師の介入状況

大腿骨頸部骨折は「入院した瞬間から退院(転院)を考える」疾患。急性期の総合病院は、あくまで”通過点”のことが多いの。だから早めに退院先を押さえておくと動きやすいよ。
新人が使える|大腿骨頸部骨折の情報収集まとめ
🔎 4つの軸で整理
- 【症状】痛み・しびれ・動き・足先の血流
- 【動いていい範囲】手術/保存・荷重の指示・安静度・移乗方法
- 【リハビリ】PT・OTの記録から「できること/避けること」を拾う
- 【転倒予防】受傷エピソード+認知症の有無で対策を変える
- 【転院】転院先・時期・意向
1日の流れで見る|受け持ちのイメージ
🕗 ある日勤の流れ(例)
- 情報収集…受傷エピソード・荷重の指示・PT/OT記録・転院予定・認知症の有無を確認
- 朝…痛み・患肢の状態・足先の血流をチェック、鎮痛薬の対応
- 日中…排泄援助、指示範囲での移乗・離床、体位変換(安静合併症の予防)
- リハ後…どこまでできたかPT/OTと共有、無理がなかったか観察
- 常に…転倒予防(動き出しの察知/環境整備)
報告の例
🗣 報告の例
「◯号室の◯◯さん、自宅で夜間トイレに向かう際に転倒して受傷、保存療法で患肢は荷重禁止です。本日、ふくらはぎに軽い腫れと圧痛があり、DVTが気になります。リハでは見守りで車椅子移乗まで可とのことでした。腫れの件、ご確認をお願いします。」
「受傷エピソード+現在の状態+リハの到達点+気になる所見」をセットで伝えると、相手もすぐ動けます。

報告に「なぜ転んだか」を入れられる新人さんは、患者さんを”点”じゃなく”流れ”で見られてる証拠。すごく頼もしいよ。
しーちゃんの本音|骨は治る。でも「生活」は看護が守る

大腿骨頸部骨折って、手術やリハで骨は治っていくの。でもね、それだけじゃ「元の生活」には戻れない。
一度転んだ不安、動くことへの怖さ、また転ぶリスク——そういう「生活」の部分を支えるのが、私たち看護師の仕事。
症状を見て、リハの記録を活かして、転倒を防いで、次の場所へつなぐ。ひとつひとつが、その人が「また自分の足で歩く」ための一歩。そう思うと、観察の一個一個に意味が出てくるよ。

骨を治すだけじゃなくて、「生活」を守る看護…。観察の意味が、すごく腑に落ちました!
よくある質問|大腿骨頸部骨折の情報収集Q&A
Q. どこまで動かしていいか分かりません。
A. まず荷重の指示(患肢に体重をかけていいか)を確認しましょう。そして、PT・OTの記録で「できること・避けること」を確認するのが一番確実です。迷ったら自己判断せず、先輩やリハスタッフに聞いてください。
Q. リハビリの記録、どこを見ればいいですか?
A. 「今できるレベル(立位・歩行・移乗)」「やっていい動き/避ける姿勢」「介助量」の3つを中心に。それが分かれば、日々の移乗や排泄介助で安全に活かせます。
Q. 何度も立ち上がろうとする患者さんが心配です。
A. 認知症などで骨折を忘れて動き出す場合は、離床センサーや見守りで「動き出し」を早く察知する対策が有効です。頭ごなしに制止せず、そばで理由を聞きながら関わりましょう。危険が高ければ必ず先輩・チームで共有を。
Q. 転院の話、新人の私も関わるんですか?
A. 調整の中心はMSWや退院支援看護師ですが、担当看護師として「転院先が決まっているか」「今どこまで進んでいるか」を把握しておくのは大切な役割です。
Q. 荷重禁止の患者さん、どこまで動かしていいか怖いです。
A. 「荷重禁止=患肢に体重をかけない」であって、「一切動かさない」ではありません。健側や上半身は動かせますし、体位変換も必要です。具体的な可否はPT・OTの記録と先輩に確認し、指示の範囲で”できることは動かす”のが基本です。
Q. リハビリの日と、それ以外の日で関わりを変えるべき?
A. リハは週数回でも、日常生活そのものがリハビリです。PT・OTが「見守りで移乗可」としているなら、日々の排泄や移動でもその範囲で動いてもらう。専門職の評価を、24時間の生活援助に活かすのが看護師の役割です。
Q. 高齢で認知症もあり、安静が守れません。
A. 「守らせる」より「動き出しに気づく」方向で。離床センサー・低床ベッド・こまめな見守り、そして排泄など”動きたくなる理由”を先回りでケアします。ひとりで抱えず、チームで対応方針を共有しましょう。
「反対側も折らせない」|次の骨折を防ぐ視点
意外と見落とされがちなのが、「反対側の足も折れやすい」ということ。一度大腿骨頸部骨折を起こした人は、もう片方も骨折するリスクが高いと言われています。骨がもろい状態(骨粗しょう症)は変わっていないからです。
🦴 次の骨折を防ぐために見ておくこと
- 骨粗しょう症の治療薬が始まっている/継続されているか
- 転倒予防(入院中も退院後も)の指導
- カルシウム・ビタミンDなど、栄養・食事の状況
- ふらつきの原因になる薬(睡眠薬・降圧薬など)を飲んでいないか
「今折れた足」だけでなく、「次に折らせない」視点を持てると、看護がぐっと深くなります。とくに、ふらつきを起こす薬の確認は内服薬の情報収集とも重なる大事なポイントです。

「治して終わり」じゃなくて「もう折らせない」まで考える。反対側の骨折で再入院…なんて、絶対に防ぎたいからね。

反対側も折れやすいなんて…!「次を防ぐ」視点、持っておきます。
まとめ|大腿骨頸部骨折は「4つの軸」でつかむ
✅ 大腿骨頸部骨折の情報収集チェックリスト
- □ まず「なぜ・どこで転んだか」の受傷エピソードを押さえる
- □ 症状|痛み・しびれ・動き・足先の血流
- □ 手術か保存か、荷重の指示、安静度を確認
- □ 勝手に動かさない。「どこまでOK」は指示・PT/OT記録で
- □ リハビリの記録から「できること/避けること」を拾う
- □ 転倒予防が最重要(一度転んだ人は、また転ぶ)
- □ 認知症あり→動き出しを察知/なし→環境整備
- □ 動けない合併症(DVT・肺炎・褥瘡・拘縮・せん妄)を予防
- □ 排泄・移乗は「我慢させず・無理に動かさず」
- □ 痛みと「動くのが怖い」不安のケア
- □ 骨折前のADLを家族から聞き、ゴールを設定
- □ 転院(リハビリ病院)の準備は早い。退院先を集める
観察項目は多いですが、「症状・動く範囲・リハ・転倒予防・転院」の軸で整理すれば大丈夫。骨を治すその先の「生活」を見据えて、関わっていきましょう。
大腿骨頸部骨折は、観察も援助もリハも退院調整も…と、看護のあらゆる要素が詰まった疾患です。だからこそ、新人さんがこの疾患を丁寧に受け持てるようになると、看護の総合力がぐっと上がります。

この疾患を一人でしっかり見られるようになったら、あなたはもう立派な戦力。焦らず、ひとつずつ、目の前の患者さんから学んでいこうね。応援してるよ!

観察・援助・リハ・退院支援…ぜんぶ詰まってるんですね。この疾患、丁寧に受け持ってみます。ありがとうございます、しーちゃん!
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